イタリア・ワイン探策(その87)カンパーニャ州「マストロ・ビアンコ2020・マストロベラルディーノ」(カンパーニャIGT)
カンパーニャの盟主と言われる「マストロベラルディーノ」が造る白のエントリーモデルで、4種の土着系品種のブレンドワインです。
品種は「コーダ・ディ・ヴォルペ30%(聞いたことがないぞ)、フィアーノ30%、グレコ20%、ファランギーナ20%」で平均標高350メートル、粘土石灰土、平均樹齢20年のぶどうの樹から摘まれ、20日間ステンレスタンクで発酵、ボトリング後1ヶ月の瓶内熟成後にリリースされます。約2000円弱の価格帯。
香りはそれほどでもないですが、バランスの取れた酸にフレッシュな果実感がありますね。まあ、カルパッチョなど前菜系に合うかな。
ワイナリー「マストロベラルディーノ」。
カンパーニャ州アヴェッリーノ県アトリパルダで1878年設立。(それより前からカンパーニャでワインを造り続けていた一族で、そもそもはベラルディーノという家族でしたが、「マストロ=マエストロ」という称号が与えられ、マストロベラルディーノ家となった)
総面積250haのブドウ畑から20種類以上のワインを生産、特にタウラージは南イタリアで最も重要な品種アリアニコから造られるワインが有名で、カンパーニャ州初のDOCGの指定を受けています。
マストロベラルディーノは、タウラージと白のDOCGである「フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ」「グレコ・ディ・トゥーフォ」の3つのワインをDOCGという最高のカテゴリーに昇格させた大きな役割を果たしたワイナリーで、2000年前の古代ワイン復活プロジェクト(DA POMPEI IL VINO)「ヴィッラ・デイ・ミステリ(ポンペイの遺跡から発掘されたブドウ畑よりワインを造るプロジェクト=このワインは25000円ぐらいする・・)」をイタリア政府から任されてるんですね!
1980年のイタリア南部での震災をきっかけにうまれたラディーチ・シリーズが有名。カンパーニャでも壊滅的な被害があり、同社のセラーを市民の避難所に提供。
復興の願いを込めて、この地に根ざしたワインとしてイタリア語で「根」を意味する「ラディーチ」シリーズを1986年にリリースしました。
中でも「ラディーチ・タウラージ・リゼルヴァ」は南イタリアワインの最高傑作との呼び声も高く、2010年4月には『ワインエンスージアスト』で「イタリアを代表する10本のワイン」に選ばれています。(8000円程度で買えます)
タウラージは高いのでこれまでも紹介は1回きり(探策編第50回)。
タウラージは熟成によって素晴らしい変化を遂げるワインとしても有名で、マストロベラルディーノのタウラージは別名「不死のワイン」と呼ばれるほど、長期間の熟成を秘めるポテンシャルが高いワインとして知られています。
他にも同ワイナリーのアリアニコで造る白ワイン「ネロアメタ」なんかも飲んでいますね。
さてさて探索編第70回で紹介した世界のハーフワイン24本もぼちぼち飲んでいます。(そもそもクリスマス向けのワインなんですが、もう夏に突入する季節感のずれ:笑)
https://ameblo.jp/yami-aru/entry-12841840876.html
まずは1番スペイン「カバーロ・デ・マール2022」、マカベオとアイレンのブレンドで非常にさっぱり、すいすい飲めてしまいますね。動物ラベルに外れなし(タツノオトシゴなのか?)
2番はモルドバ「ストーファ2021」、こちらは赤ワイン・メルロー100%、これはメルローが持つ果実感が非常に味わえる逸品です。フルボトルを探してみたが見つからず・・
モルドバのワインも一時期よく輸入されていたように思いますが、なかなか買う気にならないので、こんなセットに入っていると嬉しいです。
もう1本シャルドネも入っていたのでこちらも楽しみです。何番に出てくるのだろう?
カリフォルニアの「デリカート・ファミリー・ヴィンヤード」は「アメリカ最優秀生産者賞」に4度、「アメリカン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」に3度も選ばれた生産者、今回は「1924バーボン・エイジド・ダブル・ブラック・カベルネ・ソーヴィニョン2021」を頂いてみました。
品種構成はカベルネ・ソーヴィニヨン100%、ステンレスタンクでスキンコンタクトし醗酵(MLF発酵も)、その後フレンチオーク/アメリカンオーク樽で8ヵ月熟成、一部バーボン・バレルで約2-4ヵ月熟成しています。
ラベルの1924は西暦なのですが、日本人には意味不明とも言えるアメリカでの禁酒法政策が取られていた年になります。
1924年、デリカート・ファミリー・ヴィンヤーズはカリフォルニアの地でブドウ農園を開いており、本1924シリーズは、1世紀以上たった今もブドウ栽培を続けワイン造りを行う、彼らの歴史と伝統の象徴として生み出されたものです。
当然ですが、禁酒法時代であっても人々は酒を飲みますよね、いろんなギャング映画でお馴染みの時代、密造酒は横行し、無許可の潜り酒場(スピークイージー)が営業。
ある者は知恵を働かせ、医者がスピリッツを処方することから抜け穴を見つけバーボンと書かれたワインを入手し、またある者は本棚の奥に秘密の潜り酒場を作り営業など、今となっては映画ネタ。こんな時代に敬意を表したワインが本1924シリーズ。
なんだか楽しくなってきますね!お値段は2500円程度の典型的なCSです。
さて先週は4年ぶりに須磨アルプスを踏破って、途中でクライング師匠に出会って、エスケープルートで下山後、新開地にて昼のみとなってしまいました。14時なのにどの店も満員、さすがです!
師匠の雄姿(笑)