仕事の早いゾンビ菌 『ギリシャ・ゾンビ』 | 蝦夷☆オブ・ザ・デッド

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蝦夷の片田舎より分析しない掘り下げない脱力バカレビューをお届け(ホラー多めほぼネタバレ)


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<あらすじ>
誰も踏み入ったことのない洞窟を調査中、何者かに襲われた考古学者たち。
命からがら逃げ帰るも、何故かその時の記憶をなくしている。
その後、何事もなかったように日常生活を続けるかのように見えたが、ある時を境に、ひとり、またひとりとゾンビへと変貌していき、家族や友人を容赦なく襲いはじめる。
感染により、街はあっと言う間にゾンビで溢れかえる地獄絵図に。
生き残った人々は結束し、生存への道を探すべく逃亡を続けるが・・・

<レビュー>
調査隊が洞窟に入り世間話をしています。
「今夜はサッカー観戦だ」
「今日はパーティーいかなあかんねん」
そんな他愛のない話をしているのですが、この流れからして
『多分こいつらココで全滅でサッカー観戦もパーティーもなしだな!Hahaha!』
と思っていました。
・・・が、しかし。
洞窟内で何者かに襲われたかと思いきやいきなり暗転、舞台はそれぞれの生活場面に移ります。

 
調査隊員のひとり(ハゲ)
娘に頭を撫でられつつ自宅でくつろぎほっこりタイム

どうやら皆さん、洞窟からどうやって脱出したか全く記憶がないご様子。
しかし、そんなことには1ミクロンも言及せずに、家族や友人と普通に会話しています。
その後、時間が経つにつれ、だんだんと様子がおかしくなっていきます。
なんだか上の空でボケた爺さんよろしく同じことを何度も言い、家族に冷たくツッコまれたりしています。
ある隊員は自宅で、ある隊員はパーティー会場で、ある隊員はサッカースタジアムで。
上の画像のハゲ父さんのお宅では、父さんが食事中にプルプルし始めたため、母さんが焦ります。
「あららお父さん大変!おーい!お茶!」
食事をノドに詰まらせたと思い込み、娘に飲み物を持って来させようとします。
しかし、用意する間もなく・・・
「ンゴァァァァ!!!」
ハゲ父さん発狂、いきなり母さんを押し倒し・・・
喰らいはじめます。
他の調査隊員も然り。
サッカースタジアムで友人と恋バナをしていたはずなのに、いきなりの友人喰い。
パーティー会場も阿鼻叫喚の地獄絵図に。

ハゲ父さんの娘は親父の追跡から逃れ、助けを求めた隣のお姉さんと一緒にひたすら逃げます。
このお姉さんがこの状況下で無駄にポジティブで噴きました。

 
「どこに行けば助かるかわからないけど、とにかく行かなきゃ」

 
「今日はジムの日だしね☆」

・・・行くのは勝手だけど、ジムのトレーナーさんもかなりの高確率でゾンビだと思います。

一方、パーティー会場でゾンビ゙化した隊員の彼女は、事が起こる直前に会場で隊員とケンカ別れしたため、運良く難を逃れていました。
パーティー会場が阿鼻叫喚になっているとは露知らず、会場外で客待ちしていたタクシーに乗り込みます。
しかし、このタクシー運転手がどうにもこうにも変態で。
ゾンビと二択なら変態のほうがましかも知れませんが、出会って早々なのに繰り広げられる馴れ馴れしいトークが秀逸です。

 
「キミの瞳は魅力的だ」「・・・・・・・。」


「照れるなよ。ホントは俺に夢中なんだろ?」「・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・あんたバカ?」

 
「悪態大好き☆もっと言え」

バカと言われバッサリ斬られておきながら全くめげてません。
他の生存者と合流して逃げる時も、トンチンカンなことしか言わないために誰からも相手にされません。

 
「そうだ☆ゾンビ小説読んだことある!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

あまりにも相手にされないので、構ってもらおうと嘘泣きまでします。
慌てた女性が優しい声をかけますが・・・

 
「泣かないで。でもあなたも悪いのよ(バカな発言ばかりだから)」


「キミに頼みがあるんだ(嘘泣き続行中)」

 
「なに?言ってみて」

 
「足を・・・足をナメたい。」

 
「ハァ?なんですって?」


「頼むから足をナメさせてっ!!(キリッ)」

こんなヤツ、ゾンビの群れにジャイアントスイングで投げ込みたいところですが、なにせこの異常事態、生存者同士協力して逃げねばなりません。

逃走中、他の生存者たちと合流しつつ、出くわしたゾンビの群集と戦いを繰り広げるのですが、レストランでの戦闘が実にすばらしい。
会計士の女性がカンフー使い(師範代クラス)です。
怖いとか家族がどうのとかおセンチなことをつぶやいていた他の生存者たちも、チートよろしく覚醒、ゾンビたちを片っ端からぶっ飛ばし始めます。
しかし、多勢に無勢、お仲間たちが何人か犠牲になりいよいよ追い詰められていくわけですが、ひとりの男性がものすごい自信たっぷりに「こっちだ!」と皆を誘導していきます。
その場所が、あろうことか、サッカースタジアム。
感染拡大した元凶である場所のひとつです。
一体、どんな根拠でなにひとつ隠れる場所のない見晴らしの良い見つかり放題のおっぴろげスポットを選んだのか。
当然ながら、スタジアムの外を闊歩してらしたゾンビの皆さんが大挙して押し寄せて来られます。
サッカースタジアム、再び満員御礼!
その様子を空からのアングルでカメラが捉えます。
・・・うん?
・・・これは!この感じは!
・・・ヘリ来る?来るんでしょヘリが?ねえヘリは???
心臓バクバクさせつつヤキモキしているうちに・・・

まさかのエンドロール。生殺し!

この作品のゾンビ、感染→発症(ゾンビ化)が異例の早さです。
ロメロゾンビをスタンダードとすると、噛みつかれてからゾンビ化するまでタイムラグがあるもんなんですが、ここのゾンビは仕事が早いです。
ガブリとやられて即行ゾン友。
ひとり、「腸が出てるのがイマイチ理解できないんだけど」と言う表情のゾンビの方がいらっしゃいましたよ。
あと、そもそも調査隊が入った洞窟は一体なんだったのか。
全く触れられてません。もう、なかったことレベル。
しかしながら、ゴアシーンがキッチリしておりコメディ要素も多分にあり、なかなかの秀作かと思います。
で、なんで「ギリシャ・ゾンビ」かと言うと・・・

ギリシャが舞台です。シンプルイズベスト。

<超主観的評価>
ストーリー★★★ スリル★★★ テンポ★★★★ バカ★★★★ グロ★★★
総合★★★★


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