十二夜・・・ | 闇怪人の悪徳不動産日記

闇怪人の悪徳不動産日記

シリーズ第2弾 悪徳不動産日記・・・・・  
「けもの道不動産」素人営業マンが・・・年々悪質になりひとつの出会いで・・・       更生するまでの事を書いた日記です・・・


夜番人(YABANJIN)


the desire for revenge


第3部・・・復讐編!


十二夜  「新しいペット?」


そしてアマが・・・


バックマーケットの扉を開きました!


扉の中に入ると・・・


また扉があり・・・


その扉は背も低くて幅も狭くて・・・


大人なら少し入りづらい大きさでした!


そして・・・


その小さな扉を抜けると・・・


蔵の心(マジかい・・・)


蔵の心(こんな所に異国があるがな・・・)


そこには日本とも思えない光景が・・・


狭い通り(約1.5メートル)に・・・


たくさんの出店があり・・・


食品から雑貨などが売ってました!


それらの物は輸入品らしく・・・


蔵から見ると珍しい物ばかりでした!


蔵「なんや輸入品の店ばっかりやんけ!

  どこに危険な物が売ってるんや?

  バックマーケットと聞いたのに・・・

  なんか・・・なんかやの?」


空「ほんまですね!でも日本に住む・・・

  外国人には便利そうな所やん!」


アマ「ははは!手前は普通やけど・・・

   奥に行けば面白いで!」


蔵「へぇぇぇ~!」


そして先に進むと・・・


苗木を売ってる店が・・・


アマ「これ・・・なんか分かる?」


蔵「なんやろ?なんかの苗木?」


アマ「これらはマリファナの苗木ですわ!」


蔵「ふ~ん・・・こんなのを育てる奴が・・・

  居てるんやのぉ~!

  なかなか手間暇がかかるのぉ~!」


アマ「まぁ~自分の為に買う奴も居れば・・・

   これらを大きく育て・・・

   売りさばく奴も居てるんですわ!

   蔵さんも買いはったら?」


蔵「要らんわ!」


すると・・・


苗木屋さんの隣には・・・


透明の袋にトウモロコシや種などが入った・・・


大量の鶏の餌の様な物が売ってありました!


蔵「なんや・・・これ?鳥の餌?」


アマ「はい!一応・・・鳥の餌ですけど・・・

   でも袋の中には種が入ってますねん!

   さっきのは苗木ですけど・・・

   こっちは種ですよ!」


蔵「ん~そう言えば・・・聞いた事があるよな!

  こんな鳥の餌に混じって・・・

  ヤバい種が入ってる事もあるって!」


アマ「まぁ~ここで買えば確実に入ってるよ!

   それも・・・相当な数の種がね!

   まっ!袋を開け種を仕分ける作業が・・・

   面倒臭いやろうけどね!」


蔵「でも・・・そんな面倒臭い事せんでも・・・

  普通にヤバい種だけ売ればいいやん!」


アマ「それでもいいやけど!でも・・・

   ヤバい種だけ持ち歩くのも・・・

   危険と言えば危険でしょう!

   職務質問でもされた時・・・

   言い訳が面倒臭いでしょう!

   でも鳥の餌なら問題ないやん!

   鳥の餌なら持ってても・・・

   変でもないし!たとえ餌に

   異物が混じってたとしても

   鳥の餌を買っただけと言えば・・・

   言い逃れは出来るでしょう!」


蔵「じゃ~どこで買ったと聞かれたら?」


アマ「普通に道端で安く売ってたと言えば・・・

   なんの問題もないでしょう!」


蔵「それもそやな!」


アマ「まっ!苗は個人用で・・・

   鳥の餌は・・・業務用!」


蔵「どうでもいいわ!」


すると・・・


空「うわぁ~!」


蔵「なんやねん?」


空「ちょっと・・・これ見て!」


蔵「んっ?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!

