柳貴家雪之介門下であるふたりの少年弟子が意欲的に、本格的な獅子舞のお稽古に入りました。

 

意志、意欲、精神性の高揚こそは修得への大事な前提です。

 

わが宗家に「生」を受けたものは5歳(数え6歳)になると、有無を言わさず、お稽古に入ります。それこそ本人の意志に関係なく、です。

 

伝統芸能の世界における、幾百年の歴史が物語り、如実に証明しています。

 

しかし、自覚的・主体的に望んで入門したものは、自己の強い意志が意欲となって、すすんで稽古に臨みます。

 

世間でもスポーツ、音楽、将棋、等々。ピアニスト、バレリーナはじめ、少年少女が目標を定めて自ら修練に励み、「神業(かみわざ)」を修得せんと挑み続けるもの、後を絶たず、であるのです。

 

雪之介門下のふたりとも、強い意志が漲(みなぎ)り、明るく熱心に励んでいるのですから、その可能性は限りないことを実感します。

 

まっすぐに「無垢なる志(こころざし)」をさらに育(はぐく)み、彼らのより豊かな人生に繋(つな)がることを願い、師匠として正しく楽しく、伝授することに努めたいと思います。

 

「水戸学」が一地方の学問ではなく、日本民族の「国学」として世の歴史を進めたように、「水戸大神楽」が地方芸能ではなく、日本民族の精神文化を宿した芸能として、人々とともに歩むことを祈念しています。

 

芸能ジャンルにおける「水戸藩」は、確実に次代へと、継承されて行くことでしょう。