12人産んだ助産師さん、最近なんだか動画タイトルが釣りっぽい。
【舌小帯短縮症】授乳が大変?発音が下手?手術するべきか徹底解説!
お医者さんの間でも見解の分かれる、舌小帯短縮症の手術を解説する動画。「手術するべきか」助産師さんが指南するん?
舌小帯短縮症 舌小帯癒着 ハート舌 ツレ舌
この単語を知らない人は気にすることもないけど、症状があり気になっている親御さんには悩みの大きい世界だと思います。
どうしてお医者さんの間でも見解が分かれることになったのか。
ネットをチラ見した感じでは、世の中の流れはこんなふうでした。
20年くらい前まではお産の病院でピッと切るのが慣習的。おっぱいがうまく飲めない原因と考えられていたから。
1994年、「切除はSIDS予防になっている」説。日本でSIDSの発生率が低いことと、舌小帯切除が広く行われていることを関連付ける見方がされたようです。
おっぱいのために「切った方が良い」とされてきて、さらにSIDSに関わる可能性が現れ、産科界隈ではより積極的にチェックするようになったのでしょう。
舌小帯短縮症の指摘は親御さんたちの不安を煽り、小児科では「親が手術させたがる」現象が多発し、研究されることになります。
2001年、日本小児科学会がSIDSとの関連を否定。SIDS予防目的での手術は不要との声明。
以降、小児科の世界では切らないのがスタンダードに。
とは言っても、舌小帯短縮症が引き起こす症状で治療が必要となるケースはあります。
2018年、日本歯科医学会が哺乳障害、摂食障害、発音障害がある場合に切除術を行うことを推奨しています。
歯科と小児科でねじれが起きているいま。
小児科学会の声明が20年前から見直されていないこともあり、一周回って「手術した方が良い」説のターンが来つつもあるようです。
動画タイトルは「手術するべきか徹底解説!」。
両論ある、わからん、一部の先生方を否定もできない、と言いつつ、助産師さんはどうも手術否定派。手術選ぶのは間違いとの印象を残す語り口でした。
医学的な適用が
ちゃんとエビデンスがはっきりしていないのに
小さな赤ちゃんに全身麻酔を
かけるとか手術っていうのは
無意味な必要が無い手術であったり
麻酔っていうものからは
私たち正しい知識を持って
当事者である赤ちゃんたちを
守っていってあげないといけない
そういう立場にあるんかな
っていうのは思います
舌小帯短縮症に限らず、なにもかもそうですね。
エビデンスはっきりしてなくて医学的な適用がなくて手術を勧められることってあるん?
無意味な必要がない手術とは?
「私たち」って助産師さんたちのこと?親御さんたちのこと?
このへんよくわからなかった。
以下はネット情報をいくつか見て私が思ったことです。
ただちに命には関わらないけど、なにかしら困ることは起きている、あるいは起きる予測が立つ体。
手術のリスクを取るだけの効果があるかないかは、やってみないとわからない。
その結果を引き受けるのは、判断する保護者ではなく愛しい子の小さな体。
「大人の判断をこどもの体が引き受ける」
ワクチンとか、予防の場面を含め、こどもの病気にまつわる不安悩みの本質は、だいたいここだと思います。
舌小帯の状態が何にどういう悪さをするのかは個人差があり、成長の段階でも変わっていくようです。
癒着の度合い=症状の程度、でもない。
困っていなければ治療も必要にはならない。
だから見解が割れる余地もあるし、一律に「これなら手術」の線も引かれないのでしょう。
SIDS、歯並びへの関連は否定されている。
話すことや食べることに関して手術するかどうかは、トレーニングと観察をしながら、発達が完成される4〜5歳を待って判断するとの記述が複数見られました。
ただ、機能的には様子見の段階でも、発音や食べ方が本人の心に影を落とすような問題を起こしていたら、早期解決のため手術に踏み切る選択もある。
お医者さんと相談して、わからないことは聞いて、考えて、迷って、悩んで、決めるしかない。
その結果を受け入れる覚悟を持って。
親の仕事はきっついもんです。
そういう話だな、と思いました。
最後に、参照したサイトを並べます。
2001年
日本小児科学会 舌小帯短縮症に対する手術的治療に関する現状調査とその結果
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=85
2018年
日本歯科医学会 小児の口腔機能発達評価マニュアル
https://www.jads.jp/date/20180301manual.pdf
日本小児外科学会
http://www.jsps.or.jp/archives/sick_type/zetushoutai-tanshukushou
日本耳鼻咽喉科学会
http://www.jibika.or.jp/citizens/kids_entqa/kuchi_zetsutan.html
否定派、肯定派が発生した流れ
小帯が短い子でもそのままの形で発音や嚥下に問題なく成長する場合がある
ただし、舌小帯短縮症による機能障害(構音障害、摂食機能障害)がいじめや劣等感などの原因になっていると判断される場合には比較的早期(3~4歳)に手術の検討が必要になる場合もある
日本言語聴覚士協会
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