今日は実家に一人で帰ったのでとりあえず時間の制限はないけど、昨日お酒の席があったため倦怠感が一晩経っても拭えないので書きたい内容になるか微妙かも。

 

 さて、今回は本エピソードにおける王泥喜くんと牙琉霧人について。王泥喜くんは牙琉霧人の弁護士事務所で働いている新米弁護士という設定で、牙琉霧人は現法曹界において最高の弁護士…と言われているという設定。

 逆転裁判4で新章開廷を銘打って主人公を王泥喜くんに変更し、性格も熱血系で髪形もいかにも一本気な感じにさっぱりしたデザインとなっていてとにかく論理より情熱といった変化を入れようというメーカーの意気込みが見て取れる。

 実際に、本作の結末は理詰めで導き出された真実(作中では実際に起こったこととして使われやすい言葉)よりも被告人は裁かれるべきかという心への寄り添いに焦点を当てていて、それを裁判員裁判の制度を使って表現している。

 裁判員裁判の制度を使ったという点は新しいが、テーマ自体は逆転裁判2でも使われておりそれぞれゲームとして求められている判決が違い、それを扱った主人公も違うため結末もそれぞれの性格に準じたものになっている。実際に起こったことに対して法に準じて正当に裁くことを正として敗訴してでも信念を貫くことを求められた2、それが悪いとも良いとも判断がつかない者を利用し悪事を仕向けた者を裁く上で利用された者も同じように裁くべきかという問いにその弱き者を守るために無罪を選び勝利することを選ぶ4。

 王泥喜くんはそのために情に厚いキャラクターに設定されたといっても過言ではない。では、その情に厚いキャラクター性を深掘るために本作で用意されたピース、それがどの程度示されたのか?そこがこの作品の最大の難点となっている。

 それはたった一点、それも出自という極めて本人の人格形成にあまり影響がなさそうなものだけだったりする。本作通してなぜ弁護士になったのかもわからなければ、牙琉霧人という現法曹界最高の弁護士…と言われる人物に師事することになった経緯もわからず終わる。

 ただ、本エピソードでなぜ牙琉霧人に師事することになったのか?それのヒントめいたものは少し出てくるのでそこを語っていこうかと思う。ちなみに、なぜ弁護士になったのかは、次回作以降で全容ではなかったと思うけどわかるようにシナリオ展開するのでいずれそこに触れる内容も書くかも。

 

 結論としては、王泥喜世代の弁護士の卵たちなら知らない人のいない伝説の弁護士成歩堂の親友といわれているから、ということと思われる。実際は親友どころか、牙琉霧人からしたら羨望と嫉妬の全集中を注がざるを得ないほど憎い存在ではあったりするが表向きは成歩堂が弁護士資格剥奪後にも良好な関係性を周囲に示しており、自身の実績としてもひとまず優秀であるという評価をしっかり勝ち得ている。

 成歩堂に憧れる王泥喜からしたら、憧れに最も近い存在に師事することが自身の目指す弁護士像に近づくための最高最良の道だと判断しても全く不思議ではないし、牙琉自身の力量も世代最高峰でコンタクトを取るのも難しそうな立場だからこそ師事を乞う関係性構築を成し遂げたら、より多くの人を救えると考えたのだろう。

 

 さて、では牙琉霧人の方はどうか?なぜ、王泥喜くんのコンタクトを無碍にせず受け入れたのか?成歩堂との関係性は前述したとおり実際のところはドス黒い。それでもなお受け入れざるを得なかった事情、それが前述した王泥喜くんのキャラクター性の唯一本作で深ぼられた要素、『出自』。そして本エピソードの殺人動機の一旦であり起こったことの本質というか原因というか…そういったいったものをなんと表現したらいいか…まあ、一番しっくりくる言い方はやっぱり『闇』なのかな。

 彼にとって王泥喜くんがいかなる意味を持つ存在なんでしょう?本エピソード単体ではこれは意図的にわからないように構成してある。最後まで遊んで、もう一度始めてみると…といった具合に端々に拾いやすいピースをちりばめてる。

 本作が黒歴史だのクソゲーだの駄作だの言われてるのって、おそらくエンディングのあるゲームを複数回遊ばないことが前提のユーザーの多さがそうさせてるんだなって改めてこうやってまとめて見えてきた感ある。

 

 思い付きで初めて見てよかったなあと思ったところで、今回はこのぐらいで。