わが宗家における「獅子舞」をはじめとする「神楽(かみあそび)」は、「天岩戸」の故事に淵源します。

 

学術的な「獅子」の伝来は、飛鳥朝に初見されます。

 

「曲芸」は、平安朝に遡(さかのぼ)ります。  

 

(詳細については いずれも拙著「奥傳 大神楽全書」に記)

 

それら本来の伝統が、時空を超えて、神楽の一流儀である大神楽、水戸大神楽家元である柳貴家正楽家に収斂され、伝承されているのです。

 

かつて永井啓夫先生(元日本大学 大学院教授)による考察のなかに、古代中国由来の獅子舞が、「魔除招福」のシンボライズとして連綿と継承されるに及ぶ、正統派の系譜にして究極の到達点の一流儀。そして、その精神を宿す芸統の「奥の院」であると位置ずけていただいた、過分なる「学術的」励ましがあります。

 

わが一門は「不易と流行」の実践である、伝統を現代文化に再構成し、洗練された獅子舞としてのオリジンの芸、その伝授を、誇りを以て学んでください。