  何を売っとんじゃい!」


蔵と空が見た物は・・・


小さなテーブルの上に・・・


白い皿が二枚置かれていて・・・


そして・・・


その白い皿の中には・・・


何か?臓器のようなモノと・・・


脂肪なのか?肉片なのか?


そのような肉片の付いた眼球がありました!


蔵「おぃぃぃ~なんじゃ~・・・これ?

  えげつないのぉぉぉ~!」


空「ほんま・・・なんやねん?」


眼球を見て騒ぐ蔵達に対して・・・


この眼球の店主と思える・・・


色黒のアジア系の外国人から・・・


外国人「しゃわぐな!あっち行け!シッシッ!」


と追い立てられたので・・・


蔵達は先に逃げるように進みました!


蔵「おいおい!あれは・・・なんやねん?

  まさか・・・人間の?」


アマ「ははは!人間な訳ないでしょう!

   あれは豚の眼球と腎臓ですわ!」


蔵「何?豚なん?何に使うの?食べるん?」


アマ「まぁ~食べれると思うんやけど・・・

   でも・・・あれは食べる様ではないです!

   あれは・・・あくまでサンプルです!」


蔵「なんの・・・サンプルやねん?」


アマ「いや・・・サンプルと言うか・・・

   メニューと言う方が正解かもね!」


蔵「なんの為のメニューやねん?」


アマ「まぁ~ここはバックマーケット・・・

   あるモノが必要な人には・・・

   有難いマーケットなんですわ!

   あそこは臓器なんちゃらですわ!

   詳しい説明が必要ですか?」


蔵「もうええわ!ほんまにヤバい所って分かったわ!

  これ以上・・・知りたくもないわ!

  先を急ぐぞ!」


空「なんか来るんじゃ~なかったなぁ~!」


アマ「まぁ~よろしいやん!まだ・・・

   面白いモノがありますんやで!」


蔵「もうええわ!」


そして先に進む蔵に気になる事が・・・


蔵「よぉぉぉ~!アマちゃんよぉぉ~!」


アマ「何?」


蔵「ひょっとして・・・このチャイルド?

  このキッズ達も・・・売りモノなん?」


蔵は通りの脇で・・・


しゃがみ込んでるアジア系の子供達を・・・


指差しました!


アマ「ははは!なにがチャイルドやのん!

   俺は日本人やから日本語でええよ!

   それに・・・

   この子供らは売ってないよ!

   ここ辺の店の子たちですわ!」


蔵「ほんま臓器があるくらいやから・・・

  人身もあるんかと思ったがな!」


アマ「ははは!」


蔵「んっ?」


アマ「どうしたん?」


蔵「なんか・・・いい匂いがするのぉ~!

  さっきまでスパイス臭かったのに

  なんや・・・この匂い?」


アマ「あぁ~これね!じゃ~そこの扉を開けてみ!」


蔵「いいんか?」


アマ「かまへんよ!」


蔵は建物の勝手口の様な扉を開くと・・・


蔵「うぉ~!なんじゃ~これ?ほぼ裸に近い・・・

  女達が居てるけど!でも・・・これって?

  ほとんどが外国人やろ?金髪も居てるで!」


アマ「ええ!外国人しか居てませんよ!」


蔵「じゃ~なんか怪しいけど!あれなんか?

  ここは売春宿?」


アマ「ええ!記念に遊びはる?」


蔵「いや・・・いいわ!」


と言って・・・


蔵が扉を閉めると・・・


別の扉から・・・


マッチョな男の外国人が出てきました!


すると・・・


マッチョな外国人が蔵の前に来ると・・・


マッチョ「お・ま・え・・・ゲイだろ!」


蔵「はぁ~?何がゲイやねん!ゲイちゃうわ!」


マッチョ「お・ま・え・・・ゲイ!

     あ・そ・ぶ・かい?」


蔵「ボケ!ゲイとちゃうって言うとるやろが!

  あっち行け!殴るぞボケ!」


マッチョ「・・・?」


すると・・・


アマが間に入り・・・


マッチョ男と英語で話してました!


