夜番人(YABANJIN)
the desire for revenge
第3部・・・復讐編!
十四夜 「開戦・・・」
前回の続き・・・
蔵「よぉぉぉ~黒川か!ボケ!」
黒川「あぁ~ん!誰がボケじゃ~ボケ!
お前は・・・誰じゃい!」
蔵「誰でもええやんけ!それより・・・
お前にプレゼントがあるから・・・
今すぐ店に行けや!」
黒川「何を訳の分からん事を言うとんや?」
蔵「アホけ!さっさと店に行けや!ボケ!
生モノやから死んで腐ったら・・・
勿体ないやんけ!
だから今すぐ店に行け!」
黒川「はぁ~?何が生モノやねん?」
蔵「んなもん・・・どうでもいいんじゃ~ボケ!
さっさと店に行けと言うとるんや!
お前の所のホストも・・・
集まるように伝えてあるから・・・
早く店に行かんと盗まれるで!
せっかくの死者からのプレゼントや!
ちゃんと鑑賞したら感想文を書けよ!
近々・・・取りに行くかもな?」
黒川「あぁ~こらっ!何を言うとんじゃ~!
お前は誰やねん?なんで・・・?
ここの電話番号を知っとんじゃい?」
蔵「ボケ!俺は・・・死者からの使者や!
だから何でも知っとるんや!」
黒川「ボケェェェ~!ふざけんな!」
蔵「じゃ~未来?いや!近い将来の・・・
お前の姿を店で確認しろや!
ほなの!ガチャ!」
蔵が電話を切ると・・・
攻「どう?怒ってた?」
蔵「まぁ~の!」
攻「ほんま・・・何が死者からの使者なん?
よう次々とアホな事が思いつくよね!
あの裏切り者を捕まえる時も・・・
色々やったんでしょう!
猛から聞いたけど・・・
ほんま金槌・石・消火器を使って・・・
相手に恐怖を植え付け・・・
それで恐怖を植え付けたら・・・
確保して制裁と言うか拷問でしょう!
ほんま何かと悪知恵が働くよね!」
蔵「あほ!俺が攻や猛のように強かったら・・・
何も考えず目の前の敵を・・・
殴るだけでいいやろうけど・・・
でも俺には攻らのように・・・
馬力もないからのぉ~!
まっ!攻らと比べると・・・
俺なんかヘボヘボのヘボノ助や!」
攻「そうなん?」
蔵「ほら見てみ!手を見たら分かるやろ!
俺の手は指も細くて小さいがな!
それに比べ攻の手は・・・・
まるで俺が軍手を付けたような・・・
指も太くて大きい手をしてるやんけ!
そんな軍手のような手をした奴は・・・
戦いに向いてるんや!」
攻「マジ!」
蔵「まぁ~でも!攻は軍手で戦闘向きでも・・・
お前らの場合はオツムが弱いやんけ!
だから俺らみたいに・・・
知恵を出す奴も必要なんや!
分かったか?」
攻「なんか誉められてるようで・・・
バカにもされてるような・・・」
蔵「あほ!褒めとるがな!こんな抗争の時は・・・
強いに越した事がないがな!」
攻「そっか!」
蔵「まぁ~ええわ!電話も終ったし・・・
もう帰ろうと思うんやけど・・・
あれやったら飯でも行くか?」
攻「はい!行きます!」
こうして・・・
オッサンと言う狼煙を上げ・・・
黒川との抗争は始まった蔵でしたが・・・
でも別の小さな戦いが待ってました!
攻と別れ・・・
家に帰った蔵は・・・
蔵「うぉぉぉぉぉ~!なんじゃ~これぇぇぇ~?
家の中がグチャグチャやんけ!
これって泥棒?それとも・・・
スープレックスが動いたんか?
いや?そない直ぐに・・・
動く訳もないか・・・?
と言う事は・・・・・?」
蔵「んっ?あれれ?ラスカルが居てないやん!
ちゃんとゲージに入れてたのに・・・」
蔵「どこに居てるんやろ?」
蔵「んっ?なんか・・・臭いな?
ん~・・・ここか?」
蔵はカーテンを開けると・・・
窓のサッシの部分で・・・
あるモノを見つけました!
蔵「うわぁ~!ここでババしとるやんけ!
うわぁ!おまけに便が軟いと言うか
下痢クソやんけ!」
蔵「くっそぉぉぉ~ラスカルめぇぇぇぇ~!
