20年以上も前、奈良に来てちょっと寄り道した、「北山十八間戸(きたやまじゅうはちけんと)」へ久々。
般若寺の近く。
忍性が設立した、ハンセン病患者の収容施設。
それが木造で残っている。
各扉に刻まれる。
全長およそ40㍍の棟割長屋、18室。
これが20年前。
こんなに、きれいになっていた。
忍性は重病の患者を自ら背負い、ここに収容したという。
鎌倉時代の仏教は、法然・親鸞・日蓮・道元などが主役で、その宗派名や主要著作などは、最重要事項である。
彼らの活動に啓発された、いわば「反宗教改革」ともいうべき旧仏教の動きの一つとして、忍性の活動が教科書に載る。
忍性を全く知らなかったので、初めて知った時、衝撃的だった。
忍性とは、鎌倉時代の律宗の僧。号は良観。大和の人。
叡尊に師事してその社会事業を受け継ぐ。
初め西大寺に住し貧民病人を助け、ハンセン病者救済施設として奈良に北山十八間戸を営んだ。
のち鎌倉へ、極楽寺を開基、貧民救済や道路・橋などを行った。
▼江ノ電「極楽寺」駅の目の前が極楽寺。
▼忍性が切り開いたという極楽寺坂の切通
生涯に救った病人は5万人、190以上の橋を作り、70以上の道を開き、掘削した井戸は30余という。
忍性の墓は、鎌倉・極楽寺近くにあるというのだが非公開で墓参はできない。
それが分骨され、奈良・額安寺(大和郡山市)にも墓があることを今回奈良に来て、初めて知った。
忍性の墓所は質素で地味、意外だったが、それがふさわしいか。
左側の最も大きい墓塔が忍性という。
はっきりした表示もなかった。
忍性は、ずっと語り継ぎたい人物。
北山十八間戸が「国宝」になるといいなぁ。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
新拙著PRです!
「負けても負けぬ三十二将星列伝」
(しなのき書房) アマゾンにて発売中! ぜひご一読のほどを!
A5版、256㌻、口絵カラー写真8㌻、写真全150枚、価格1200円(税別)
居並ぶ三十二将星は以下のごとくにて候…
中原兼遠 樋口兼光 佐藤継信・忠信兄弟 曽我祐成・時致兄弟
源義経 平景清 仁科盛遠 香坂高宗
諏訪頼重 板垣信方 鬼小島弥太郎 武田信虎 秋山信友 山県昌景
渡辺金太夫照 武田勝頼 織田信忠 二木重高 小笠原貞慶 芋川親正
薄田兼相(岩見重太郎) 戸田康長 山村良勝 石川康長 小笠原忠真
鈴木伊織 恩田民親 藤田小四郎 高杉晋作 山岡鉄舟
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●