すると・・・


マッチョ男は出て来た扉から中に入りました!


アマ「ゴメンねぇ~!あれは客引きやねん!

   まだ日本に来て日が浅いから・・・

   日本語を憶えてないんやわ!

   だから・・・あんな言い方するねん!」


蔵「ほんま・・・どうでもいいけど!

  他に・・・無いんか?

  ゲイでも無いのに・・・

  おまえゲイって言われたら

  だれでも怒るで!」


アマ「ほんまやね!また言うとくわ!」


蔵「ふぅぅぅぅ~ほんま・・・なんやろな?

  マジで気分が悪いわ!イラつくし!

  こんなとこ・・・

  来るんじゃ~なかったわ!」


色んなモノを見て・・・


また自分の知らない世界を・・・


目の前にした蔵は・・・


バックマーケットに・・・


来た事を後悔してましたが・・・


でも・・・


蔵に取って魅力のある店がありました!


蔵「んっ?なんや・・・ここ?なんかの部品?

  ここにしては・・・まともそうやな?」


アマ「ははは!まともじゃ~ないよ!ここは・・・

   あるモノのパーツの一部を売ってるんです!

   この様なパーツ屋さんは・・・

   何件も・・・ありますんや!

   そのパーツ屋さん全部を回って

   全てのパーツを揃えれば・・・

   最強の武器になりますよ!」


蔵「最強の武器って・・・あれか?」


アマ「はい!パッキュ~ンもあるし・・・

   ダッダッダッダッダッ!もあるよ!」


蔵「マジかい?でも一般人が組立てれるんか?」


アマ「はい!基本・・・ここに来るのは・・・

   ほとんどが銃のコレクターですし・・・

   まっ!自分で組立てるみたいですよ!

   それに金を払えば・・・

   組立てもしてくれる奴も居てるし!」


蔵「へぇぇぇ~!」


アマ「それと!もっと凄いモノが必要なら・・・

   ガマさんに頼めば用意してくれるよ!」


蔵「もっと凄いモノって・・・?」


アマ「たとえば・・・パイナップルとか!」


蔵「パイナップルって果物屋で売ってるやんけ!

  なんでガマから買うねん?」


アマ「いやね!俺が言うパイナップルは・・・」


蔵「もう言わんでいいわ!次元が違うんや!

  俺は・・・その次元の人間でもないし

  普通の一般人なんや!だから・・・

  パッキュ~ンもパイナップルも

  必要は無いんや!今も・・・

  これからもな!」


アマ「じゃ~ボウガンは?威力あるで!

   まぁ~ボウガンなら・・・

   ここでなくでも・・・

   普通に売ってるけどね!」


蔵「んっ?ボウガン?ちと興味はあるけど・・・

  でも・・・要らんわな!」


アマ「ん~・・・なんかないかのぉ~?

   蔵さんが好きそうなモノは?」


蔵「別にいいぞ!俺は買い物に来たんと違うし!

  ガマに会いに来ただけやしの!」


アマ「ほな!そろそろガマさんの所に行きましょか!

   もう・・・ええ頃でしょ!」


蔵「そやな!ところで?ガマに会うには・・・

  どこまで行かなあかんのや?」


アマ「もう少し先です!」


蔵「そっけ!ほな行こや!」


そして先に進み・・・


マーケットの脇にある非常階段の前に来ると・・・


アマ「こっちです!この階段から上に!」


蔵「おぅ~!んっ?」


すると蔵は・・・


あるモノが目に入りました!


蔵「んっ?なんじゃ~あれ?ちと行ってみよ!」


空「どこ行きますん?」


アマ「あらら・・・」


そして蔵が・・・


早足で向かった先には・・・


雛にしては大きな鳥が2羽・・・


紐に繋がれてました!


その鳥の周りには大小・・・


様々なゲージがあり・・・


そのゲージの中心に・・・


中年のオッサンが餌の準備をしてました!


