イタリア・ワイン探策(その91)ラツィオ州「クイント・ベッローネ2022・チンチンナート」(ラツィオIGT)

 

 イタリアは土着品種の宝庫で、かなり制覇したつもりではありますが、今回の「ベッローネ種」は初めてです。まだまだいろいろありますね~

 「ベッローネ」は古代ローマ時代からカステッリロマーニ周辺で栽培されてきたラツィオの土着品種で、果皮が薄いため古くから食用ブドウとして親しまれてきたブドウです。

この繊細な風味を持つベッローネを、ヘクタール当たりの収量を抑え、丁寧に醸造することで、香り豊かでフルーティーなワインに仕上げており、ワイン名の「クイント」は、本ワイナリー「チンチンナート」の組合員の一人で、彼の息子、そして孫へと畑仕事を代々受け継いでいる重要なパートナーの名前から付けられているそうな。

 チンチンナートの畑はコーリの丘陵地帯の標高200~300mに位置し、有機栽培で育てられたベッローネを9月中旬に収穫後、選果しソフトプレス。除梗後果汁を24時間定温で静置、その後温度を15度に保ち10日かけて低温発酵。発酵終了後、ステンレスタンクで6ヶ月(最初の2か月はシュールリー)熟成、瓶詰めしさらに6ヶ月熟成後リリースされます。

 飲み口はなんといってもフルーティーさですかね。果実味が効いています。

12度ぐらいに冷やしてとのことで、暑くなってきたのでちょうどよい温度ですね。

これは前菜類やシーフードに合いそうです。2400円の価格帯です。

 ワイナリー「チンチンナート」紹介。

 ローマの南東60km程の丘陵地帯に位置するコーリに1947年に設立された協同組合。

 コーリは、古代ローマ時代の遺跡や歴史ある建物が点在し、古くから農業とブドウ栽培が盛んに行われていた町であり、ベッローネとネロブオーノ(今回一緒に購入済み)という2つの土着品種の栽培を行うイタリアでかなりユニークなワイン産地。

 気になる「チンチンナート」の名前は古代ローマの執政官、「ルキウス・クィンクトゥス・キンキンナトゥス」に由来するそうで、彼は小さな争いの絶えなかったローマの町を治め人々の尊敬を集め、後年その名声を捨てコーリの町で農民としての原点に立ち返り生涯を送ったと伝えられているそう。

 ワイナリーも設立以来その精神を現在に受け継いでおり、組合員は130名以上、550haの半分がブドウ畑、110haは有機認証を取得しています。

 コーリ・ロッソとコーリ・ビアンコがDOCに認定された1970年代からチンチンナートは急成長、ベッローネとネロブオーノという、古くからこの地域で栽培されてきた2つのブドウとチェザネーゼにフォーカスし、畑の有機栽培への転換、畑での作業手順の綿密な定義、収穫カレンダーの活用、緻密な醸造プロセスの導入、太陽光発電システムの全面的導入、地域内の配送は天然ガスで走る車両を使用など、様々な生産プログラムを採用しています。

 2021年には古代ローマのワイン造りを再現するプロジェクトに参加し、ローマのコロッセオを見下ろすパラティーノの丘の小さな区画にベッローネの苗木を植樹。

 2025年にはこのブドウから古代の製法に則って造られたワインがリリースされる予定だそうで、楽しみですね。

 

 GW後半戦は金剛山キャンプに始まり、最終日には雨の予報にもめげず、ビアフェス「ビアブラボー」に参戦してきました。

 Furari京橋という公共の場所での2回目の開催で、入場は自由ですね。昨年は快晴だったので早めに並んでましたが、今年は誰も並んでおらず、スタート時点では数人しかいませんでした。(途中からかなり増えてきました)

 結局雨はほとんど降らず、涼しく楽しくのんびり過ごせました。

 2件目は「ニュータコイチ」さんでタコヤキ、その他で〆ました。

 チリも良く飲むお国ですが、今回は「クレマスキ・フルロッテ・シャルドネ・シングル・ヴィンヤード2021」を飲んでみました。

 生産者のクレマスキ社は、1978年にイタリアのクレマスキ家がチリに移住した興したワイナリーで、密植栽倍を避け、全て手摘み収穫、収穫されたぶどうはすぐに圧搾工程を開始するそうです。

 本シャルドネは日本のワイン専門誌「ワイン王国」においても、誌上で開催された「1,000円台シャルドネ」のブラインド・テイスティング企画において高評価(4つ星半)を獲得しており、開けてすぐでも樽の効いたしっかりした味わいが楽しめるのですが、時間を置いて2日目以降になると、濃厚な白ワインとしてその本領を発揮するとの触れ込み。

 確かに樽の風味が結構あって、ちょっとまったりします。(購入元ではバターのようなニュアンスって書いてますね)。

 鶏のから揚げで頂きました。醤油としょうがの衣によく合いますね。

 ハーフボトルシリーズはイタリアから「トレスウィリ2022」品種はトレッビアーノで、こちらはさっぱり飲めますね。

 

 GWの谷間は仕事だったので、大型連休感は全くなく、普通の休日となんら変わりませんでした(涙)

 今週は混んでくる前に、ビアガーデンを予定、日曜日がまた雨らしいので土曜日に山上チーズフォンデュしなきゃ。