夜話 2094 「西郷どん」と樋口一葉 | 善知鳥吉左の八女夜話

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夜話 2094 「西郷どん」と樋口一葉 


大河ドラマとやらは あまり興味がない。

ただ「西南の役」にはいささか興味があるので大久保と西郷の決裂近しと聞き先週ひさしぶりにTV「西郷どん」を見た。

 

大久保の外遊中に起きた征韓論のさわぎのところが 当方いつもの好奇心が絡んで気分爽快。

TVでは 倭館の外務係りからの「日本に対する憎しみが激しく」という連絡により「征韓論」が新政府内で起こったとき 「朝鮮には俺が行く」と西郷が断言する場面があった。

 


朝鮮釜山の激しい反日運動の現況を倭館外務係りの広津弘信に伝えたのは 後年樋口一葉の恋人になる少年 半井桃水だった。広津弘信は八女人。

 


広津弘信は長崎の医者だったが当時外務省の朝鮮関係の外務係りとして釜山にいた。  


少年桃水は対馬藩医 半井家の息子であり 家事の朝鮮人参などの漢方薬の仕入れ業務などの見習いとして 少年時から朝鮮で働いていた。

 

少年桃水は朝鮮人等が街頭で強力な反日運動を展開している情報を知り それを広津弘信に伝言したために 維新政府の中で朝鮮への出兵が論じられることになったのだ。

 


西郷の「俺が朝鮮に行く」の一言の意味は今夜の「西郷どん」で解明されるかな。  

「西郷どん」の「征韓論」の中身を原作者林真理子氏は何処まで理解しているかも知りたい。

 

そういえば元久留米藩士の佐田某という元気のいい「征韓論者」が弘信のバックにいたとも聞いたことがある。  


樋口一葉 大好きのこの老人は 半井桃水と八女びと広津弘信との細いつながりのあった「西郷どん」の征韓論に いささか興味を抱いている次第。

 

思えば我ながら好奇心の強いことにあきれている次第。

 

「青春を保つには好奇心旺盛であること」とは先日亡くなった あの西城秀樹君の言葉。


この言葉を唱えながら日々を送ってイマス。

 

今夜は画筆をおいて大河の一支流 ドラマ「西郷どん」の「征韓論」を楽しむことにしている。

 

広津弘信は八女出身の久留米藩儒広津藍溪の血をひく。

明治期の文学者広津柳浪の父であり、広津和郎、広津桃子らに血がつながる人物。

江戸期の太田南畝らと交流のあった雨香園柳浪ともつながる。しかし血のつながりがあるという説は誤りである。

先年 神奈川近代文学館が催した「広津柳浪・和郎・桃子展」のカタログにより弘信の家系が分かった。


                              


 


弘信には『自主之権』という好著がある。

これについては後日触れるつもり。

いささか樋口一葉と縁遠い話になりました。お許し下さい。


 オワビをもう一つ。 

「西郷どん」にかかわりなく 桃水と弘信の一件はすでに2012,年6月18日の夜話1085 と翌日の1086 で触れていました。

6年の歳月で いささか、いや大いにボケました。

深くおわびいたします。