蔵はオッサンに・・・


蔵「なぁ~オッサン!日本語・・・分かるか?」


オッサン「あほぉ~!日本人じゃい!」


蔵「そっけ!ところで・・・この鳥は何?」


オッサン「あぁ~これか!これは・・・

      エミューの雛や!」


蔵「エミューって・・・何?」


オッサン「まぁ~ダチョウの小型版やな!」


蔵「ダチョウの小型って言うても・・・

  そこそこ大きくなるんやろ?」


オッサン「まぁ~な!」


蔵「これ?ナンボするん?」


オッサン「これは2匹で70万や!」


蔵「えっ!そないするんか!でも珍しいもんな!

  しかし・・・こんなのが売ってるんやの!」


オッサン「まぁ~他にも珍しい動物も居てるで!

      ほれ!これなんか・・・どうや?

      ホッキョクギツネ!犬と変わらんぞ!」


蔵「マジ?でも暑さに弱いやろ?んっ?

  よう見るとキツネだけでも・・・

  3種類も居るやんけ!

  それにフクロウや・・・

  わっ!これって鷲か?」


オッサン「いや!鷹やで!」


蔵「へぇぇぇ~ごっついのぉ~!他に・・・

  珍しい動物は?」


オッサン「まぁ~あれやったら店の中に入れや!

      蛇とかトカゲ・・・猿も居てるで!」


蔵「ほんまかい!じゃ~入るわ!なぁ~アマちゃん!

  ちょっとくらい・・・ええやろ!」


アマ「ええよ!」


空「でも・・・なんか臭くない!表の・・・

  ここでも臭うんやで・・・

  中は・・・もっとやろ?」


蔵「あほぉ~!臭いくらいでガタガタ言うな!

  その心の狭い考え方が・・・

  世間を狭くするんや!バカたれが!」


空「うるさいなぁ~・・・」


そして・・・


店の中に入ると・・・


蔵「ぬぅおぉぉぉぉ~!臭ぁぁぁ~!

  たまらんくらい臭いがな!

  んっ?でも・・・なんじゃ~これ?」


狭い部屋の天井まで積み上げられた・・・


ゲージや鳥籠や水槽の中には・・・


蔵が初めて生で見る生き物達が・・・


蔵「わぁぁぁ~!このリスくらいの大きさの・・・

  お猿さん・・・200万もするやんけ!

  買って直ぐ死んだら・・・

  200万がパーやんけ!」


空「ほれ!こっちの水槽の中に・・・

  色んな蛇が居ますで!」


蔵「ほんまやのぉ~!ボールバイソン?

  これの・・・どこがボールやねん?

  結構・・・デカイな!大人かな?」


すると・・


店のオッサンはボールバイソンを・・・


水槽から出すと・・・


蛇をコネるようにコネコネすると・・・


なんか丸くてボールのようになりました!


オッサン「どや?」


と言って・・・


蔵に投げ渡しました!


蔵「うぉ~!なんじゃ~これ?凄いな!

  でも・・・噛んだりしない?」


オッサン「あぁ~!蛇と言うのは・・・

      しょっちゅう触ってると・・・

      噛まなくなるんや!」


蔵「なんで?」


オッサン「諦めや!噛む事を諦めるんや!

      でも毒蛇は無理やで!

      一回でも噛まれたら・・・

      あの世行きやで!」


蔵「そらぁ~毒蛇はアカンやろ!でも・・・

  ほんまに諦めるんかの?

  諦めの悪い蛇にあたったら・・・

  こっちが触るのを諦めるかもな!」


オッサン「ははは!野生動物と付き合うには・・・

      根気が必要なんや!」


蔵「ところで・・・この猿ってニホンザルやろ!

  まだ子猿か?」


オッサン「あぁ~!なんや・・・気に入ったんか?」


蔵「いや!そうでない!俺らが入って来てから・・・

  ず~っと・・・牙をむいて威嚇してるけど!

  ニホンザルって気性が激しいの?

