元記事
もはや何でもありになってきたウクライナ戦線だけれども、
アメリカは昨年からF-16を無人戦闘機化する計画を進めている。
もともと、F-16は標的機として200機前後が使われてきたから、
無視戦飛行させたり戦闘の真似事をさせるノウハウの蓄積はあるのだろう。
米国においては、
空軍、民間、
さらにはドローンの操縦者も不足している。
そんな状況下で戦力を維持しようと思ったら、
無人機を増やすしかない。
今のところ、
千機の無人機とその半分から三分の一くらいの有人機、
さらは百万機近い各種のドローンを装備することになりそうだ。
また、
こうした戦力を更新しつつ維持するためには、
その背後に巨大な産業クラスターが不可欠で、
そこから生み出される民間向けの商品は、
いよいよ社会を変化させると思う。
多くの肉体的、反復的労働から人間は解放され、
ドローンやロボットを指揮することで、
人間一人当たりの生産性はかつてないほどに向上する反面、
汎用AIの一般化によって、
一日の知的活動も激しくものとなるだろう。
意思決定すべき事柄は増え、
日常の生活速度は増加していく。
そうした社会に意味があるかどうかという哲学的な問いも現れるだろうけれども、
過去の歴史が証明しているように、
技術は人間を変え、
人間は技術に適応してしまう。
20世紀の技術は忘れ去られ、
22世紀技術のみが生き残る。
人間型の多用途機械が社会的に普及するかはわからないが、
様々な形式の機械類が忙しく街を動き回り、
荷物や人を運び、
清掃し修繕を行う社会を、
どの都市や国が一番先に実現するのかを競う段階に入っている。
また、
気候変動にしても、
大気中において大気組成や日照を制御できるだけの大量のドローンを常時飛ばすことも可能な時代だ。
これは軍事的にも不可欠で、
遠からず実現する。
雲霞のように空を覆うドロー群を想像するのは簡単なことで、
それらが常時飛行し、
対象国の穀倉地帯の日照を遮ることで、
国家を破滅させることも可能だ。
人工的な飛蝗を生み出し、
作物を食い荒らすこともできる。
DARPAはかつて、
有機物を自ら食べることでエネルギーを補給し、
ほぼ無限に戦場で活動できるロボットの研究をしていたことがある。
ウクライナ戦線がどのような終わりを迎えるのかわからないが、
その終わりが新しい戦争の一般化の日であるのは間違いない。