どこに居てるんじゃ~!あっ!」
そして・・・
ラスカルを見つけた蔵でしたが・・・
蔵「イテッ!噛みつきやがった!」
蔵「くそっ!メッチャ威嚇してるやん!」
蔵「くそぉぉぉ~!どないしたらいいねん?
野生動物なんか・・・
飼うんじゃ~無かったわ・・・」
と・・・
反省する蔵でした・・・
そして翌日・・・
疲れてるのに少ししか寝れなかった蔵は・・・
朝の9時過ぎに目が覚めました・・・
蔵「くっそぉぉぉ~!まだ朝の9時過ぎやんけ!
あのアホのラスカルめ!一晩中・・・
クルル・クルルと変な泣き声で鳴くわ!
せっかく閉じ込めたのに・・・
ゲージの中でガタガタ暴れよるし・・・
ほんま寝るに寝れんかったがな!」
蔵の心(これじゃ~先が思いやられるわ!)
蔵の心(やっぱ・・・無理やな!)
そして夜・・・
蔵はコブラに出勤する前に・・・
九龍が任されてる・・・
ドラゴンスープレックスの近くに居ました!
蔵の心(ここなら九龍が来たら分かるわな!)
蔵の心(んっ?なんかホスト軍団が歩いて来たな!
なんや・・・10人以上居てるやんけ!
こいつらってドラゴンのホストかな?
昨日・・・スープレックスで・・・
あんな事があったから警戒してるんかの?
まっ!俺の事は知らん奴らやろ?
ここに居ても大丈夫やな!)
すると・・・
そのホストの軍団が蔵の近くに来た時!
蔵の心(あっ!こいつら・・・)
蔵「おいっ!龍五!龍六!」
龍五「あっ!」
蔵「久しぶりやのぉ~!」
すると・・・
龍六が気を利かせ・・・
一緒に居る他のホストへ・・・
龍六「おぉ~お前らは先に店に行け!」
ホスト「はい!」
龍五「なっ・・・何をしとるんや?」
蔵「なんもしてないで!ちと九龍が居てるか?
見に来ただけやんけ!」
龍五「九龍は黒川さんに呼ばれてるわ!」
蔵「なんや・・・昨日の事でか?」
龍五「やっぱり・・・お前らの仕業なんか?
蔵と土佐犬が戻って来てるのは・・・
九龍から聞いてたけど・・・」
蔵「でっ?どうやった?昨日のは・・・
土佐犬の作品なんやけど・・・
お前らは見たんか?」
龍五「あぁ~見たわ!皆は臨時ボーナスが・・・
出るやらとかでスープレックスや・・・
他の店舗の奴らも結構な人数が・・
来てたんやけど・・・
でも変わり果てたオッサンの姿を見て・・・
皆・・・驚いてたわ!」
蔵「でっ!その半ゾビンを見て・・・
皆の反響は・・・?」
龍五「なっなにが・・・半ゾビンやねん?
半漁人みたいに言うなよ!」
蔵「あほ!両足がゾンビみたいになってたやろ!
下半身だけゾンビやから半ゾビンやんけ!
ましてオッサンは裏切ってた訳やし・・・
あれくらいの事をして何が悪いんかの!」
龍五「あほぁ~!ほんま・・・やり過ぎなんじゃ~!
下手したら死んでたぞ!」
蔵「と言う事は・・・死んでなかったんやの!
でも土佐犬を狂犬にしたのは・・・
お前らの大将・・・黒川やんけ!」
龍五「あほぉ~!なんぼ裏切り者でも・・・
あそこまで・・・」
蔵「もうええわ!お前とオッサンの事を話しても・・・
仕方の無い事やし・・・もう終った事や!
じゃ~九龍に言っとけや!
抗争の狼煙は上がったんや!
もう寝返れとは言わんけど!
出来る事なら動くなと言うとけ!
あの悲惨なオッサンを見て分かったやろ!」
龍五「なにがや?」
蔵「もう・・・尋常な抗争では無いんやわ!
だから龍五や龍六や九龍らが・・・
あんな姿になるのは避けたいんや!
前は一緒になって黒川らと・・・
戦った仲間なんや!
出来ればオッサンの様に・・・
するのもされるのも避けたいわな!
まっ・・・それだけや!ほなの!」
龍六「なぁ~待てや!蔵!」
蔵「なんや?」
龍六「なんとなく・・・分かってた気がする!
