子役の顔が西遊記 『オテサーネク 妄想の子供』 | 蝦夷☆オブ・ザ・デッド

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蝦夷の片田舎より分析しない掘り下げない脱力バカレビューをお届け(ホラー多めほぼネタバレ)

一見ちょっと美少女に見えるこの女の子、実は・・・   
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<あらすじ>
ホラーク夫妻には子供が出来ない。
検査の結果、夫に身体的な原因があることがわかる。
産婦人科から失意を抱えて帰る2人の前に、ボール遊びをしていた少女が飛び出してくる。
彼女の名前はアルジュビェトカ。
ホラーク夫妻の住むアパートの隣人、シュタードレル夫妻の1人娘であった。
ホラーク夫人はアルジュビェトカを羨ましそうに見つめる。
シュタードレル夫人はホラーク夫人をなんとか慰めようと、週末、山小屋へと誘う。
子どもを諦めきれないホラーク夫人は、赤ちゃんが生まれたら着せようと思っていた産着や肌着を旅行用の鞄に詰め、涙を流す。
それを見た夫は、妻の気をひこうと、木の切り株を赤ん坊の形に削り人形を作る。
妻は目を輝かせて切り株に駆け寄り、まるで生きている本物の赤ん坊のようにかいがいしく世話をし始める。
妻の異常な行動に驚愕する夫。
なんとか妻に正気に戻ってもらおうと、「子供が突然現れるのは変だから山小屋に置いていこう」と誤魔化す。
次の日、ホラークはシュタードレル夫人に「おめでとう」と言われる。
なんと、妻が妊娠したことを報告しに来たというのだ。
慌てたホラークが妻を問いただすと、彼女は平然としてお腹に入れるためのクッションを夫に見せる。
臨月になるまでの9ヶ月分のクッションを用意していたのだ。
こうして産む準備をすれば、週末だけでなく頻繁に子供(木の切り株人形)に会えると言う妻に夫は言葉を失う。
偽装妊娠は次第にエスカレートし、遂にはつわりや陣痛まで起こる。
痛みを堪えながら山小屋へ急ぎ、切り株を抱きしめる妻の姿になすすべのないホラークは、一人アパートに戻り、シュタードレル夫妻とアルジュビェトカに、病院で男の子が産まれ
「オティーク」という名前をつけたと嘘をついてしまう。
その名前は、チェコの民話「オテサーネク」から連想してつけた名前だった。
そして、生命を持った木の切り株人形「オティーク」がその後引き起こす惨劇は、想像をはるかに絶するものであった・・・


<レビュー>
ヤン・シュヴァンクマイエル監督の手にかかれば、食べ物さえグロい。
ドロドロスープ接写。
てらてら光る半熟目玉焼き。
それをすくうスプーンや、食べる唇、舐め取る舌。
何もかもがねばっこい。
照り加減が
内臓みたいにグロい。
それを喰らう人間もまたグロい。
そして、

出演俳優の顔の怖さで、グロさ更にパワーアップ!
ワジワと精神を蝕んでいくようなどうしようもない気持ち悪さ。
誰もが体験しうる、身近な気持ち悪さ。
監督の作品はどれも一筋縄ではいかないような強烈な毒気を含んでいます。
この作品はその中でも中級クラスといったところでしょうか。
これでも中級。
とにかくシュールで、オーソドックスなホラーよりずっと怖いかも知れません。
しかし何が一番怖かったかって、
ホラーク夫妻のお隣さんの1人娘アルジュビェトカのビジュアルが・・・

 
・・・・・・・・!!!
猪八戒!!??

 

 
 誰が西田敏行じゃボケ!!!

DVDのパッケージの少女と同一人物とは到底思えませんね。
ホラーを観ていると、かなりの確率でパッケージの人物イメージが本編とは激しく異なると言う現象に遭遇します。
ひどい時は
パッケージの人物が本編のどこを探しても出てこないということも。
二重の意味でホラーですね。

ホラーク夫人の暴走ぶりも怖いです。

 
「フフフ☆授乳中☆」

切り株人形に乳を含ませるホラーク嫁。
だれかこのキチガイ人を病院へ連れて行ってあげて!

