イタリア・ワイン縦走(その14)フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州「レフォスコ・ダル・

ペドゥンコロ・ロッソ(フリウリ・グラーヴェDOC)」

 

 フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州(以下フリウリ)は白ワインの銘産地ですが、もちろん美味しい赤ワインも造られていますよ。

 国際品種であるメルロー、カベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン以外にも、土着品種としてピニョーロ、スキオッペティーノ、レフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソなどがあります。

 今回はグラーヴェ地区の生産者アントヌッティが造るレフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソのご紹介となります。

アントヌッティのワイナリーはウーディネ近郊、コッロレード・ディ・プラート地区にあり、畑はフリウリ・グラーヴェ地区の中央部に3ヶ所、約54ha所有。

土着品種レフォスコをステンレスタンクでマセラシオンし発酵。その後フレンチオークの古樽で12ヶ月熟成。

「プラム、野生のブラックベリー、マラスカチェリー、スミレやクローヴのアロマ。緻密なタンニン」とは購入元評。

若いうちはタンニンがきつめなので、早めに抜栓したり、デキャンタージュするなどして空気を含ませマイルドにするのが良いとの事。

ということで、少し冷やしていたので抜栓後、早めにグラスに注ぎ、しばらく空気を含ませておきます。スワーリング(くるくる回し)を十分行って、早速料理と一緒に飲んでみましょう。

1日目は土用のウナギ(笑)、2日目はお好み焼きと焼きそばという典型的な日本食?にもばっちり合いました!コクがあってまろやか、タンニンはそこまで感じません。

 お値段はなんと2000円程度、まさに高級品を除外して美味しいワインを紹介するポリシーにマッチ!

 

 コラムは先ほど出てきたデキャンタージュです。

デキャンタとは、ワインを入れるガラス容器のことで、ハクション大魔王のツボを透明にしたような、病室にある〇ビンのような・・、このデキャンタにワインを移す作業をデキャンタージュといいます。効能効果は主に3つ。

・味わいをまろやかにする効果 - 赤ワインの抜栓直後に非常に渋みを感じた場合など、デキャンタージュするとまろやかになります。空気に触れると酸化が進みポリフェノールが減少するからです。(実験によって証明されている)

・香りが良くなる - 長期保管されているワインでは瓶内の酸素が減少します。これによる化学変化で果実の香りが減少します。これらも空気に触れさせることによって香りが戻ることがあります。

・澱(おり)を取り除く ― 赤ワインの液中に澱(酒石酸やタンニンの結晶)が含まれているものがあります。長期保管すると底にこれらが溜まっていることが良くあります。

澱を飲んでも害はありませんが、ざらついた口当たりになるので、取り除くことが多いです。取り除く方法として、数日ボトルを立てて澱を瓶底に沈殿させ、液体の上澄みだけをデキャンタに移し替えます。面倒な方は「必殺茶漉し」でも十分です。(こっちのほうがうまくいく)

とはいえ、何でもデキャンタージュしたら美味しくなるというわけではなく、ピノ・ノワール系とか白ワイン、スパークリングには意味がない、場合によっては香りが飛んでしまって、まずくなる場合もあるので注意ですね。

あくまで、タンニンが強い(渋い)、香りが思ったより少ない、熟成されているワインに適用してみましょう。(ワインを購入する際に、デキャンタージュしたほうが良いとか書かれていますので参考に、お店で飲む場合はソムリエさんがちゃんとやってくれます)

 

 イタリア以外のワインのご紹介ですが、今回も山ワインです(笑)

妙見山を少し下ったところにある「妙見の森バーベキューテラス」での大宴会の1本として持参しました。

 こちらはBBQ食材もお酒類、氷なども売っており非常に利便性の高い会場で、酔っぱらっても下りはケーブルで楽チン。我々向きの素晴らしいサイトです。

 ワインはおフランス・ブルゴーニュ・コート・ド・ボーヌ地区のシャルドネです。

「ドメーヌ・モーリス・エカール ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・ペリエール 2018」

約2800円の代物ですが、掘り出し物!

 「モーリス・エカール氏」はサヴィニィ・レ・ボーヌ村において「良質なワインづくりと同義語」と称され、模範となるワインを造ると絶賛されながら、愛好家に惜しまれつつ引退・・、と思われていた氏が密かに白ワインを造っていました。

本ワインはサヴィニィ村の粘土と砂混じりの石灰 質土壌に植えたシャルドネを手摘みで収穫。16℃に温度管理されたステンレスタンクで20日間の発酵。オークの新樽60%、1年使用の樽40%で9ヶ月間熟成し瓶詰めしたものです。

氷で冷やして、BBQしながら皆でワイワイ飲んでしまうには惜しいほど旨かったです。典型的なシャルドネと思わせておいて、すこしまったりして果実味があるのはカリフォルニアっぽいです。本来お魚系が合うのでしょうが、炭火で油の落ちたハラミ肉にも全然問題なく合います。一度お試しあれ!