北さんが自殺と聞いた時・・・
きっと・・・また・・・
この街が荒れる事になるのは・・・
それに蔵と土佐犬がドラゴンに来たのも
九龍から聞いた時・・・
正直・・・恥ずかしかったわ!」
蔵「何が恥ずかしいねん?」
龍六「いや!蔵が大変な目に遭った事も・・・
土佐犬が地獄の監禁生活を・・・
送ってたのも聞いてたんや!
けど・・・蔵らは戻って来た!
それは北さんの弔いやろって・・・
俺らは・・・言うてたんや!
なのに・・・俺らは・・・
北さんの弔いの相手の下に・・・
居てるんやから・・・
ほんま合わす顔が無い・・・」
蔵「じゃ~もう一回・・・黒川と戦えや!」
龍六「無理や!黒川も龍一も人の弱い部分を・・・
攻撃するから・・・質が悪いんや!
九龍が黒川の下で働かないのなら・・・
俺や龍五や龍七に危害を加えるやら・・・
あと九龍の女や姉にも何かするやらで・・・
結局・・・九龍も・・・
俺や龍五らや身内などが人質になってるから
今では大人しくドラゴンの店長をやってるんや!
もし九龍が黒川に逆らえば・・・
九龍の周りの者に迷惑がかかるんや!
それが黒川や龍一のやり方なんや!
だから・・・きっと北さんも・・・
その辺を攻められたんと違うかな?」
蔵「そっか!そんなやり方をされれば・・・
言いなりになるしか無いんかの?
今の俺には分からんけど・・・
まぁ~ええわ!ともかく動くなよ!
それが一番・・・安全かもよ?
ほな!」
龍五「待てや!あれやったら昨日の状況とか・・・
知りたないんか?あと黒川や龍一の・・・」
蔵「あほ!人質に聞く事は・・・なんも無い!」
龍五「・・・・・・・」
蔵「ほなの!」
こうして蔵は・・・
アンクロ時代の仲間でもあった・・・
龍五や龍六に忠告をすると・・・
コブラに行きました!
そして・・・
事務所の方に先に行くと・・・
事務所には赤川や冷や百太郎などが居てました!
蔵「うぃっす!」
赤川「おぅ~!待ってたんや!」
蔵「なんで・・?」
赤川「いやな!昨日の件でスープレックスは・・・
凄い衝撃を受けたみたいやぞ!
なんや黒川は怒り狂ってたらしいし・・・
それと裏切り者のオッサンを見て・・・
ほとんどの奴らは退いてたらしいぞ!
中にはゲロまで吐いてる奴も居たらしいし
それに事情すら分からんホストらは・・・
戸惑ってたらしいぞ!」
蔵「そらぁ~事情は分からんやろ!
いきなり・・・
あんなのを見せられてもな!
でも黒川には・・・
死者からのプレゼントと
昨日の電話で言うたから・・・
ある程度は分かってるやろな?」
赤川「あぁ~!龍一の下の大男や・・・
あそこで働いてた奴らも・・・
消えた訳やし・・・
その後に昨日の・・・あれや!
まぁ~アホでない限り・・・
気付くわなぁ~!」
蔵「そう言えば・・・あの大男らは・・・
どないなったん?」
赤川「まぁ~・・・生きてるんやけど・・・
死んだも同然の未来を・・・
生きて行く事になるわなぁ~!」
蔵「どう言う事?」
赤川「まぁ~あそこで働かされていた女達と・・・
同じ目に遭う事になってるから心配すな!
ちゃんと地獄の未来へと導いてるから・・・
もう何も聞くな!」
蔵「まぁ~大男の事は・・・どないでもいいけど!
でも中らは・・・ちゃんと仕返しは出来たん?」
赤川「あぁ~!グチャグチャにしよったで!
だから今も治療中や!
それと蔵に中から伝言なんやけど!
暫くは・・・この街から・・・
小と離れるからって・・・
だから・・・そっとしてくれって!
もし落ち着く事が出来たなら・・・
いつかは連絡をするって・・・
言ってたぞ!」
蔵「そっかぁ~・・・この街から出たんやな!」
赤川「まぁ~そっとしといたれ!」
蔵「そやね!」
赤川「それとな!昨日の件で蔵や土佐犬の・・・
名前が出てたらしいわ!
お前らは龍一と会ってるやろ!
だから名前が真っ先に出てるみたいや!」
蔵「そっかぁ~!まぁ~しゃ~ないわな!
