水害の映像を見て外国の人が驚く、ゴミがないと。
多少はあるのだろうが、住宅街の水は川のように流れていて、通行人が自転車を押して歩いている。
なんということのない日常だが、外国の人にとっては驚くべきなのだろう。
庭や道路が狭いせいもあるのだろうが、年寄りは家の前の道路まで掃除する。歩道に花を植えている人もある。
毎朝箒で掃いて枯葉一つ落ちていない。草は背が高くなるほどにしないし、協力して水路を掃除する。
これは日本人の意識が高いからという説明だけでは納得できない。そうなるだけの理由がある。
それは、湿度と気温の高い日本でゴミを放置すればどうなるかということである。
悪い菌やカビが大発生してたいへんなことになる。血を汚れといって避けるのも、血は栄養豊富で菌の食べ物になるからだ。
汚れを残していれば、あっという間にカビや菌が増えて危険なことになる。古代人も経験的に知っていただろう。
消毒の知識もない古代人は水で洗い流す禊が大切だった。とにかく洗うこと、それが危険を避けることになった。
悪い菌を避けるだけでなく、役に立つ菌を増やして利用することにした。発酵食品の誕生である。
菌と共存して生きていく、湿度と気温の高い世界の知恵である。