わくわくさんもビックリ!猟奇的人形工作! 『操り人間』 | 蝦夷☆オブ・ザ・デッド

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<あらすじ>
妹を事故で亡くし、心に深い傷を負った画家リリーは、新たな人生を求め小さな田舎町カサダガへと移り住む。
どことなく奇妙な空気の漂う町ではあるものの、新しい生活の中で彼女は徐々に平穏な日常を取り戻しつつあった。
しかし、ある出来事をきっかけに、この町で惨殺されたという少女の怨霊に遭遇したリリーは、事件の真相を暴くべく奔走し始める。
やがて彼女が見つけ出したのは、生きたまま人間の四肢を切断し、操り人形を作るという狂気の「趣味」を持った通称「ゼペット」と呼ばれる殺人鬼だった・・・

<レビュー>
「ムカデ人間を凌ぐ衝撃作!」とありましたが、全く凌いでいませんでしたよ。
どんだけビッグマウスなんだ・・・謝って!いますぐムカデ人間に謝って!
しかもこのお話、なんかデジャブだなぁと思ったら「ゴシカ」に似てますよ、オチも。
邦題「操り人間」も、こっちが操られそうなタイトルで、実際私が操られて借りてるワケなんですが、例のごとく原題には1ナノもかすっていませんよ。

 
カサダガ。舞台となる街の名前です。

ちなみにカサダガ、一発変換で「傘だが。」になりました。
「傘だが、それが何か?」って感じでバカにされたような気分です!
ですが、冒頭で挿入されるエピソードにかなりパンチが効いているので、何となく期待感が高まりますよ。 

 
操り人形で遊ぶ男の子。やがて足音がしてオカン登場。

 
「またドレスなんか着て!!!アホかこの子は!!!」
血気盛んなオカン、怒鳴り散らす。

 
「脱ぎ!いますぐ脱ぎ!男やろ!外出て遊ばんかい!!!」
血気盛んなオカン、男の子のワンピースを切り刻み、お人形を踏んづけ破壊。

 
見るも無残な操り人形の姿。

 
ナイフを手に震える男の子(白ブリーフ)。もしかしてオカンを殺る気か??
カメラアングルがオカンの背中に迫るので、こりゃ間違いないなと思いきや・・・

 
「アンターー!!!!何してくれてんの!!!」

 
なんと男の子は
「男の子はワンピース着てお人形遊びしちゃダメなんだ。だったら女の子になるしかないね☆」と
セルフ性転換手術!

本編はセルフ手術少年とは全く無関係のところから始まります。
主人公リリーは、髄膜炎が原因で聴覚を失った女性。
彼女は障害を持ちながらも、小学校で子どもたちに美術を教えています。
丁寧で優しい指導には定評があり、子ども達の評判も上々。
リリーには飛び級するくらい賢い自慢の妹がいて、両親亡き後は姉妹で助け合いながら生活していました。
しかしある日、妹との会話から彼女がイジメに遭っていることが発覚。
未成年の妹は里親と暮らしていますが、どうやら適切な対応はしてもらっていない模様。
そこで、妹の卒業を待ってリリーが彼女を引き取り、姉妹2人でパリへ渡航して新生活を始めようと計画を立てていました。
パリへ行く日を指折り数え、夢見ながら生活する毎日。
そんな中、妹が不慮の事故で突然亡くなってしまいます。

 
「イヤよ!!!どうして!!!」

生き甲斐を失ったリリーは妹と暮らした地を離れ、亡き母親の母校カサダガ大学に奨学生兼アルバイト講師として通い始めます。
幸い、母親の恩師が下宿場所の提供をしてくれました。
恩師はひきこもりニートの孫と2人暮らし。
孫はなかなか姿を現さないけど特に構わなくて良いよ☆との説明に少し不安を覚えるものの、絵画の創作活動には持って来いの静かな環境、穏やかに暮らすことが出来そうです。

 

妹を失った悲しみからなかなか立ち直れないリリーですが、教え子の父親(バツイチ)が自分に好意を持ってくれ、色々と気遣ってくれるうちに心の傷もだんだんと癒えて来ました。
・・・と言ってしまえば聞こえは良いんですが、その後かなりのスピード展開で生徒の親と深い仲になります。
このあたりは、大半が恋人とのラブラブ会話に占拠されるので、観てるコッチとしては「冒頭のセルフ手術少年の件はどうしたんだよ!!!」とイライラMAX。