んっ?でも・・・さっきから変よな?
なんで?そないに事細かく・・・
昨日のスープレックスの状況を・・・
知ってるん?」
赤川「あほ!俺は元スープレックスのホストやぞ!
そらぁ~黒川とは対立してたけど・・・
でも黒川派の下の者の中でも・・・
親しくしてる奴も居てるんや!
まぁ~今回の件でも・・・
裏で俺が動いてる事も知らず・・・
今朝・・・電話して来よったんや!
それで昨日の状況が分かったんや!
まっ!そいつが俺に電話するって事は・・・
俺の事は気付かれてないんやろ?」
蔵「そっか!じゃ~真っ先に狙われるのは・・・
俺と土佐犬かぁ~・・・」
赤川「じゃ~どうする?暫く・・・身を隠すか?」
蔵「ん~・・・それも・・・どうなんやろな?
じゃ~土佐犬と相談して決めよか?」
赤川「あほ!土佐犬は・・・もう動いとるで!」
蔵「マジ?」
赤川「あぁ~!30分前くらいになるかの?
お前に話したように・・・
名前が上がってると言ったら・・・
じゃ~やられる前にやると言って・・・
攻や陸を連れて出て行ったで!」
蔵「マジ?たった3人で?そらぁ~危ないやろ!」
赤川「いや!東兄弟らが援護するから・・・
問題ないで!」
蔵「じゃ~俺も動かなアカンな!」
赤川「じゃ~蔵はスープレックスのホストで・・・
顔の分かる奴は誰や?
土佐犬は監禁されてる時に・・・
殴りに来てた奴を狙うって言ってたぞ!」
蔵「ん~・・・俺が憶えてる奴と言えば・・・
幽霊ビルに居てた奴と真っ白君・・・
それと・・・
一人だけ名前を憶えてるけど
竹と呼ばれてる奴くらいやな!」
すると・・・
冷「あぁ~!竹は俺らがやるわ!竹は強いからの!
ちと蔵には荷が重いわな!」
赤川「いや!竹なら蔵班で何とかなるで!」
冷「あっ・・・そうか!でもなぁ~どうなんやろ?
竹のグループは黒川らの中でも・・・
イケイケが多いからのぉ~!
蔵と猛と空の3人では・・・
ちとキツイんとちゃうか!」
蔵の心(確かに俺と猛と空の3人で・・・
竹らに勝てるのかな?
まぁ~最初から無理はアカンかもな!
じゃ~手頃で影響力が・・・
ある奴と言えば・・・あっ!)
蔵「そや!じゃ~龍一は?龍一なら・・・
どうって事ないで!」
冷「あほ!昨日の事があって間もないんやぞ!
まぁ~龍一の事やから・・・
常に連太郎と行動するやろ!
だから別なのを狙え!
連太郎の始末は百太郎の仕事や!
まっ!あれやったら・・・
連太郎は潰しても・・・
龍一は残しといたるわ!
だから俺らが連太郎を潰すまで
龍一は狙うなや!」
蔵「そっか!じゃ~連太郎を潰したら教えてや!
でも・・・意外と黒川に会ったりして!
その時は・・・どうすればいいのかな?」
赤川「あほ!どっちにしろ黒川と龍一は・・・
俺がやる!だから蔵は・・・
黒川や龍一と会っても・・・
速攻で逃げろよ!」
蔵「そうなん?黒川も龍一も赤川はんが・・・
やるんかいな!じゃ~俺らは・・・
手頃な相手を探すわ!
でっ?猛と空は?」
赤川「店に居てるわ!ちょと待っとけ!
内線で・・・ここに呼ぶわ!」
そして・・・
猛と空が事務所に来ると・・・
蔵は猛と空を連れ夜の街に・・・
蔵「なぁ~猛!出る前に赤川はんから・・・
何を言われてたんや?」
猛「いや!ポケベルの確認と・・・
あと訳の分からん事を・・・」
蔵「訳の分からんって・・・なんやねん?」
猛「いやね!なんか街のあちこちの・・・
監視カメラから情報が入るから・・・
ポケベルの音は気にしとけって!」
蔵「なに?なにが・・・監視カメラやねん?
勝手に監視カメラは付けられないやろ?
それにメッチャ費用もかかるやんけ!
それに監視カメラの映像は・・・?
