イタリア・ワイン散策(その27)ヴェネト州「ジャイロ・ヴィーノ・デル・ラーゴ・ロッソ&ビアンコ・ヴィッラ・アンナベルタ」(ヴェネトIGT)

 

 裏アマローネで有名なイタリア・ヴェネト州、ヴィッラ・アンナベルタの「ジャイロ」の赤と白のご紹介です。

ちなみに「ジャイロ」とは、ローマ時代にワインを保存する入れ物を、ヴェネト地方で「ジャイラ」といったことにちなんでいます。

 同じ「ジャイロ」でも赤はコルク、白はスクリューキャップと珍しい組み合わせです。

 

 このワイナリーはこれまで「カナヤ」の上級ライアンアップ「カナヤ・セレツィオーネ・ゴールド(散策第24回)」と「コメ(散策第21回)」を味わってきましたが、どちらもお値段の割に美味しい素晴らしいワイン、今回も当然1500円とは思えないハイコスパ。

 

 まずは「ジャイロ・ロッソ」ですが、こちらは「カナヤ」の果皮を使った「リパッソ」を行っている弟分と言えるワインです。使用品種はコルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラで、9月末から10月上旬に収穫されたブドウを破砕、温度管理の下7~12日間発酵、「カナヤ」の発酵が終わるまで、温度管理出来るタンクで保存。「カナヤ」の発酵を終えた後の果皮に、保存しておいたワインを入れ15~20日間再度発酵(これがリパッソ)させ、さらに10~15%カナヤをブレンドして出来上がるという、変わった工程で造られるワインです。

 「カナヤ」ほどの濃厚さはもちろんありませんが、少し滑らかな分、お肉以外でも料理に合わせることが出来ますね。

 

 さて「ジャイロ・ビアンコ」も負けていません。品種はガルガネーガにピノ・グリージョ、年によってはシャルドネなんかもブレンドされています。

ガルガネーガの90%は、実の付いた枝を幹から切ってしまい(翌年のための枝だけ残す)、そのままワイヤーにぶら下げて収穫、約1ヶ月近くも天日干しして乾燥させて造られています。その過程で、完熟度も酸の量も変わらずに、ブドウから15~20%の水分が失われます。そして、全てのエキス、アロマが集約され、残糖が6~7gありながらアルコール度を13.5%までにすることができるそうな。

その後6~8時間コールドマセラシオンさせた後、圧搾して、低温でじっくりと発酵。澱と共に3~4ヶ月熟成させリリースと、値段の割に手間ひまかかってますねえ。

 

 ワイナリー「ヴィッラ・アンナベルタ」のオーナーは醸造家のディエゴ・コッティーニ氏。「私のワイナリーはヴァルポリチェッラ北部、ガルダ湖のすぐ近くに位置しています。ワイナリー名にある「アンナベルタ」は妻の名前から取りました。妻に捧げるワインという意味を持っております。アンナベルタはアマローネやヴァルポリチェッラの他にヴァルポリチェッラのエリア外の畑のブドウを使い、アパッシメント(陰干し)によるカナヤや、リパッソ製法を用いたジャイロ・ロッソという革新的なワイン造っています。ワインのスタイルは非常にソフトでモダンな味わいを持っています。」と語っています。

 

 昨日は24度、ほぼ夏日~って感じで、地元の山の辺の道を散策してきました。

 今日の雨を境に、冬モードらしいので、明日からは寒いかな。

 寒いところには行きたくないのですが、長野の松本の仕事が決まってしまい、しばらく寒い所に通う羽目になりそうです。