イタリア・ワイン探訪(その14)アブルッツォ州「フォエミネ・ピグリージョ2022・ファビュラス」(テッレ・ディ・キエティDOC)

 

 変わったラベルに惹かれて買ってみました(2300円ほど)。

 これは19世紀後半に母から娘や義娘に受け継がれた月形イヤリング「sciacquajje」の意匠だそうですね。

 ぶどうは最近はまっている「ピノグリージョ」がメイン。フードル(大樽)で発酵後、アンフォラ(伝統的なツボ=散策編第81回参照)と木樽で熟成されたオレンジ・ワインです。

 グラスに注ぐと色彩はルビー色でロゼにも近い美しいカラーの外観。

 ピノグリージョも複雑な味わいですが、鶏のから揚げとうまく調和したので、一気にボトル全部飲めてしまいました。

 ちなみに、アルザスも真っ青ってぐらい、縦に長い(背の高い)ボトルで、セラーにも、冷蔵庫にも普通に入らない困ったチャンでした。

 生産者は「ファビュラス」。アブルッツォ州のワイナリーで、イタリアだけではなく世界中の生物多様性がありながら消滅の危機にある地域の保護を提唱する自然愛好家の非営利団体「Biodiversity Friend」から認定を受けています。他にも最難関と言われる「デメテール認証(※フランス農業省認証機関エコセールが検査・認証。全ての有機栽培作物に対して認証する)」も取得。

 畑はマジェッラ国立公園内のプレトロ自治区にあって、標高は600mもあります。

 アドリア海まで35キロですが、海洋性気候よりは内陸性気候で、昼夜の寒暖差が激しいぶどう栽培向けの土地。

 このワイナリーで生産されるワインには、現在マジェラ国立公園になったこの土地に生きた7人の女性戦士にまつわる伝説、歴史、土地に根付く価値観など、すべてこの土地を舞台に巻き起こった様々なストーリーを展開したものをラベルに描写されているそうです。

 また、ファビュラスでカモミールと地元の植物「スラ」の花粉から選択された酵母を発酵に使っています。

 

 おフランス・ボルドー・ペサック・レオニャンの「アンドレ・リュルトン・シャトー・クシュロワ・ブラン2019」行ってみましょう。

 本当は春先に飲みたいソーヴィニオン・ブランですが、もうかなり暑い季節になって来て、かなり冷やさないと厳しいですねえ。

 本ワインはかのロバート・パーカー氏が「格付けシャトーよりも優れたワインを造っている」とのたまったシャトー・クシュロワ(ジェームズ・サックリング90点以上、ワインスペクター90点以上、ジルベール&ガイヤール金賞)の白ワインです。砂利の下層の粘土質土壌で栽培した樹齢11年のソーヴィニョン・ブランをステンレスタンク(一部バリック使用)熟成、シュールリーの後リリースしています。

 

 

ハーフワインからはイタリア「マ・ケ・ディチ2022」品種はメルロー。(「何言ってんの?」という意味ですね)

 

 

同じくハーフワイン・チリの「ウェバーダ・フロム・チリ2022」こちらはカベルネ・ソーヴィニヨン。

 

 

国際品種の典型的な単一品種の赤ワインで、それぞれの特徴がよくわかる飲み比べになりました。