息子に読み聞かせをよくするんですが、今日はその中でも私が死んだときには棺桶に入れてねと妻にお願いするほど好きな作品の『11ぴきのねこ』シリーズについて書いていくよ。

 

 

 このシリーズの面白いところは猫の習性をお話の中にうまいこと組み込んでいることです。最初の作品は特に顕著ですがせっかく捕まえた大きな魚を、町の仲間たちに見せびらかす前に11匹で全部一晩で食べちゃいます(笑)

 他にも、思うまま動くという習性から立札のいうことを聞かなかったり、1個のことに集中する習性はコロッケを余るほど飽きるほど山ほど作ったり、キレイ好きなところはどろんこ遊びをひどい目にあったみたいなことを言ったり、変な猫が宇宙に帰るロケットを乗っ取るつもりが花火に夢中になって取り返されてしまったり、豚の家を作ってあげたらあまりによくできてしまい自分たちの家にしてしまったり、あほうどりの兄弟が11匹と聞いて1人1羽のとりの丸焼きを夢見てあほうどりの国に出向いたり、とにかくああ猫ってこんなよなあと思わず微笑んでしまう楽しさがあります。

 賢いのに抜けていたり、すごい集中力なのにムラっ気が強いし、ずるいのに詰めが甘かったり魅力がたくさんです。

 

 世界観としては人間がおらず、動物のみが暮らしており人語を話したり二足歩行だったりの、いわゆるしまじろう的なものになっています。そしていわゆるモンスターのような生物も生息しており、幼心に少し怖いと感じる不気味なデザインなのに妙な愛嬌もあるというまずまず平和な世界です。

 大きな魚が陸で寝ていたり大きな貝を枕にしたり歌を歌ったり、恐竜がいたり宇宙から来た生物もいたりなかなかに混沌とはしているので驚くほど自由な作中世界に、おおらかな心でないとツッコミ疲れしてしまうかも(笑)

 ただ、そういった現実ベースに深く考えることにこだわる必要のない作風は、子供たちに長らく愛された作品であることの大きな説得力ある部分になっていて、実際に大人になった私が読んでも楽しい。そもそも私がこのシリーズを幼いころから好きで息子のためにわざわざ買ったし、それが叶うほど昔から今に至るまで実際に愛され親しまれてきたシリーズですから、この先も息子が大きくなって我が子に語り継いでいってくれるでしょう。それぐらい素敵な作品です。

 

 

 ということで、今日はこの辺で。いつもよりだいぶ薄味ですがこんな日も良いでしょう。

 明日もいい日でありますように。