夜話 530 池部良の随筆
俳優 池部 良の死亡は、太宰治、ジャンギャバンの死と同じく大ショックだった。
ベッドにひっくり返って池部のことを偲んでいたら、ふと誰かが池部の随筆について書いていたな?と気になった。
アトリエの書箱をひっくり返すこと一時間。やっと見つけた。
敬愛すること甚だしいと言うとご本人から叱られそうだが、一方的な尊敬だから勘弁してして下さるだろう。
著者は高島俊男。『お言葉ですが 別巻②』の「三十年目のセリフ」だった。
「池部良さんの本を読んで感心するのは、その登場する人物のセリフのうまさである。」から始まっている。
三十年前の小津安二郎監督のセリフを再現する池部の文に高島は脱帽いしている。
高島は 何しろ十年にわたり名随筆を連載しながら どうやら「週刊文春」からポイされた? としか思えない辛口の中国文学者。
『本が好き、悪口言うのはもっと好き』と題したもので講談社のエッセイ賞をとった方。
だから他人の文をめったに褒めない方として有名。
この本探し出したら「お言葉ですが」の全巻と新書などが数冊まとまって出てきた。
ボケ気味の頭の訓練に再読のつもり。
あれッ「池部」のまえに「放哉と山頭火」があり山頭火の「うしろすがたのしぐれてゆくか」についての一文も見つけた。
この句は 善知鳥の探求と推理で現八女市で読んだものと決定した句。
村上護の極め付き。
別巻②は熟読していなかつたか? ボケたか?
いずれにしても池部 良とのご縁。
お礼に 歌「青い山脈」を彼岸にとどけとオラビます。敬称略
写真 上 池部良 下 高島俊男の著書