  これじゃ~馴つかんやろ?」


オッサン「まだ来たばかりやから・・・

      気が立ってるんや!その内・・・

      諦めて大人しくなるわ!」


蔵「なんや動物って・・・すぐ諦めるんやの?」


オッサン「人間も同じや!」


蔵「おいおい!獣売りのオッサンが・・・

  何を意味深い事を言おうとしとんや?」


オッサン「黙れ!」


蔵「なぁ~色んな動物が売ってるんは・・・

  分かったんやけど!

  普通に犬猫は扱ってないん?」


オッサン「あぁ~居てるで!犬猫なら・・・

      表側(バックマーケットの反対側)に

      居てるで!そこのドアの向こうが・・・

      犬猫ゾーンや!」


そして・・・


蔵達は犬猫ゾーンへ・・・


蔵「へぇぇぇ~普通に犬猫も売っとんやの!

  あっ?これって豆と同じ種類の猫や!

  んっ?値段は・・・7万ちょい・・・

  結構・・・安いな!」


空「それだけじゃ~ないですよ!他の犬も・・・

  安いですよ!ほとんどの犬猫が・・・

  10万以下ですやん!

  ほれ・・・この子犬も2万5千円ですよ!」


蔵「ひょっとして・・・雑種なんかもな?

  でも・・・こんな小汚い店なら・・・

  安くしないと売れへんやろ?

  こっちもメッチャ臭いがな!

  まぁ~普通に犬猫を買いに来ても

  店の中に入れるのは・・・

  1分が限界やろな?

  ちと表に出よか!」


空「はい!」


そして・・・


マーケットの反対側に出た蔵達は・・・


蔵「あっ!」


蔵の心(ひぇ~!ここを真っ直ぐ行けば・・・

     梨子のマンションやんけ!

     じゃ~梨子のマンションの住人の中に

     ここのマーケットで働いてる奴も・・・

     居てたかもな?)


空「この辺・・・知ってますの?」


蔵「あぁ~!前に来た時は早い時間やったから・・・

  この通りの店の前には・・・

  寝てるホームレスだらけやったんや!

  だから店が閉まってる時だけ・・・

  ホームレスが居てると思ってたんやけど!

  でも・・・こんな昼間でも・・・

  ほとんどの店のシャッターが・・・

  閉まってるがな!おまけに・・・

  ホースレスの段ボールハウスも・・・

  そのままやんけ!」


空「ん~・・・確かに・・・そうですね!

  まだ寝てるホームレスも居てるし

  それに・・・

  店舗募集の看板が貼ってあるけど

  こんな状態じゃ~・・・

  誰も借りないでしょうね!」


すると・・・


アマ「ははは!この通りでは空き店舗は無いよ!」


蔵「なんでやねん?ほとんどの店のシャッターに

  店舗募集って貼ってあるがな!」


アマ「シャッターが閉まってても営業はしてるよ!

   ただ店の入り口がバックマーケット側に・・・

   あるだけで・・・表向きは・・・

   シャッターの閉じた空き店舗やけど・・・

   でも中では商売をしてるんですわ!」


蔵「へぇぇぇ~!まぁ~ええわ!

  ほな・・・中に戻ろか!」


空「じゃ~このペット屋からも・・・

  バックマーケットに・・・

  行けるんやね!」


蔵「ほんまやの!いちいち見張りが居てる・・・

  あそこから入るより・・・

  こっからの方が簡単やな!」


アマ「ははは!ここを出入り口にしたいのなら

   ここで何か買いはったら!」


蔵「ん~・・・家には犬が居てるしなぁ~!」


アマ「じゃ~他の生き物でも!」


蔵「じゃ~もう一回・・・見てみよか!」


そして蔵は・・・


珍獣などが売っているゾーンで・・・


蔵「ん~・・・手頃で面白い生き物は居らんのか?

  猿も気になるんやけど!でもなぁ~・・・

  猿は死んだ時が大変と聞いたしなぁ~!」


空「何が大変なん?処分に問題が?」


蔵「いや!猿の場合・・・人間に近い動物やんけ!

