イタリア・ワイン散策(その35)ヴェネト州「カナヤ・ロッソ・ヴェロネーゼ・ヴィッラ・アンナベルタ」(ロッソ・ヴェロネーゼIGT)

 

 カナヤを生み出す「ヴィッラ・アンナベルタ」はこれまで、数回紹介しております。

散策21回目は今回紹介する「カナヤ」の上級ラインで、24回の「コメ」はそのエントリーライン、27回の「ジャイロ」はカナヤ果皮からのリパッソということで、やっとスタンダードな「カナヤ」のご紹介です。

 裏アマローネと言われるとおり、アマローネを彷彿とさせる味わい。なぜなら製法はまったく同じでヴァルポリチッラの指定外地域と言うだけなのです。

このためIGTのリリースとなり、お値段もお安くアマローネの3分の1以下のお値段で買えてしまいます。(2200円、アマローネは最低でも5,6千円、普通で1万円程度)

 そのため裏アマローネと言われ、ヴェネトの方言で『きつねのようにずるがしこいさま』という意味をもつCANAJAと名付けられたんですね。

 

 先ほども書きましたが製法はアマローネ並み。

・アマローネと同じように、ブドウ(品種は「コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラ」)を箱に入れて約2ヶ月間乾燥。この段階で30~40%もの水分が失われ凝縮感が高まります。

・12月末から1月にプレスし、5℃に温度管理された中でゆっくりと低温で45日間前後発酵、その後.オーク樽(1、2、3年樽各1/3ずつ)で18ヶ月間熟成。

・アマローネとほぼ同じ工程で造ったワイン85%、リパッソしたワインを15%ブレンドして造られます。

また、カナヤはオーダーを受けてからボトリングしており、日本に到着してしばらくの間はフレッシュ感がありますが、瓶熟成が進むほどに「アマローネ感」が出てきます。

今回は2015年Vtgですので、よりアマローネっぽくなっていますね。

二上山の東屋にて、キムチ鍋で味わってみました。寒い冬ですが、鍋と濃厚なワインで体も温まります、まったりとした舌ざわり、アマローネに似た少し甘いチョコレートのようなお味です。だまされたと思って一度飲んでみてください。

 

 

 

 続いてはおフランス、ラングドック・ルーション「クロワ・サン・タデール・メルロ・アルマ・セルシウス 2019」(1800円程度)

 「アルマ・セルシウス」はミディ運河が流れる「ワインの街」ベジエのワイナリー。

リュット・レゾネによる自然派栽培を行い、高品質なワインだけを作り続けている注目の作り手ですねえ。

また南仏で絶滅が危惧されている「カメレオン」を畑に呼び戻したい、そんな思いから、ロゴにはカメレオンが使われています。

アルマ・セルシウスは24の品種を栽培しており、白ワインではシャルドネとソーヴィニョンブラン、赤はカベルネソーヴィニョンとメルロ、シラー種に最も力を入れています。

畑は3つの村にあり、 (ヴィルヌーヴ・レ・ベジエ、セール、ポルティラーニュ)総haは1200、モザイク模様のようにその土壌に合わせて様々なブドウが植えられています。

特にこのエリアは、丸い石に一面覆われた畑に、年間を通して吹き続ける風、といった南仏でも特異な点(ミクロクリマ)が高品質なワインを生み出します。

格付けはありませんが、このメルローは非常にしっかりしています。ボルドーのメルロー産地(サンテミリオン)なんかより、メルローという品種をストレートに出しており、南米とかに近い味わいかなと思います。

もう1本カベルネソーヴィニヨンも買っているので楽しみです。

 

 さて、昨日の二上山が登り収め、昔は武奈ヶ岳の雪山が定番の登り収めでしたが、バス便が不便になったので、行く気力なし(笑)今日は大学時代の音楽サークルのOBライブ会を見に行って、年内の予定は終了ですね。

 明日は朝から飲んだくれる予定、皆様良いお年を~!