どうするんや?どっちにしろ嘘やろ?」
猛「うん・・・俺も・・・そう思う!」
蔵「ところで・・・いま何時や?」
空「もう12時ですよ!」
蔵「じゃ~そろそろ売り上げを上げてる奴らの・・・
出勤する時間やの!」
空「はい!」
蔵「じゃ~どの辺で探索しよかの?」
猛「じゃ~あそこの学校の所は?あの辺に・・・
スープレックスの奴らは車を路駐して
店に出てるみたいやで!
土佐犬君らも行ってるみたいやで!」
蔵「そっか!じゃ~俺らも行こか!」
猛「その方がええかもね!土佐犬君の班だけで・・・
学校の付近で待ち伏せするとしても・・・
無理があるでしょう!
道路も北側と南側があるし・・・
どっちの道路に現れるか分からんやろ!」
蔵「そやの!北と南に分かれて見張る方が・・・
取りこぼしが無いかもな?
じゃ~取りあえず・・・
土佐犬と合流するか!」
猛「うん!」
そして学校に向かう途中に・・・
空「ところで・・・蔵君!」
蔵「なんや?」
空「ラスカルは元気にしてるん?」
蔵「んっ!その事は言うな!あほ!」
空「なんで?あんなに嬉しそうに買って帰ったやん!
なのに・・・なんで聞いたら怒られるん?
ひょっとして手に負えんから捨てたな?
ほんま・・・酷い事するなぁ~!
何があっても責任を持って・・・
育てなアカンやんか!」
蔵「あほ!そないな事は・・・してないわ!
ちゃんと返品したわ!」
空「マジ?返品したの?なんで・・・?」
蔵「あほぉ~!今回の事で・・・よう分かったわ!
無暗に野生動物に手を出したらアカンってな!
ほんま・・・えらい目に遭ったわ!
家はグチャグチャにされるし・・・
ウチに居る犬を追いかけまわすわ!
おまけに窓のサッシに下痢クソやで!
だから返品したんや!」
空「へぇぇぇ~結構・・・大変やったんやなぁ~!
下痢クソの掃除・・・大変やったやろ?」
蔵「いや!下痢クソは・・・そのままや!
まぁ~暫く置いてたら・・・
カチカチになるやろ!
まっ!カチカチになってから取るわ!」
空「そっそのままって・・・汚いなぁ~!
でっ?金は帰って来たの?」
蔵「あほぉ~!返品に行ったら・・・
あの猛獣屋のオッサンは・・・
アライグマは引き取るけど・・・
返金は出来ないって・・・
言いやがってのぉ~!」
空「でも・・・しゃ~ないわなぁ~!」
蔵「あほぉ~!何が・・・しゃ~ないじゃ~!」
空「まぁ~でも!安易に野生動物を・・・
衝動買いしたらアカンと言う事ですわ!
まぁ~安くはないけど・・・
授業料を払ったと思えばいいでしょう!」
蔵「あほ!誰が高い授業料を払うんじゃ~!
俺を舐めるなよ!」
空「でも金は戻って来なかったんでしょ?」
蔵「あぁ~!金は戻らんかったけど・・・
その代り!アライグマが・・・
子猫になったがな!」
空「どう言う事?」
蔵「ほら・・・あのニホンザル・・・
憶えてるか?」
空「あぁ~!あの気の荒らそうな子猿でしょう!」
蔵「おぅ~!それで俺が猛獣屋のオッサンと・・・
あとオバハンにも・・・
金返せって交渉してたら・・・
あの猿がゲージに中で暴れるし
おまけに・・・
俺の方を見ながら牙を剥いて・・・
威嚇してきよるから・・・
なんか・・・あの猿も・・・
オッサンの仲間に見えて来てのぉ~!
そしたらムカっと来た瞬間には・・・
俺は猿のゲージを・・・
思いっきり蹴り上げてたんや!」
空「悪いなぁ~!それで・・・」
蔵「そしたら俺の蹴りでゲージが壊れて・・・
壊れたゲージから猿が逃げ出したんや!
そしたら店の中を猿が逃げ回るし・・・
猛獣屋のオッサンもオバハンも・・・
てんやわんや・・・やったで!
でっ!そのオッサンとオバハンが・・・
てんやわんやの隙を見て・・・
表側の犬猫ゾーンに居る・・・
子猫を拝借して帰ったんや!」
空「それって・・・盗人やん!」
蔵「あほぉ~!何が盗人やねん?シバクぞ!