  だから猿が死ぬ時の悲しさは・・・

  自分の子の死を見届けるくらいの・・・

  悲しさがあるみたいやけどな!」


すると・・・


店のオッサンが・・・


オッサン「おぅ~!よう知ってるやんけ!

      猿の場合・・・

      大型になればなるほど・・・

      人に近く感じるから・・・

      死んだ時は相当・・・悲しいぞ!」


蔵「なっ!だから安易に飼うもんでもないんや!」


オッサン「じゃ~なにが・・・ほしいんや?」


蔵「何と言われてもなぁ~・・・?」


オッサン「じゃ~・・・動物園に行って来いや!

      そこで欲しいと思った動物が居れば

      わしに言うて来い!

      なんでも仕入れたるで!」


蔵「マジかい?じゃ~ライオンやトラでもか?」


オッサン「あぁ~!その代り金がかかるで・・・

      仕入れ代や餌代など・・・

      何百万とかかるで!」


蔵「そっか・・・どっちにしろ無理やな!

  なんか手頃なのは居てないんか?」


すると・・・


オッサン「じゃ~これなんか・・・どうや?

      兄ちゃんくらいの年頃なら・・・

      これに憧れがあったやろ!」


蔵「えっ?これって・・・アライグマ?」


オッサン「あぁ~!このアライグマを買えば・・・

      兄ちゃんもラスカルの飼い主や!」


蔵「ほっ・・・ほんまやのぉ~!凄いやん!

  でっ?ナンボするん?」


オッサン「まぁ~今日は特別サービスにしたるわ!

      8万5千円!これで・・・どうや?」


蔵「えっ?そんなに安いん?アライグマやで!」


オッサン「あぁ~今回は特別価格や!」


蔵「ん~・・・特別価格と言われてもなぁ~・・・

  アライグマの相場も分からんし・・・

  それに飼い方も分からんしのぉ~!」


オッサン「飼い方?んなもん簡単やんけ!

      犬猫と変わらんぞ!

      まぁ~相場的にも安いと思うぞ!」


蔵「ほな!7万にしてくれや!そしたら買うわ!」


オッサン「まぁ~ええか!じゃ~7万や!」


蔵「ほな!後で取りに来るから置いといてや!」


オッサン「おぅ~!まいどあり~!」


そして・・・


蔵「よぉ~アマちゃん!ガマの所に案内せいや!

  ちゃっちゃと用事を済ませて・・・

  ラスカルを迎えに来なあかんしな!」


アマ「はいはい!」


そして店を出ると・・・


空「ねぇ~蔵君!ちゃんと考えてから・・・

  買う方がいいよ!

  アニメのラスカル・・・見てました?」


蔵「あほ!見てたちゅ~ねん!あれやんけ・・・

  ガキがラスカルを連れて・・・

  母を探す旅に出るんや!

  それで最後は・・・

  絵の前で死ぬんやんけ・・・

  くぅ~思い出したら泣けて来たぞ!」


空「なんか?ごちゃ混ぜになってるけど・・・

  ほんま大丈夫?ちゃんと・・・

  思い出した方がいいよ!」


蔵「うるへぇ~!アライグマの一匹や二匹!

  俺には・・・どうって事あらへんわ!

  俺を舐めるな!」


空「いや!蔵君がいいのなら・・・いいけどね!

  一応・・・聞いただけですよ!」


空の忠告も耳に入らない蔵は・・・


蔵「なんか・・・パルナスが食べたくなったわ!

  と言うても・・・食った事ないけどな!

  どぉわぁはははは!」


上機嫌でした!


そして蔵達は・・・


ガマが居る事務所に入ると・・・


事務所の中心に置かれたソファーに・・・


ガマが座ってました!


蔵の心(こいつがガマか!思ってたより年と言うか

     ジジイやんけ!おまけに・・・なんなん?

