かつて京都ホテルのメインホールにて、国重要無形文化財保持者いわゆる人間国宝に認定された大蔵流狂言師・茂山千作先生の文化勲章受章祝賀会に招聘されて、水戸大神楽家元一門による神楽獅子・祝福曲芸を披露しました。

 

乾杯前の披露ということでご招待の方々の視線が集中、「金屏風」を背にして披露、まことに緊張感漲る舞台でありました。これは水戸宗家の平成における「三大舞台」の一つであります。

 

綺羅星の如き出席者の方々。能楽・片山九郎右衛門師(人間国宝)、金剛流二十六世家元・金剛永謹師(令和人間国宝認定)はじめ千玄室師(当時裏千家家元・千宗室師)、作家の瀬戸内寂聴さんら著名人の注目のなか、まさに生涯の「晴れ舞台」であったのです。

 

小雪の友人である千作先生のお孫さん・茂山逸平師からの依頼でした。控室にて逸平師のご尊父・茂山七五三師(令和人間国宝認定)から、にこやかな笑顔でご挨拶をいただきました。

 

ホテルのロビーにて偶然、金剛流家元と遭遇し記念に写真一葉を、ご一緒させていただきました。

 

先日、「美の壺」(NHK)600回記念の「能」番組にて、金剛流家元が「写実の反対にある世界=幽玄」であることを仰言(おっしゃ)っていました。

 

能楽における「鏡の間」、「橋掛かり」、「能舞台」に至る構成は、実に素晴らしい「あの世」と「この世」、「写実」と「幽玄」の世界を現出しています。

 

そして、幾百年にもわたり磨き、完成されてきた演劇、舞台芸能としてまさに最高峰の美学の粋、なのです。