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MMTの最大の欠陥は、

国際政治的や国際競争の視点が抜けていることだ。

 

非常に単純化かれば、

貨幣を無限に増加させることで、

国家の自己資本を増資し続けることを各国が競った場合、

その先にあるのは「戦争」しかない。

 

国家は企業のように精算することができないからだ。

 

小さな国家であれば、

各国が協調して管理下におくことができるが、

先進国同士においてはそれは不可能だ。

 

自己資本が増加するのと、

経済の発展が同時に起こればいいが、

現在のようなすべての面において自由化が進んだ世界においては、

覇権国家は多くても三つ以下であり、

自由に発展できるのは一つの国家、

または国際組織だ。

 

アメリカはドルの危機だ云々いわれてきたが、

彼の国がドルの減価を乗り越えられたのは、

そもそも減価、ドル安というのが評価として間違っていたわけであり、

ドルの世界的な需要はこの半世紀、

爆発的に増加している。

 

だからこそ、

MMT的な考え方はドル経済圏においては妥当だが、

ほぼ独立した自国通貨経済圏としての国土を維持している国にとっては、

同じ方法論を使った場合、

経済は破綻する。

 

これは日本がバブル崩壊後、

あれだけの財政出動を繰り返したのに、

全く効果がない上に、

アメリカに対する直接投資だけが異様に増えたことを考えれば、

日本が国債を増発しつづけても、

そのお金はドル経済圏に投資されるだけだ。

 

仮にMMT的な政策を次かその次の政権交代で実現されたとしたら、

政府は金融・資本の移動の制限をする必要に迫られる。

 

そうしないと、

円の価値は現在の半分以下になり、

潜在的な資本赤字である、

必須輸入品類による隠れ財政赤字が表面化する。

 

そして、

どこかの国が資本の移動を制限しはじめれば、

それは歴史的には戦争へと進む歯車の第一番目だ。

 

まぁ、

ロシアに対する欧州諸国連合の長年の侵犯を考えれば、

もはや時代は経済から戦争へと軸足を移している。

 

日本の銃弾類のアメリカへの輸出が実行される中にあって、

MMTとかいっている場合ではないと思うんだが。