     身なりはマシやけど・・・

     でも髪はガサガサやし・・・

     どす黒い顔して・・・

     歯も・・・あらへんやんけ!)


すると・・・


ガマ「お前が赤川の使いか?」


蔵「あぁ~そやけど!まず・・・これを渡すわ!」


蔵は先に住宅地図がコピーされた用紙の入った


封筒を渡しました!


そしてガマは中を確認しながら・・・


ガマ「でっ?金は?」


蔵「あぁ~持って来とるで!この金で・・・

  あんたは何をしてくれるんや?」


ガマ「なんや・・・知らんのか?」


蔵「あぁ~!赤川はんが・・・あんたから聞けって!」

  ガマ「まぁ~簡単な事や!お前らが・・・

  ここに来たと言う事は・・・

  黒川らと・・・やるんやろ!」


蔵「なんや知っとんか?黒川の事?」


ガマ「あぁ~!この街の事は耳に入るわなぁ~!

   ここ最近・・・黒川は勢いがあるしのぉ~!

   悪い噂も入って来とるわ!」


蔵「そっけ!でっ?赤川はんの依頼は何?」


ガマ「まっ!この地図の記された場所の・・・

   自動販売機の裏に・・・

   武器なるモノを置くだけや!」


蔵「なんじゃ~それ?武器って・・・なんやねん?」


ガマ「そらぁ~鉄パイプや角材・鉄筋など・・・

   手に持って戦えるモノや!」


蔵「でも・・・なんで自動販売機やねん?」


ガマ「あほぉ~!普通に道を歩いてたら・・・

   確実に目に入るのは自動販売機やんけ!

   その自動販売機の裏には武器や!

   それなら・・・

   どこで黒川らと会っても・・・

   自動販売機の裏に置かれた

   武器を持って戦う方がええやんけ!」


蔵「なんじゃ~それ?そんなので100万か?

  高すぎるやろ!」


ガマ「あほ!この渡された地図のエリアには・・・

   何台の自動販売機があると思っとんねん!

   相当な数の自動販売機があるんやぞ!

   それら全てに武器を置くんやぞ!

   100万でも安いくらいじゃ~!

   まぁ~置くだけとちゃうけどな!」


蔵「置くだけとちゃうって・・・?

  他に何があるねん?」


ガマ「まぁ~抗争が始まったら分かるわ!」


蔵「しかし自動販売機の裏に武器って・・・

  なんか考えが子供染みてると言うか?

  ほんまに役立つんかのぉ~・・・?」


ガマ「ほんまアホやな!それは黒川と・・・

   やる奴の為だけと違うのやぞ!

   じゃ~あれか?コブラクローの・・・

   ホスト全員が黒川らと・・・やるんか?

   それは違うやろ?

   抗争に参加しないホストらが・・・

   もしもの時・・・

   手ぶらで戦うよりはマシやろ!」


蔵「それもそやな!倒す事を考えず・・・

  足を一発でも鉄筋で殴ったら・・・

  それだけでも・・・

  逃げるチャンスが作れるわな!」


ガマ「そう言うこっちゃ!赤川が言うには・・・

   抗争に参加する奴より・・・

   参加しない奴の為と言ってたわ!

   なんもなしにボコられるより・・・

   ちょっとは対抗できたらなってな!」


蔵「そっか!まぁ~無いより・・・

  ある方がいいんかもな!

  ほな・・・本題や!」


ガマ「本題って・・・なんじゃ~?」


蔵の心(ここは・・・値切らさせて貰うで!

     ラスカルも買う事やし・・・

     あと餌代も要るしのぉ~!

     せめてラスカル代と・・・

     餌代くらいは値切ろかな!)


蔵「なぁ~・・・どう考えても100万は・・・

  高すぎるやろ!そう思いまへんか?」


ガマ「何が言いたいんじゃ~!」


蔵「ナンボか?まかりまへんか?」


ガマ「ボケェェェェェ~コラァァァ~カス!