まぁ~正式に言えば・・・
俺は返品に行ったのではなく・・・
交換しに行ったと言う方が・・・
正しいかもな!」
空「何が・・・交換?身勝手に返品し・・・
黙って子猫を持って帰っただけやん!
ほんま・・・質の悪い客やで!」
蔵「あほぉ~!あの猛獣屋のオッサンも悪いわ!
なにがアライグマは犬猫と変わらんやねん!
全然・・・違うがな!部屋は荒らすし・・・
飼い主の俺にも噛みつくし!
どえらいこっちゃやったで!」
空「だからアニメのラスカルを・・・
ちゃんと見てから・・・
飼うべきでしたよね!」
蔵「うるへぇ~!」
そして・・・
学校の近所に来ると・・・
猛「んっ?あそこに居るのは・・・?」
猛が見つけたのは・・・
4~5人の男達でした!
空「あぁ~・・・あれは東さんらですやん!」
蔵「何をしとんやろ?土佐犬らは居てないやんけ!
ちと聞いてみよか!」
そして・・・
東兄弟に近づくと・・・
蔵「よぉぉぉ~!何しとんや?土佐犬は?」
ひがし「おぅ~蔵やんけ!土佐犬らは・・・
この先を行った所で待機しとるで!」
蔵「そうなん?でも・・・なんで合流しないんや?」
ひがし「いや!赤川さんから土佐犬らには・・・
バレないように見張れって言われとるんや!」
蔵「なんでやねん?」
ひがし「いや!まだ・・・始まった所やんけ!
ましてオッサンをあんな目にした・・・
張本人が真っ先に捕まるのも・・・
相手の士気が上がる・・・
きっかけに繋がるやんけ!
だから今は俺らの班が・・・
監視と護衛を任されてるんや!
まぁ~黒川らも本格的に動けば・・・
もう護衛すら難しくなるやろな!」
蔵「護衛は分かるけど・・・なんで監視やねん?」
ひがし「まぁ~土佐犬は何をしでかすか?
分からんやろ?だからなんや!」
蔵の心(じゃ~俺らも監視されてるんかな?)
蔵「そっか!ここは東らの班も居てるし・・・
じゃ~俺らは別の場所を探索やな!
ほな!俺らは場所を変えるわ!」
ひがし「そっか!じゃ~ここは俺らに任せろや!
まぁ~あれやったら・・・
外車屋がある付近で探索しろや!
あの辺のマンションには・・・
ホストが大勢住んでるし・・・
スープレックスの奴らの何人かも・・・
住んでると赤川さんから聞いとるで!
それに赤川さんの下の者も・・・
その辺で探索しとるはずやし・・・
まぁ~相手が多い場合は・・・
ポケベルで連絡を取って・・・
合流すればいいやんけ!」
蔵「ほぉぉぉ~赤川はんの下の者も・・・
動いとるんやの!」
ひがし「あぁ~!」
蔵「じゃ~土佐犬に声をかけたら・・・
外車屋の方へ向かうわ!」
ひがし「でも土佐犬には俺らが・・・
ここに居てる事を言うなよ!」
蔵「なんでや?あっ!そっか!土佐犬は・・・
監視や護衛されてるとかは嫌うか!」
ひがし「あぁ~!だから内緒な!」
蔵「分かった!じゃ~行くわ!」
ひがし「おぅ~!無理するなよ!」
そして蔵は土佐犬の所へ・・・
蔵「こら!土佐犬!どないや?」
土佐犬「おぅ~!お前も動き出したんやな!」
蔵「なぁ~聞いたか?」
土佐犬「なにを?」
蔵「俺と土佐犬の名前が上がってるみたいやな!」
土佐犬「あぁ~!真っ先に狙われるのは・・・
俺か・・・お前やな!」
蔵「まぁ~しゃ~ないわな!龍一とも会ったし・・・
今さらって感じやの!」
土佐犬「まぁ~な!蔵も用心しろよ!
せっかく復帰したのに・・・
いきなり離脱は・・・
面白くも何ともないがな!
もっと無茶してやらんと・・・
北君も浮かばれへんで!」
蔵「そやの!じゃ~俺らは別の場所に行くわ!」
土佐犬「そっか!」
蔵「ほな・・・行くわ!」
土佐犬「おぅ~!」
そして・・・
蔵達が離れようとすると・・・
土佐犬「お~い!蔵!」
蔵「なんや?」
土佐犬「もしスープレックスの奴らを捕まえたら
攻か陸のベルに連絡をくれ!
