橋台の横に翼のごとく広がる擁壁を作りました。
私は知りませんでしたが、この擁壁のことを”翼壁”とか”ウイング”と呼ぶらしく、以降は翼壁と書きます。
鉄道橋の翼壁は、石積みでできたものやコンクリート製、煉瓦製などを目にしますが、私は、石積みを選びました。
石の積み方にはいくつかの種類があります。
下手な作図で申し訳ないですが、左から、布積み、谷積み、乱積みです。
このうち谷積みは、道路の擁壁や河川の護岸などで見る機会も多く、長方形の石が整然と並んでいる様をご記憶の方も多いでしょうが、なぜか、鉄道橋の翼壁では、正方形の石が少し乱れて積まれていることが多いので、その様子を図にしました。
さて、谷積みの翼壁は、実家近くの久大本線にもあって、幼い頃から馴染み深いものです。
そこで、トラフガーダー橋の翼壁は、谷積みを採用することにしました。
製作方針が決まったら、グーグルマップを活用した現地視察に出発します。
鉄道模型は、実物の観察が非常に大切ですが、グーグルのおかげで、居ながらにして世界中の実例を観察することができるようになりました。世界中を走り回るスタッフに感謝です。
ストリートビューでいろんな事例を見ていくうちに、谷積みの翼壁には、いくつかのパターンがあることに気が付きました。
その中で、私が最も興味を惹かれたパターンがこれです。
奇しくも、前回と同じ架道橋です。近江鉄道が、終着駅・貴生川に到着する直前にあります。
この翼壁をよく見ると、橋台に隣接した部分は布積み状になっています。そして、そこから徐々に谷積みに移行しています。
この変化がとても面白く、私の翼壁も、これを再現することにしました。
製作にかかる前に、ストリートビューをよく観察して、フリーハンドで石積みの模様が書けるように練習を行います。
そして、本番です。
1ミリ厚のスチレンボード(紙の貼ってない素板)に、ケガキ針で描画を敢行しました。
結果は、どうやら上手くいったようですね。
続いて、ちょっと前に隅石の製作で味を占めた技法を、再び試します。
石の盛り上がりを表現するため、ジェルメディウムを小筆で塗っていきます。
下の写真は、ジェルメディウムを塗布したところです。非常に分かりにくいですが、石の表面が盛り上がっているのが見えるでしょうか?
ジェルメディウムが乾燥したら塗装です。
結果は・・、
これ以上拡大すると粗が見えますが、大成功の部類です。
現物は高さ 3センチの小さなものですから、よほど目を凝らさないと粗は見えず、問題はありません。
残り3つの翼壁も上手くできました。
ここまで出来たら、早いとこレイアウトに設置したいところですが・・。
父の日と言えど、休日の炊事当番に例外はなく、腹をすかせた娘が隣で待ち構えています。
今日のメニューは、父の日特別メニューの”ランプステーキ”です。ただし、作るのは私ですけどね。
そんな訳で、今日の工作はここで終了です。
この後は、翼壁の天端(※)部分にコンクリートを打設する工程が残っています。
長かった架橋工事もいよいよ最終盤です。
次は、道路の改修に取り掛かる予定です。
本日も、ご訪問ありがとうございました。
※ 天端・・ 天端(てんば)とは建築用語で、「建築物の最長部」を指します。 また、建築物の最長部でなくても「各部位の上面の部分」に対しても使われ「上端」とも呼ばれます。ここでは、上端の意味で使っています。