改良したエクセル時計を横目で見ながら、ダイヤを編成しました。
今日は川正線のダイヤを紹介します。
・・・冬空の下、九州の大動脈・加児島本線の浦之津で下車した。跨線橋を渡り、手すりの冷たさに顔をしかめながら、九州を横断する白縫本線に乗り換える。車内も暖かくはないが、川正線の起点、筑紫増川はもうすぐだ。
時刻表の索引地図を確かめて、川正線の頁を開く。列車番号を見ると、ディーゼルカーは走っていない。・・・
さて、示したダイヤは一例です。この他にもいくつかのパターンがあります。これまでも、上りの始発が C58牽引と書いたり、8620牽引と書いたりしましたが、このダイヤは前者です。
川正線の一日は、夜明け前の浦之津で幕が開きます。C58が牽く3両編成の 711列車が始発です。711列車は、川正への回送みたいなもので筑紫家野は通過します。
この折り返しの 712列車が、上りの一番列車となります。機関車が機回しを終えると、夜間滞泊していた 714列車が2番線に進入してきます。
先発の 712列車が増川に到着したら、間もなくして 714列車を発車させるのです。交換設備のない全線一閉塞の盲腸線としては、精一杯のフリークエントサービスです。
このため、川正には2本の出発線があり、出発信号機も備えられています(以前に書いた配線図とはちょっと違いますけど・・)。
712列車には、県都・浦之津の進学校に通う高校生や、朝の早いサラリーマンが乗り込みます。九州以外の方には馴染みが薄いかもしれませんが、九州の進学校では、昭和30年代から、朝の課外授業を行うところがあり、それも考慮したダイヤです。
筑紫川正 7時5分発の714列車は、8620牽引の2両編成です。通勤・通学には「ちょっと早い。」とこぼす人もいるようですが、折り返しの715列車にも一定の需要があり、川正への到着時間を考慮しなければなりません。
(筑紫増川 7時40分発の715列車は、折り返し時間を短縮し、逆機で川正を目指します。)
城下町だった川正は、今でも伝統産業が雇用を生み、藩校の流れを汲む高校には、その気風に憧れて、県都から通う生徒もいるのです。県都の浦之津は藩が開いた港町で、静かな入り江(浦)の船着き場(津)が地名の由来です。
ダイヤに話を戻します。8時5分に2両で川正に着いた列車は、スハフを側線に押し込み、昼間はスハニの1両で、川正と増川の間を行ったり来たりします。
昼下がりに、筑紫増川で長時間の待機がありますが、この間に、時刻表にはない貨物列車のスジがあります。
川正は、蒔絵が特徴的な川正漆器をはじめとする工芸品が有名で、家野の周辺では原木が採れます。とは言え、貨物の往来は大した量ではないので、片道はワフが1両だけのこともあるようです。
高校生の帰宅時間を迎えると、列車はスハニ+スハフの2両に戻ります。冬空に星が瞬きだす頃、再び、浦之津から直通列車がやってきます。この時間帯には、朝と同じく、折り返し時間を短縮するための逆機運転も見られます。
そして、月明かりの中を走るスハニ1両の 731列車が最終です。車内には、遅くまで仕事に勤しんだ諸氏に交じって、いい気持で赤らんだ顔も ちらほら見えます。皆さんを無事に連れ帰ると、川正線の1日が終わるのです。
以上、ダイヤの一例を紹介しました。正方向の運転と逆機運転が混在するなど、ちょっと現実離れな気もしますが、鉄道模型としての面白さを優先しました。
今のところ、蒸気列車が主役のダイヤを数パターン用意していますが、それだけでなく、DCが混じるダイヤや、ディスカバージャパンで脚光を浴びた川正(過去記事参照)に週末の臨時急行が走るダイヤなど、いろんなパターンが組めそうです。
さして大きくないレイアウトですが、運転の楽しみは尽きません。まだまだレイアウト工作の先は長いのに、困ったものです!
本日も、ご訪問ありがとうございました。