蔵が捕まえた方に・・・
俺を殴った奴が居てるかも知れんしな!」
蔵「分かった!捕まえたら店に連絡し・・・
攻のベルを鳴らして貰うわ!」
土佐犬「おぅ~!それと・・・」
蔵「なんや?」
土佐犬「敵に・・・遠慮は要らんぞ!
容赦なくグチャグチャやぞ!」
蔵「はいはい・・・ほなの!」
蔵の心(ほんま何を活き活きとした顔で・・・
容赦なくグチャグチャやねん?
ほんまイカれとるんかの?
それとも爆弾のせい?)
蔵の心(まぁ~でも!土佐犬の言うのが・・・
正しいかもな?手加減をしても・・・
手加減して貰える保証は無いわな?
まっ!こっちの意気込みと狂気が・・・
相手に恐怖を与える事になるわな!)
そして外車屋に向かってると・・・
猛のポケベルが鳴りました!
猛「あっ!店の事務所からやわ!」
蔵「ほな!電話しろや!」
そして・・・
猛は店の事務所に電話して終ると・・・
猛「ちと!急ぎましょうや!」
蔵「どないしてん?」
猛「ほら!菊丸君の客で春ちゃんて居たやろ!」
蔵「あぁ~!あのソープ嬢の春かいな!」
猛「はい!なんや春ちゃんの店の付近に・・・
スープレックスのホストらが・・・
居てるみたいやで!」
蔵の心(なんで?そんな事が分かったんや?
春からの情報?それとも・・・
監視カメラに映ったとか?
いやいや・・・カメラは無いな!)
蔵「でっ?店は分かるんか?」
猛「はい!急ぎましょうや!」
蔵「じゃ~行くぞ!案内せい!出陣じゃい!」
空「出陣って・・・袈裟やな!」
そして・・・
蔵達は春ちゃんが働く・・・
ソープ店へ行きました!
蔵「おいおい・・・どこに居てるんや?
この辺って誰も居らんやんけ!」
猛「ほんまやねぇ~・・・どっかに行ったのかな?」
蔵「ほんまぁ~・・・じゃ~この辺を探すか?」
猛「蔵君!ちと・・・いいかな!」
蔵「なにがやねん?」
猛「ちと・・・トイレに行きたいんやけど!
どっか・・・トイレないかな?」
蔵「あほぉ~!その辺で・・・やれや!」
猛「いや・・・ババがしたいねん!」
蔵「はぁ~マジかい?何が・・・ババやねん?
まぁ~でもババなら仕方ないかぁ~
俺もババたれやし!
じゃ~その辺の店で借りろや!
じゃ~俺と空は・・・
あそこで待ってるわ!」
猛「えっ?なんで・・・あんな薄暗い脇道で?」
蔵「あほ!この辺にはスープレックスの奴らが・・・
ウロついてるんやろ!あまり・・・
目立つ場所に居てたらヤバいやろ!」
猛「そっか・・・それもそやな!
じゃ~行って来るわ!
もう洩れそうやねん!」
蔵「ははは!汚いのぉ~!早よ行け!」
猛「ほな・・・行くわ・・・」
猛は飲食店がある方へ走って行きました!
蔵「こらぁぁぁ~!走ったら洩れるぞ!
ははは・・・アホやで!
真っ青な顔して走って行ったで!」
空「ほんまやね!」
蔵「じゃ~俺らは移動するか!」
空「はい!」
そして蔵と空は・・・
ソープがある通りから脇に入った・・・
薄暗くて細い道で・・・
猛の帰りを待ってました!
蔵「遅いのぉ~・・・」
空「うん・・・なかなかトイレを貸してくれる
店が見つからないのかな?」
蔵「まぁ~のぉ~!猛は人相が悪いし・・・
貸してもらえないのかなぁ~?」
空「いや!逆に・・・人相が悪い方が・・・
貸してもらえるでしょう!」
蔵「そらそやな!」
すると蔵と空の・・・
すぐ背後から男の声が・・・
男「おいっ!こらっ!」
蔵「んっ?」
声をかけられた蔵が振り返ると・・・
数人の男達が蔵達の背後に居ました・・・
蔵の心(んっ・・・こいつは・・・)
続く・・・
次の十五夜は・・・
来週・・・火曜日に更新します!
この物語はフィクションであり・・・
登場人物や店名などは・・・
架空の物であります