カレー探偵、やみちゃんです。
今回の随筆は、探偵の休日シリーズ、猟師メシの話です!
・外観
串場 酉宴(とりえん)
(富山県中新川郡立山町大石原127)
カレー活動の合間に、お誘いをうけて話題の新しい焼き鳥屋さんにいってきました!
今年の3/22にオープンしたばかりのお店。
まだあまりSNSでの口コミやレビューも多くは無いのですが、すでに飲食店関係の人たち(=食通、プロ)を中心に常連が多数ついており、大人の隠れ家として愛用されている模様。
特に宣伝もしていないのに予約が3ヶ月待ちらしいので、私も随筆や食べログ投稿を遠慮しようかなとも思いましたが、店主は「どんどん宣伝して欲しい」という意向だったのでご紹介します。
店内は狭いです。
カウンター6席のみ。
「日本で一番小さな焼き鳥店」と宣伝してもあながち嘘にはならないかも?
焼人は、店主の中西さん。
完全予約制(2名より)、定休日は特に定めず、予約状況を見ながら週に1回お休みをとっているそうです。
店主は、もともと、椎茸栽培の『中西椎茸』の二代目社長。
中西椎茸といえば、富山県で唯一、原木で椎茸を栽培し、多くの有名飲食店などに卸している県内ナンバーワンブランドです。
もちろん今も並行して経営されているのですが、中西さんはとにかく多趣味でこだわりの人。
家具好きが高じて家具職人になり、『 I. WOOD FACTORY 』を立ち上げて家具の受注生産(ハンドメイド)をされていた時期もあります。
(※現在は焼き鳥に注力しているので休止中)
『串場 酉宴』の建屋ももちろん、すべてハンドメイドだそうです。
(※それどころか、併設の家屋、1軒まるごとハンドメイドとのこと)
そんな”こだわりびと”のお話はとにかく興味深く、面白い!
「焼き鳥」、「家具」、「椎茸」の3本柱のテーマでは、それぞれ専門書が1冊ずつ執筆できるぐらいの薀蓄を披露していただけますよ。
さて、実食編です。
焼き鳥は3800円のおまかせコースが基本です。
順に見ていきましょう。
①「ささみ」
本わさび、梅、柚子胡椒。
この、火の入り加減が絶妙!
ささみってパサッとしてるイメージだったけれど、まったく違う!
店主いはく、
「うちの焼き鳥は備長炭、1200度の高温をキープさせています」
この1200度というのが中西さんの理想とする焼き鳥を実現するためには絶対に必要な温度なのだとか。
「たとえば、大手の有名チェーンなどでは派手に炎があがっていますが、あれは鶏から出た脂が燃えるからなんです。
つまりは800度ぐらいしか火力がないってこと。
1200度あれば脂が瞬時に気化するので、炎はあがりません」
②「かしわ」
モモ肉。
膝上の部分のみ使用。
高温で中までじっくり火を通す、その技法は素人の想像の域を超えており。
鶏の部位ごとに「コーティング」、「焼き方」、「タレ」を変えるそうです。
③「こころ」
心臓の筋肉です。
弾力ある赤身を愉しみます。
部位ごとに「コーティング」、「焼き方」、「タレ」が違うということは、1種類ずつ焼いていくということ。
食べ終わって5分ぐらいしたら次の串(部位)が焼きあがるイメージ。
口直しが出てきて、、
④「椎茸」
店主の魂、”椎茸焼き”が登場!!
