イタリア・ワイン縦走(その29)ヴェネト州「ソアヴェ・クラシコ・ピエロパン」(DOCソアヴェ・クラシコ)

 

イタリアで最も有名なワインの一つがヴェネト州の「ソアヴェ」ではないでしょうか。あまりワイン飲まない方でも一度は飲んでいるかもしれないぐらい、有名かつ大量に出回っていると思います。

 今回はそんなソアヴェを心斎橋大丸の地下のフードコートの酒屋さんで、冷えたボトル(2000円)を買って、韓国ヤンニョムチキン(唐揚げ)とかたこ焼きとかと一緒に食べてみました。(少し前ですが緊急事態宣言突入の前日:笑)

 連れさんが大丸地下の酒屋(笑)選んできたのですが、暑い時期にさっぱりと、特に唐揚げには合いますねえ~。(大正解です!偉いぞ、連れさん!!)、ワインバーやレストランで飲むと3倍は取られるので、このような原価提供のフードコート(うり師匠と良く行った、濱田屋しかり)は有難いです!

 

 さて、ソアヴェもいっぱいあるのですが、今回は頑固な造り手「ピエロパン」です。

まずはコラムとしてソアヴェの歴史から~

1967年にソアヴェDOCが認定された時、DOCの指定地区は全て現在のクラシコ地区だけでした。クラシコ地区は全て丘陵地の火山性土壌で、ミネラル分が豊富な深みのある味わいになるのが特徴。ピエロパンが所有する畑もすべてこのクラシコ地区の中にあります。

ところがソアヴェの人気が高まるとともに、クラシコ地区以外の平野部で造られる軽いタイプのワインも「ソアヴェ」として販売されるようになり、本来のソアヴェとは全く異なる非常に軽いタイプものが、ソアヴェという名前で大量に市場に出回ってしまいます。

本来のクラシコ地区でミネラル豊富なコクのあるソアヴェを造るピエロパンのような造り手はその状況に危機感を感じ、ソアヴェがDOCGに昇格することになった2002年、ピエロパンは5つのことを協会に要求!

1.クラシコ地区だけをDOCGとすること

2.使用できる品種はガルガネガとトレッビアーノ・ディ・ソアヴェの2つの土着品種に限ること

3.夏だけでなく冬の時期も認定機関から畑のチェックを受けること

4.ソアヴェ地区以外の瓶詰を禁止する

5.エストラットセッコ(ワインの成分の濃さを計る基準値)の厳しい基準をもうけること

 

ところが、この要求は却下され、反発したピエロパンは、あえてDOCGを名乗ることをやめました。しかしDOCGを名乗らなくとも、ピエロパンがソアヴェのトップに君臨し続けているのは、品質重視の姿勢があるから、またワインだけを楽しむのではなく、食事と一緒に飲んでもらうことこそがワインの役割と考えている姿勢に世界中のワインファンが共感している証だと思います。

その他、ソアヴェと混同されるのを嫌いあえてソアヴェを名乗らない「アンセルミ」もあります。(これも近日中に紹介しますよ!ってほんまかいな)

2001年には「スーペリオーレ」と「レチョート」がDOCGに昇格。スーペリオーレは最低アルコール度数が12~12.5%と、やや高め。加えて最低2年間熟成したリゼルヴァになると、かなり重厚感のある白ワインになります。「レチョート」はヴァルポリチェッラと同様、収穫したブドウを陰干しして(パッシート)造られます。

今回飲んだものは2019年のヴィンテージですが、例によって受賞歴は豊かで、2018年は「ジェームズサックリング93点)」、「ワインエンスージアスト92点」など、毎年常連のようですね。ちなみに「ワインエンスージアスト誌」はアメリカのワイン3大評論誌の一つで、年間Top100以外に、15$以下のTop100や、セラーで寝かせるべきワインTop100、BestBuyTop100など面白いランキングが特徴、評価は100点方式です。

 

 続いてはスペインのかるーい白ワイン「エダロ」、ラベルの可愛い鳥さんで決まりです。

 産地はスペイン南部アンダルシア州の原産地呼称(D.O.)コンダード・デ・ウエルバ。

アンダルシアの中でもポルトガル国境に接する西側に位置し、大西洋と地中海双方の影響を受ける特別な土地です。さらに品種は「サレマ」という珍しいもので有機栽培のオーガニックワインでもあります。

 生産者は新星コントレラス・ルイス、この2020年ヴィンテージよりオーガニック認証を取得しております。お値段は1200円程度のお値打ち品です。

 「砂質および白亜質の畑で栽培されている樹齢20年のサレマ100%。オーガニック認証(EU、CAAE)取得済の完全有機栽培ブドウを使用しています。その畑は大西洋からの風と、地中海からの風が交差する涼しい場所にあり、ブドウが健康に育つのに絶好の環境です。丁寧に手摘みで収穫し、14℃に維持したステンレスタンクで15日間スキンコンタクトとアルコール発酵を行います。熟成させずすぐにボトリング。サレマ種のフレッシュな味わいを最優先させた、若々しくビビッドな白ワインです。」とは購入元評価です。

飲めばわかるようにクセのない、非常にフルーティで軽やかなワインで、料理に合わせるよりはチーズで食事前に飲む1杯という感じです。

白ワインは日本酒と共通点があると思います。日本酒をワイングラスに入れて提供するお店は多々ありますが、私はワインを徳利に入れ替えて(デキャンタージュってか!)、おちょこで飲むことも多々あります。こういう気分の日もありますし、これがまた美味しいのです!

全く、ワインなんてどんな飲み方をしようが自由ですよ!丹精込めて造られたワインに対して礼を逸しているとは思いません。どんな場合でも、私的に最大限の敬意を払って飲んでいます。

私が、おフランスが嫌いなのは(あ、言っちゃった)、型にはまったことから外れるとうるさいからです。

 もうじき出てくる(11月16日だっけ?)、ボジョレーヌーボーなんか典型的、品種はガメイしかないやん、旨くもないし(あ、言っちゃった)・・

 10月末に解禁されるイタリア新酒のノヴェッロなんか産地も品種も多数あってほんと自由~

 食べに行くのもまた、イタリアンのお店はやっぱり素敵!

 古臭いフレンチ・レストランなんて最悪!ドレスコードもないくせに、山の恰好で行ったら露骨に嫌な顔された心斎橋の高級店想い出します。

腹いせにワインを頼むときに知識を(多少)ひけらかしたら、とたんに店員の態度が変わった最低の店がありました。

 デザートが多すぎのアホな店、ぜひ探してみてください(笑)。