イタリア・ワイン探策(その12)ウンブリア州「コッリ・ペルジーニ・グレケット・2022・ゴレッティ」(コッリ・ペルジーニDOC)

 イタリアの奈良県、ウンブリア州ペルージャのワイン。ペルージャと言えば、サッカーの中田英寿選手を思い出す人も減ってきましたかね。
 私ら世代ではセリアAで日本人が活躍するなんて衝撃的、デビュー試合での2得点も信じられなかったです(ハットトリック達成のPKを蹴るチャンスがあったのに、逃げるように後方に移動していったのが印象的で今も忘れられません!)
で、本ワインは4世代続くワイナリー「ゴレッティ」のベーシックな「グレケット」種100%。


ほんとうに果実味豊かな、かつフレッシュで飲み心地の良さは随一です。夏場には最適で、グビグビ飲めちゃいますね。

 前年の2021ヴィンテージは『ガンベロ・ロッソ2023』で最高のトレ・ビッキエリ(グラス3個)の最終選考に残ったものの、ドゥエ・ビッキエリ(グラス2個)どまり、ただしコスト・パフォーマンスが良いワインに付けられる「アスタリスク・マーク」を獲得しています。また『ベーレベーネ2023』では、特に優れたお買い得ワインに与えられる「クアリタ/プレッツォ賞」も受賞しています。(2000円程度ですね)


 受賞は本ワインではないものの、そんなに味が変わることもないと思いますので、気にせず飲みましょう~
 こういったワインはヘタに樽熟成すると、グレケットの風味が失われるので、ステンレスタンク熟成のみだそうです。

 ワイナリー紹介「ゴレッティ」
 カンティーナ・ゴレッティはウンブリア州ペルージャで4世代続く家族経営のワイナリーで、ワイナリー設立よりも前からこの土地で農業を営んでいます。
 15世紀に建てられた塔(ワインのラベルにも描かれてます)を改修してワイナリーにしており、塔の周辺に自社畑を所有し、土着品種のグレケットやサンジョヴェーゼ、国際品種系のメルローなどを栽培、特にグレケットはコスト・パフォーマンスで高評価を受けており、先の『ガンベロ・ロッソ』ではウンブリア州No.1コストパフォーマンス・ワインにも選ばれています。


 畑はモンテファルコにもあり、DOCGサグランティーノ・ディ・モンテファルコとロッソ・ディ・モンテファルコを造っています。
 現在はペルージャとモンテファルコの2つのテロワールを味わえるワインを造っており、醸造コンサルタントにヴィットリオ・フィオーレ氏、女性エノロゴバルバラ・タンブリーニ氏の2人を起用し、品質と価格のバランスに優れたワインを生産しています。

 

 おフランス・ボルドーと言えば、各品種(主にカベルネ・ソーヴィニョン、メルロー)のブレンド比率(セパージュ、アッサンブラージュ)や技術を競う感がありますが、本ワインは珍しい「カベルネ・フラン100%」です。

 ワイナリー「ラ・ロッシュ・ボークール」はボルドー、いや世界的にも珍しいカベルネ・フラン100%のワインを造っているんですね。(ロワールのシノンとかブルグイユはあるそうです)

 「カベルネ・フラン」を調べてみると、栽培面積は世界17位。全世界で50,000ha強が栽培、おフランスが約7割を占めますが、世界中で広く栽培されている国際品種とのこと。

小さな粒のぶどうで、カベルネ・ソーヴィニヨンと非常に良く似ていますが、比較するとより早熟で、涼しいエリアでも完熟する事が出来ます。

 味わいはカベルネ・ソーヴィニヨンと似ていますが、より軽やかな味わいで、キーワードも、例えば果実であればカベルネ・ソーヴィニヨンがカシスなのに対してフランはブルーベリー、お花であればカベルネ・ソーヴィニヨンがバラに対してフランはスミレなど。

 色は薄め、全体的に軽めの言葉が浮かびます。より清涼感も強く出る事が多く、寒い年のワインなどはピーマンや獅子唐などの野菜を思わせる香りが出る事もあります。軽やかな酸味や、フワリと浮くような軽やかなボディなど、強さよりもエレガントさを感じさせる味わいになる事が多いです。

 なるほど、よくピーマン香って書かれることが多いのも頷けます。

 そしてこの猛暑のなかありがたいことに、本ワインは「冷やして飲む」と購入元のお薦め。

 通常ボルドーはそこまで冷やさないで飲むのですが、本ワインは 12~15℃くらいが良いとのことです。ほぼ白ワイン並みですが、口当たりが軽やか、ピーマン香はほとんど感じません。温度があがってくると多少まったり、カベルネ・フランも時にメインの1本になるんだと感心致しました。

 

 さて熊本もおそらく今年最後の出張、ということで博多居酒屋ですが「竹乃屋」で軽く飲みました(19-23時の4時間も飲んでいた・・)

 去年大阪駅にもオープンした時にも行った居酒屋ですが、「鶏皮ぐるぐる焼き」で有名なお店。当然頂きました(明太子味だった)

 日本酒は「繁桝」「瑞鷹」(升はどちらも瑞鷹ですが・・)、熊本ということで馬ユッケ、明太子レンコンなど、他にもいっぱい食べたのですが、まあ普通のメニューなので割愛。

 

 

 

 

 死ぬほど暑かったですが、また涼しい季節に行きたいものです。