さすがは椎茸王、約500種の食用椎茸の中から串焼きにもっとも適した菌をセレクトしているのだとか。
肉厚で、キノコスキーでなくともその魅力にどっぷりと嵌るであろう、天空にうかぶ椎茸。
なぜ焼いても縮まないのか訊いてみると、こっそりと、
「海水ぐらいに濃くした塩水でコーティングしてから、焼いているんです」
と、重要機密を話してくださいました。
⑤「むね肉」
「ささみ」との違いを出すために、タレにはニンニクとタカノツメをブレンドした特製タレを使用。
なるほど、遠いところで辛さを感じます。
てか、むね肉ってこんなにおいしいのかよ?状態。
スダチの入った焼酎がとまらない。
店主いはく、
「富山では焼き鳥といえばビールで乾杯!なイメージがあるのでうちでも生ビールがよく出ますが、東京の『鳥しき』(目黒区。まず予約が取れない超人気店)さんにいったとき、お客さんはみんなワインで乾杯されてました」
そんなわけで、ワインも置いているそうです。
(その他、日本酒など)
⑥「オクラ」
私はネバネバスキー。
⑦「手羽中」
中盤から少しずつ、脂ののった部位が出てきます。
⑧「せせり」
首肉です。
パキスタン人もチキンの中でここは1番のご馳走だといいますね。
お好みで「黒七味」を使っても美味しい。
※箸置きは(株)能作(高岡市)の錫製。
⑨「鶏皮」
これまでカワは苦手でしたが、、
ここのカワは、素直に美味いと思えました!!
店主のこだわりで、下茹ではされていません。
⑩「ねぎま」
1串の肉量がかなりあるので、このあたりでストップする人もいるそうです。
※途中で腹いっぱいになって苦しくなったら遠慮なくストップしてくださいとのこと。
⑪「ミニトマト」
酸味が心地いいねえ。
⑫「レバー」
そしてレバーが驚嘆の一品でした。
いままで食べてきたレバーは、いったいなんだったの?
臭みは全くないし、焼き、タレ、すべて素晴らしく。
「椎茸お吸い物」です。
これはもう。。
よく「香りマツタケ、味シメジ」といいますが、これからは、
「香りシイタケ、味シイタケ」ですちゃ!
⑬「やげん軟骨」
歯ごたえを愉しみます。
レモンをしぼって。
⑭「軟骨のまわりの皮」
正式名称は分かりません。ぶわ。
”ぼんじり”に似た感じ。
(※ぼんじりは出ません)
⑮「ししとう」
合間合間に野菜が入るのがうれしい。
タレがまた素晴らしい。
⑯「揚げ焼き」
そして”鶏”以外では椎茸と並んでお店の大人気メニュー、揚げ焼きの登場です!
これは油揚げの焼き物ですが、店主も相当に力を入れているだけあって一同大歓喜でした。
(※どこの油揚げかはさすがに教えていただけませんでした)
⑰「こころのこり」
こんなにいっぱいいろんな部位、おいしいものをいただいて。
それでも、店主から、はい、「こころのこり」です。
なんてこれを出されたら、、何となく夏休みの終わりに似た寂寥感まで湧いてくるしまつ。
心憎いネーミングですが、部位としては心臓と肝臓をつなぐ血管らしく、1串刺すのに8羽必要なのだそうです。
「鶏雑炊」
いよいよメシが出てきました。
※腹はもう満腹です。
「鶏丼」は、二人でシェアしましたよ。
名古屋コーチンの卵黄をまぜていただきます。
店主は、焼き鳥用に名古屋コーチンを50羽飼育しはじめたのに、情が湧いてしまって締めることができず、いまは採卵用として飼っているのだとか。
優しいお人柄がわかりますね。
※この卵、在庫があればお店で販売もされているのでお問い合わせください。
食べた分の串。
「〆のアイス」
いよいよ〆です。
***
以上、立山町に突然現れた超・こだわりの焼き鳥店。
味ももちろんですが、店主・中西さんとの談義も大きな魅力の1つですね。
これは予約が3ヶ月どころか、1年取れなくなる日も近いかな。
(※急なキャンセルで空くこともあるので、まずはお電話くださいとのこと)
やみ「次の猟師メシ活動は、あなたの街のあの店です」
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串場 酉宴 (焼き鳥 / 五百石駅、榎町駅)
夜総合点★★★★☆ 4.8
***
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