ぴっぱら / 京都市 ■ 京阪カレー遠征 [#1] 京大生の集う菩提樹。ユニークな店主、確かな味 | カレー探偵やみちゃん 世界食べ歩き

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富山県射水市在住のカレー研究家、ブロガー。ブログは15年継続中。カレーの聖地「イミズスタン」の命名者として、各種新聞・雑誌、テレビ、カレーイベントでイミズスタンをPRしています!「イミズスタン・カレーサークル(ROTI)」を主宰。

 

カレー探偵、やみちゃんです。

 

 

 

 

はい、関西在住のカレー市民の皆さん、長らくお待たせしました。

 

本日より新シリーズ、『京阪カレー遠征2019秋』(全9回)をお届けしようと思います。

 

【スリランカ遠征2018お盆】、【シンガポール&南インド遠征2019GW】、【ベトナム遠征2019お盆】、【新潟カレー遠征2019秋】と合わせてお楽しみください。

 

 

もちろん好評の「イミズスタン定点観測便り」、「イミズスタン新店情報」、「各種イベント・パーティ・食事会の開催・参加報告」も同時進行で公開していきます。

 

ますます盛りだくさんの『やみちゃんの世界食べ歩き』をこれからもよろしくお願いします!

 

 

 

 

 

京阪カレー遠征 [#1] ぴっぱら

 

 

 

探偵の食卓(全景)

 

ゴゴゴゴゴ・・・

 

 

 

***

 

 

 

 

やみ「京都ぐいーーーーーん!!」

 

 

 

京都、何年ぶりでしょうか。

 

京都タワーに向かってお約束の「京都ぐいーーーん!」が出来て満足したところで、市バスで百万遍へ。

 

 

 

 

 

 

百万遍といえば京都大学。

 

農学部キャンパスの正門東にその店はありました。

 

 

 

 

 

 

「ぴっぱら」

(京都府京都市左京区北白川西町87-6)

 

 

”ピッパラ”っていうのは菩提樹(インドボダイジュ)のサンスクリット語。

 

釈迦が菩提樹の下で悟りをひらいた逸話はあまりに有名ですよね。

 

 

 

 

 

 

「ALL 780 yen!」

 

 

さて、この「ぴっぱら」、カレーそのものよりも(?)、お店のルールといいますか、女店主のほうが話題にあがることが多いという、ちょっと個性的なお店なわけで。。ぶわ。

 

 

店の内外に張り出された「注意書き」「ルール」などの多さはまだしも、

 

 

・入店時に挨拶せずに着席したら退出を命じられる

・入店と同時にオーダーをしないと叱られる

・後から追加オーダーを出すと叱られる

・60分以内に店を出ないと出入り禁止になる

 

 

・・などなど、真偽不明なものも含めてあらゆるウワサ・怪情報が出回っており、初心者にはなんだか敷居が高そうにみえるお店なわけです。

 

 

「えー、そんな変な店があるわけねえじゃん!」

 

 

なんて言うなかれ。

 

 

実際に私が2015年に調査した山形県の「JAY」という店では、「半ズボンをはいていたら入店拒否」という厳格なルールがあり、全国のカレーマニアにも広く知れ渡っています。

 

 

カレー店店主およびカレーマニアには、(私も含めて)ちょっと変わった人が多いですからね、こりゃカレー探偵がほんとかどうか調査してみるしかないでしょう。

 

 

 

 

 

 

「入店時に挨拶をすること」

 

 

まずは大きな声で奥まで届くように、

 

 

やみ「こんにちはーーーーーー!!」

 

 

と元気よく挨拶しました。

 

先客の京大リケジョ2名が思わず振り返り、やみをガン見ですが、気にしない。

 

すると奥の厨房から女店主がニッコニコの笑顔でご登場。

 

 

女店主「いらっしゃい! あなた、ウチは初めて?」

 

やみ「はい、はじめて来ました!」(※元気よく)

 

女店主「そう、今日は鯖のカレーと、ジャガイモとトマトのカレーがあるけど」

 

やみ「【一通りセット】をください!」

 

女店主「はい、わかった。 じゃあ、そこに座って待っててな」

 

 

この間、私は背筋をしゃきっと伸ばし、直立不動。

 

常に笑顔を絶やさず、語尾を聞き取りやすいようにはきはきと手短に用件だけを伝えました。

かかった時間はわずか10秒ほど。

 

これがどうやらパーフェクトな態度だったらしく、女店主はえらくご機嫌でしたわ。

笑顔で感じの良い対応でしたけど?

 

 

なんだ、構えちゃって損したかも。

 

 

 

 

 

 

メニュー表というものはなく、すべては壁に細細と書かれた掲示、メモ書きのみ。

 

 

 

 

 

 

嗚呼、なるほど。

 

 

テーブルの上に張ってある「常連様の定義」という6項目はなかなかキテますね。

 

いえ、なんらおかしなことは書いてない、すべて常識的な内容ばかりなのですが、常識的なことだからこそ、いちいち書き出してあることで威圧感を受ける客もいるわな、と。

 

また、「放射能汚染が云々」というのも、食材に気をつかっていただくことはありがたいんだけれども、細かく書き出してあるとスピリチュアルな雰囲気が醸し出てしまって、ビビる客もいますちゃねえ。

 

 

 

 

 

 

【一通りセット】 780円

 

 

まず、安い!

