カレー探偵、やみちゃん です。
金沢に来まっしまー。
夜の片町、ぐいーーん。
なーんて特に言われては無いけれども、1時間強で行けちゃう距離だからサクッと行ってきましたよ。
SPICE BOX
(石川県金沢市片町2丁目30-8)
金沢屈指の実力店。
北インド料理から南インド料理、スリランカ料理まで幅広く提供中です。
さて、店主のフェルナンドさん(スリランカ出身)ですが、実はこの店を開く前、まだ若かりし頃に、富山市内にあった”幻の名店”「ラジャスタン」(閉店)で働いていたことは知る人ぞ知る事実です。
「ラジャスタン」では、ジャッキー料理長のもとで働いていたわけですが、のちに諸事情で「ラジャスタン」が閉店したあとは、ジャッキー氏は高岡市で「シャングリラ」を開き、フェルナンドさんは金沢市で「SPICE BOX」を開くことになりました。
両店は「ラジャスタン」の”ジャッキーレシピ”を受け継いだため、或る意味で、「ラジャスタン」の味はかたちを変えて存続することになったわけです。
在りし日のシャングリラ(閉店)
シャングリラのジャッキー氏は伝説そのもの。
今上天皇が皇太子時代に料理番を務めるなど、その実力は広く知られていました。
私も常連でしたが、その中で非常に気に入っていた料理が、「ビンジョール・パティアラ」という料理。
参考資料「ビンジョール・パティアラ(シャングリラ)」
英語で Brinjal Patiala、読みは”ブリンジャル・パティアーラー”が正確でしょうけれど、メニューの表記は”ビンジョール・パティアラ”なので、それに合わせたいと思います。
インド北部の都市パティアーラー・スタイルの茄子のカレーという意味です。
要は”アルー・ベイガン”(茄子とジャガイモ)なのですが、マサラ使いがジャッキー氏ならではで、当時は衝撃を受けました。
シャングリラでは、毎回のようにこれを食べていた私です。遠い目。
その後、シャングリラは諸事情で閉店。
ジャッキー氏もシェフを引退されました。
嗚呼、「ビンジョール・パティアラ」は、もう食べられないのでしょうか?
ビンジョール・パティアラ
(SPICE BOX)
そうです。
金沢にフェルナンドさんがいます。
ラジャスタン
シャングリラ
SPICE BOX
確かに受け継がれる、3店物語。
完全に同じ味かと訊かれたら、私は違いますと答えるでしょう。
うまく表現できませんが、やはり作る人が違うし、あれから10年以上経つので、それは仕方がありません。
だけど、83%は同じものが食べられます。
SPICE BOX版ビンジョールパティアラは、油が多めです。
ジャガイモのホクホク感も微妙に異なります。
しかしながら、あのビンジョールパティアラが食べられる、そのこと自体に大いなる意味があるんです。
探偵の食卓。
左、ビンジョール・パティアラ
右、ダル・エ・バハール
ダル・エ・バハール
(SPICE BOX)
“BAHAR”とはペルシャ語で“春”という意味。
こちらも「ラジャスタン」、「シャングリラ」で人気だったカレーです。
参考資料「ダル・エ・バハール(シャングリラ)」
うむ、、色が随分と違いますね。
どちらも黒豆のカレーと説明書きがあり、マイルドでほんのり甘いカレーソースにウラド豆が入った料理です。
子供にも大人気なやつやー。
私はいつだってチャパティ派なんですー。
マライティッカ(ハーフ)
そしてスパイスボックスでは必ずオーダーするのがこちら。
カルダモンが香る、うまうまライ鉄火です。
おいしいチキン、いりませんかー?
レシミカバブ(ハーフ)
そしてレシミカバブもオススメ。
トッピングの飴細工が素晴らしい。
スパイシーサラダに巻いて食べるのがジャッキー流。
当時、シャングリラでこの食べ方を伝授されました。
レシミカバブ自体は、鶏ササミを使ったほんのり甘めのカバブで、ヤミーズキッチンの”ヤミチキ”にそっくり。
逆にいえば、ヤミーズキッチンの”ヤミチキ”が食べてみたいけど、やみちゃんに会うのは気がひけるという方は、スパイスボックスのレシミカバブを食べれば同じようなものが食べられるというわけです。にゃはは。
以上、
スパイスボックスの南インド&スリランカ料理も良いけれど、伝統のワザを受け継ぐ北インド料理も良いですよー、というお話でした。
やみ「次のカレー活動は、あなたの街のあの店です」
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