しかしなんと切り株人形は、ホラーク嫁の乳をほんとうに吸っているではありませんか。
嫁の怨念か、はたまた悪霊か、単なる木の切れ端だった人形に生命が宿ったのです。
人形が泣きます。
「オギャー!」
ちゃんとした、赤ちゃんの声。
それがまた・・・キモッ!
言っておきますが、赤ちゃんの声がキモイのではありませんよ。
こんなヤツがカワイイ赤ちゃんの声で泣いてるから、背筋がうすら寒くなるんです。

 

ちなみにこの場面、腹が減り過ぎてホラーク嫁の髪の毛を喰うところです。
焦って嫁が引っ張っても、母親ごと飲み込む勢いで毛を飲み込む切り株赤子。
歯がなんかすんごいイヤ。
しかも、この口からたまに眼球がギョロッと覗いたりします。
ホラーク嫁、しまいにはロングヘアをハサミでバッサリ、そして一言。
「オティーク(切り株赤子)がショートにしろって。彼の好みで切ったワ☆
ショートにしろなんて誰も言ってません。
もう、完璧にお脳に虫が湧いてきてますね。
だから誰か早く病院に(略
明らかにノイローゼの嫁を放置の夫。
もとはと言えばお前がこんな感じで人形作って持って来たんとちゃうんかい。

ほぅら、息子のオティークだYO!
   
「息子のオティークだYO☆ちょっとすね毛が多いけどキュートだろ?」

何度も言うが、顔、怖いわ!

生命を持った切り株赤子のオティークを、ホラーク夫がオノで殺そうとします。
「化け物め!!!」
しかし、完全に母親モードにスイッチ入っちゃったホラーク嫁、
「この子を殺すなら私を殺してぇぇ!!!」
と、半狂乱で立ち塞がります。
・・・夫、あっさり諦める。
で、夫婦でかいがいしく切り株赤子オティークの世話を焼き始めます。

離乳食も手作りよ♪   
食育だって、手抜かないんだから☆

おむつを替え、切り株赤子の股間に大量のシッカロールベビーパウダーをはたく嫁。
これからカラッと油で揚げるんですか?と質問したくなるほど粉はたいちゃってます。
食事だって手作り離乳食です。
しかし、だんだんデカくなる切り株赤子、食事の量が尋常じゃなくなっていきます。
哺乳瓶数十本じゃきかなくなり、大鍋いっぱいのおかゆでも足りなくなる。
そして遂には・・・飼い猫を喰います。もう、立派に離乳。
猫と暮らしている私、このあたりでもうムカムカしてきました。
喰い殺すシーンは映ってませんが、残骸はアバラ骨までクッキリしっかり、
その生々しいことと言ったら・・・
その後も切り株赤子の食欲は無限大になり、ホラーク夫婦はやつれながら食料を調達しに行きます。
カバンいっぱいの肉のカタマリ。
スーパーのベビーフードも、大人買い。
もう経済的にも絶対破綻してます。

切り株赤子、成長と共に当然スキルアップします。
郵便屋さんが来たらドアも開けちゃいます。
で、ついでに郵便屋さん食べちゃいます。
遂に人間にまで手を出してしまった切り株赤子。
ホラーク嫁、
「警察につかまったら、オティーク(切り株赤子)は施設に入れられちゃうわ!」
と、泣きそうです。
どの施設でも拒否られること確実だから安心しろと言ってあげたいです。
結局、ホラーク夫妻はアパートの地下に切り株赤子を監禁します。
夫妻の怪しげな行動に不信感を抱いた隣人の娘アルジュビェトカ(さっきの猪八戒)、追跡の末に地下の切り株赤子を
見つけてしまいます。
不思議なことに、人間も食べる究極の雑食性の切り株赤子が猪八戒にはなついてしまうのです。
「食べる前には手を洗うのよ!汚い手でごはん食べたら肝炎になっちゃうじゃないの!」
切り株赤子にマナーを叩き込む猪八戒
枝だらけの赤子の手、せっけんで洗ってます・・・

その後も無限大の食欲でいろんなモノ(人も含む)を飲み込んでいく切り株赤子オティーク。
怪物と化してしまったオティークの暴走、果たして止めることが出来るのでしょうか・・・

妊娠、育児中の方は要注意!
クレイアニメで有名な監督だって言うから、きっとステキなファンタジーなんだろうな☆なんて呑気に構えてたら、間違いなく
気持ち悪くなっちゃいますよ。

<超主観的評価>
ストーリー★★★ スリル★★★★ テンポ★★★ バカ★★★ グロ★★★★
総合★★★★


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