ある日、恋人に食事に誘われたリリー、同席していた彼の友人たちに地元霊媒師の話を聞きます。
かなり腕利きの霊媒師らしく、なんとしても死んだ妹と会話してみたいリリーは霊媒師に降霊術を依頼することに。 
この日はダブルデートとは言え、初デート。
初デートで降霊術とは何ともアバンギャルドです。
降霊術では運良く妹が出てきてくれ、降霊機材(胡散臭い)を通して妹と話が出来るリリー。
霊媒師が言うには、霊を見るには視力は必要なく、霊の声を聴くには聴力は関係ないそう。
リリーが聴覚障害者なので、いささかとってつけたようなセリフにも感じますが、ここではスルーすることに致しますよ。
妹と涙の再会を果たすリリー。
しかしここで全く部外者の怨霊が横槍を入れて来ましたよ。
発狂しそうな金属音を発し、怨霊はリリーに向かって何かを訴えかけて来ます。
断片的な映像、音。
リリーは耐え切れずに卒倒してしまいます。
それからと言うもの、毎日のように何者かの気配を感じたり、悪夢を見るようになってしまいました。
オマケの怨霊が憑いてきてしまったのでしょうか。

リリーは自分が見たこと、感じたことを恋人に話しますが、霊媒師をインチキだとはなから決めてかかっている彼にはあまり信用してもらえません。
そればかりか、「医者行こう」と言われてしまいます。
オツムの具合を疑われているワケですね。
オツムは正常で嘘もついてない!と言い張るリリーに恋人は「あーハイハイ疲れてるのね」と言った感じです。
そんなある日。
リリーが自宅で牛乳を飲もうとしたら、パックの中に大量の蛆虫が混入されていました。
もちろん嘔吐リバースのリリー。
リバース中の彼女の前に、ダメ押しのように冷蔵庫から怨霊が現れます。
リリー大絶叫。
恋人が心配して様子を見に行きパックも調べますが、牛乳に異物は見当たらないとのこと。
ますますオツム加減を心配されてしまいます。
「絶対蛆虫居たって!冷蔵庫の中に怨霊も居たって!信用してよ!!!」
パニック状態の彼女は絶叫し、喀血。
すると、なんと血ゲボの中に大量の蛆虫がいましたよ。
にわかに信用し始める恋人。

 
「目の前で大量の蛆虫を吐いたんだ!」

なんともダイレクトテレショッピングな説明で、霊媒師に降霊のアフターケアを依頼します。
アフターケアで「怨霊が望みを聞いてもらいたがってる。その望みを叶えない限り、彼女はアナタから離れない」と言われてしまうリリー。
彼女は怨霊のニーズに応えるために、憑かれた時に見せられた断片的な映像の解明に乗り出します。

その頃、ある地下室では恐ろしいことが行われていました。
ジョギング中の女性を狙い誘拐、そして手足の関節を一旦切り離し金属の関節を取り付け、再び身体に繋ぎ戻す・・・生きた操り人形制作が着々と進行中。
 
 
いっかい取って、

  
また付ける。

 
リアル操り人形のできあがり!

わくわくさんもビックリの猟奇的工作です。

 
「つくってあ・そ・ぼ☆」

リアル操り人形職人であるサイコキラーですが、ところどころつぶやくセリフから、どうやら冒頭のセルフ性転換手術少年だと言うことがわかります。
あーやっと繋がった。長かったよ!

一方、リリーの調査の進行状況ですが、過去の新聞記事から、現在自分が世話になっている屋敷にかつて下宿していた奨学生がジョギング中に行方不明になっていたこと、しかも、屋敷に住む恩師の孫が事件の容疑者にされていたことを知ります(証拠不十分で釈放と推測)。
更に、怨霊に見せられた断片画像を得意の絵画でまとめてみたところ、ある場所が浮上してきましたよ。
 
  

場所はなんと、屋敷に隣接する温室でした。
温室は南京錠でガッチリ施錠されています。
意を決して鍵を破壊、おそるおそる中に踏み込むリリー。
しかし、あれれ???
中はマリファナのハッパだらけだよ!
劇中で恩師(婆ちゃん)がマリファナを吸う場面があるんですが、あれ自家栽培してたんですね。
ダメじゃん!恩師(婆ちゃん)!
拍子抜けするリリーですが、ここでなんと地下に通じる通路を発見。

 
 
果たしてリリーは、ここで犯人と対面するのでしょうか。
怨霊のニーズに応えることが出来るのでしょうか。
真犯人は屋敷に住むひきこもりニートの孫なんでしょうか。
それとも・・・?

途中で恋人がリリーに三行半を突きつけるんですが、その理由がもうヒドイ。
恋人はバツイチ娘ひとりで、元妻と娘の親権をめぐって係争中でした。
しかし、どこで調べたのか、元妻サイドから「アンタ、オツムの残念な女と付き合ってるんだって?娘の親権は当然妻側ね」と言われてしまいます。
「ごめん!頭のおかしい人と付き合ってたら娘取られちゃうから!さいなら!」
・・・チーン。終了です。
あれだけ世話焼いておいて、あっけなくピリオド。
まぁ、子どもは大事だね。しゃーないか。

追記:この映画には催眠効果がある模様です。恋人ラブラブシーンが長くて、一度椅子から落ちました。

<超主観的評価>
ストーリー★ スリル★★ テンポ★ バカ★★ グロ★★
総合★★

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