   まけろやと?誰に言うとんじゃい!

   おのれ・・・こらぁぁぁ~!」


蔵の心(わぁぁぁぁぁ~!)


15分後・・・


蔵「冗談やん!ごめんな!ほな・・・100万!

  これでいいかな?」


ガマ「おぅ~!最初から素直に出せよ!」


蔵「ほな・・・帰るわ!」


すると・・・


空「なぁ~!ちゃんと金は渡したんやから・・・

  赤川さんから頼まれた事は・・・

  ちゃんと・・・やってくれよ!

  ちと値切ったと言っても・・・

  結局は満額を払った訳やし・・・

  手を抜くなよ!」


ガマ「おぅ~!分かっとるわい!」


空「じゃ~行きましょうや!蔵君!」


蔵「おぅ~!」


そして外に出た蔵達は・・・


空「ねぇ~!メッチャ怒られてましたね!」


蔵「おぅ~!ほんまビビったがな・・・!

  ちと値切ったくらいで・・・

  あんな血走った眼で睨みながら

  大声で怒鳴られたら怖いがな!

  あとガマが大声を上げたら・・・

  奥の部屋から厳つい顔したのが・・・

  こっちの部屋を覗いてたやろ?

  それも数人は居たで!

  代わりばんこで覗いてたし!

  ほんまビビったで!」


空「ははは!偉そうに値切るからやん!」


蔵「あほ!値切れと言ったのは赤川はんやんけ!

  きっと赤川はんも・・・

  こうなると分かってて・・・

  値切れって言うたんやろな?

  まっ!どうでもいいけどな!

  俺にはラスカルが待ってるし!

  じゃ~俺はラスカルを買いに行くから

  空は帰るなり好きにしろや!」


空「えっ?じゃ~蔵君は・・・どうするの?」


蔵「あほ!俺はラスカルを買いに行くと・・・

  言うとるやろが!あとは・・・

  俺とラスカルの・・・

  コミュニケーションタイムや!

  だからラスカルを連れて家に帰る!」


空「マジで?赤川さんに報告もあるし・・・

  それに土佐犬君らは・・・

  今でもスープレックスで・・・

  裏切り者を痛めつけてるんですよ!

  なのに・・・蔵君は・・・帰るの?」


蔵「あほぉ~!野生動物は最初が肝心なんや!

  連れ帰った・・・その日が勝負なんや!

  最初から・・・ほったらかしにしてたら

  調子に乗りよるがな!

  だから・・・俺は帰る!ほなの!」


空「ほんまぁ~・・・自分勝手と言うか・・・」


蔵「えっ?自分勝手に魅力を感じるんやろ?」


空「それは・・・自信過剰ですわ!」


蔵「あほ!自信過剰も自分勝手も同じようなもんや!

  まぁ~ええわ!俺は帰る!ほなね!」


と言って・・・


蔵はペット屋でアライグマを買うと帰りました!


空はコブラクローの事務所に向かいました!


そして蔵は・・・


上機嫌でアライグマを連れ帰り・・・


家に帰っても3時間に及ぶ・・・


暴れるアライグマとの格闘の中・・・


色んな出来事や寝不足などで疲れ切り・・・


いつの間にか寝て居ました!


そして夜の12時前・・・


蔵の家に怒涛の電話攻撃が!


何度も鳴る電話で・・・


ようやく起きた蔵が電話に出ると・・・


蔵「もし・・・もし・・・誰やねん?」


電話の相手「猛です!」


蔵「猛かい・・・何の用やねん?」


猛「ちょっとスープレックスに来て下さい!

  もう・・・大変なんですわ!」


切羽詰まった猛の言葉で目が覚めた蔵は・・・


蔵「何がや?何が・・・あったんや?」


猛「もう・・・限界ですわ!見てられへん!」


続く・・・



次の十三夜は・・・


来週・・・火曜日に更新します!


この物語はフィクションであり・・・


登場人物や店名などは・・・


架空の物であります