(株)サガン・ドリームスは資金に余裕がある会社ではないのに、今オフに豊田、林、ミヌ、ミンヒョクの引き留めに成功し、「すべての選手を残留させる。自信がある」と自信たっぷりだった竹原社長の「ほぼ」言うとおりの結果でした。


お金以外でどうすれば引き止められるのかを考えると、街や市民やサポーターの力ももちろんあるでしょうが、ここで忘れてはいけないのが井川会長です。井川会長の会社は「プロフェッショナル価値の最大化」が仕事ですから、プロサッカー選手に応用できるノウハウも山ほどあるのだと思います。これは他のクラブにはあまりない、サガン鳥栖の大きな強みの一つだと思いました。

http://www.cri.co.jp/cri_group/


どんな手法なのか想像してみました。

(プロサッカー界の仕組みも何も知らないのでいい加減ですが)


仮に14年単年度契約で年俸が1000万円の選手がいたとすると、


・昨季活躍したので1200万円X2の2年契約。

・しかし前半が終わったら提携先(?)の海外クラブ(ユベントスなど)の練習に参加し、自力で認められれば0円で移籍して良い。

・ただ帰国したときはサガン鳥栖で残り1年半の契約を全うすること。

・引退後仕事がなくなっても、らいふ薬局やC&R社で働き口を保証する。


これでマスコットじゃないけどサガンも選手もユベントスもみなウィンウィン。

うーん、でもこれでは引き止められないかな(笑)。

サガン鳥栖2015新体制。背番号7は引き続き空いているが、2番も空いた。


すぐに思うのは、万一の時に木谷コーチを現役復帰させるため。


もうひとつは……ソンヘのために空けてある。 だとしたら、すごい長期戦略。

アウェイで応援していると、相手チームのチャントとメロディがかぶっていることがある。そうするとそのチャントは使いづらいもの。 しかし、ユーミンのメロディに乗せた「恋人はサガン鳥栖♪」のチャントだけは、他のチームにはないと思われ安心である。シーズンが深まり冬が近づいてくるにしたがい、季節もフィットしてくる。6日の鹿島スタジアムでの最終戦終了後、静まりかえったスタジアムにこのチャントだけが響いていた。


2012年は横浜に負け、2013年は甲府と引き分け、アウェイ最終戦はまだ勝ちがない。要の選手に出場停止が重なり苦戦が予想される。キックオフ1時間前にスタジアムに着いたが、既にアウェイ側は空席を探すのが難しいほどの入りだった。先発メンバー発表のアナウンスで、丹羽選手以外の名を呼んでいる。「ソングンかな?」と思っていると、今度はボランチとおぼしき順番で金井のアナウンス。谷口選手を予想していただけに、かなうぃーの活躍に期待が膨らむ。開始早々の前半6分、誰かが放ったミドルシュートが見事にゴール右上のネットに止まった。誰のシュートかわからず、「あの位置だと高橋選手かな」と思ったが、今シーズンあの位置から放ったシュートが上に外れていく場面が多かったので、確信がなかった。やがてアナウンスが流れた。シーズン最後に見事決めてくれたね。.


「早々に先取点を取ってくれると、こんなに安心して見ていられるものか」と思った。時に鹿島にチャンスを与えるものの、金井、ソングンを含めて集散が速く、鳥栖の方が人数が多いのではと錯覚する。守備の調子が良いときの徴候だ。後半に入り、攻防が激しくなる。終盤になるとここまで頑張ってきた金井、ソングンが相次いで交代。遜色ない働きをしていただけに、「そうか、レギュラー陣との差は90分走り通せる力にあるのかも」と納得。そろそろ心中穏やかでなくなる。カウンターに飛び出してきた鹿島の曽ヶ端選手とミヌ選手がサイドライン付近でボールを競り合う。ゴール前の豊田選手にボールが渡るが決まらない。


アディショナルタイムに入り、いよいよ苦しくなる。ボールを得るとすぐにサイドに蹴り出す場面も増える。ホイッスルとともに、今まで見たことがないほどたくさんの鳥栖選手が崩れ落ちた。今日はそれだけのものを出し切ったのだろう。珍しく豊田選手もうずくまっている。彼は長いこと仰向けになったままで、いちばん最後に整列に加わった。


選手たちがサポーター席に向かってくる。ミンヒョク選手が泣きじゃくっている。谷口選手は声援にガッツポーズで応える。また「恋人はサガン鳥栖♪」の合唱が始まる。終わってみれば、今年のアウェイ開幕の浦和戦と同じ展開で、最高の試合。普段の先発から後6人のうち3人が入れ替わってこの結果は、いっそう賞賛に値すると思う。


帰宅後にテレビの録画を見たが、「二人の姿は見納めかもしれない」という思いとともに私の心に一番残っている2つの風景、仰向けの豊田選手と、泣いているミンヒョク選手は映っていなかった。