さすがは学生が集う店!

 

 

 

 

 

 

カレーが3種類に、揚げもの(スナック)に、焼きたてのチャパティまでついてますやん!

 

もし私が京大生だったら、ランチは毎日ここにするかも。にゃはは。

 

 

 

 

 

 

これは日替わり枠の「東インド風ポテト&トマトのカレー」。

 

 

具材はジャガイモだけですが、間違いのないベンガルの風味です。

 

さらっとグレービーが身体に優しいなあ。

 

 

 

 

 

 

フィッシュカレーは鯖でした。

 

※フィッシュカレーとチャナは固定のようです。

 

 

魚種だけは日によって変わるのかな?

 

鯖のほぐし身が大漁で、ダシが効いたおいしいスープって感じ。

 

漁師ほいほい。

 

 

 

 

 

 

チャナは豆の量はそれなりに、グレービーがさらさらと。

 

ホクホク感も秀逸。

 

 

”チャナ欠乏症”にはこの薬がよく効きますね!

 

 

 

 

 

 

私はいつだってチャパティ派なんですー。

 

焼きたて、うまーー。

 

小ぶりですが、米もあるしちょうど良いサイズ感。

 

 

 

 

 

 

プレート上に白いものが2品あって、1つはヨーグルト(写真なし)、もう1つはココナッツチャトニでした。

 

濃厚などろっとした出来。

 

 

 

 

 

 

そのココナッツチャトニは、【スナック(日替わり)】に付けて食べましょう。

 

 

この日のスナックは”パニール(カッテージチーズ)入り揚げパン”で、パニールをムングダルペーストで包んで揚げたものなのだそう。

店主オリジナルなのかな?

初めて食べるようなインド料理で、ボリュームが抜群!

 

中身はパニールというよりも、卵フィリングのような、柔らかくてほろほろとほぐれる新食感な一品。

 

こりゃ愉しい。

 

 

 

 

 

 

手喰い証明図。

 

 

 

 

 

 

(ミニ)ラッシーは氷入り。

 

キメの細かいざらざらとした舌触りで、ヨーグルトシェイクのような濃厚な仕上がり。個性的です。

 

 

 

 

さて、このラッシーですが。

 

実は、後からやってきた常連らしい男子学生が、初回オーダーを済ませて女店主が厨房の中に消えた後に、(厨房内に向かって)大声で、

 

 

男子学生「すみません! ぼくのラッシーを”ラージサイズ”にしてください!」

 

 

と禁断の(?)”追いオーダー”をしちゃったんですよ、ええ。

 

しかも、標準でミニサイズのラッシーを、(強引に自分の分だけ)ラージサイズにしろ、などという無茶振り!

 

 

(うわぁーー、やっちまったよ、あいつ)

 

 

あの男子学生、追い出されるんじゃ?

 

店内に張りつめたような空気が漂い、客人一同に緊張感が走りました。

 

 

すると、厨房内から、案の定、女店主の怒鳴り声が!!

 

 

女店主「言わなくても、いつもラージにしてあげてるでしょーーー!!」

 

 

・・えええっ!?

 

そこ!?

 

 

 

”キレるポイント”がちょっと予想と違っていましたね。

 

要するに、常連である男子学生には、いわれなくても毎回サルビスでデカいラッシーをつけてあげているのに、そのことに気づかずにいちいちラージサイズにしてくれと言ったことが気に入らなかった。

 

「私はいつもあなたに目をかけてあげてる、サービスしてあげてるでしょ!」的なお叱りだったわけです。

 

 

なんだよ、愛情すら感じられますやん。

 

 

※後から判明しましたが、別に”追いオーダー”そのものは問題ないみたいです。

 

 

 

 

 

 

めちゃくちゃスパルタンなスパイスティー(無糖)で〆!!

 

シナモンやクローブが想像以上にギンギンで、砂糖無しでは飲みづらいと思う人も多そう。(私は大丈夫ですが)

 

 

 

***

 

 

 

以上、

当初予想していたような敷居の高さは感じられず、一般常識やマナーを守っていればなんら問題なく利用することが出来るでしょう。

 

女店主が突然大声で客に怒鳴るシーンを目撃しましたが、それは愛情に裏打ちされた「母が息子を叱る」ときのようなものでした。

でもまあ、そういうシーンに免疫がないとびっくりするかもしれませんね。

 

料理はお値段以上。

ていねいにつくられた家庭料理です。

私がもし京大生だったらヘビロテ確定です

京大生の集う、菩提樹(ぴっぱら)の木のような店です。

 

 

 

***

ぴっぱらインド料理 / 元田中駅茶山駅
昼総合点★★★★ 4.0

***

 

 

 

次回予告

「ムガール / 京都市」

 

 

***

■ カレー遠征・京阪編 2019年 秋 もくじ一覧

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