登場の仕方が変態おじさん 『キャンディマン』 | 蝦夷☆オブ・ザ・デッド

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蝦夷の片田舎より分析しない掘り下げない脱力バカレビューをお届け(ホラー多めほぼネタバレ)

ミツバチハッチとおともだち   
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<あらすじ>
時代は19世紀、 ある黒人画家がおりました。
彼は教養も才能も兼ね備えた前途洋洋な若者でした。
しかし、彼の運命は悲惨な結末を迎えることになります。
領主の娘と恋仲になり、娘が妊娠。
それを知り、怒り狂った娘の父親に刺客を差し向けられ惨殺されてしまいます。
その殺され方は想像を絶するものでした。
画家の命である絵筆を持つ右手を手首からゴリゴリ切断。
更に、全身にハチミツ塗ったくられる。
ハチの大群に襲われる彼、くまのプーも真っ青です。
あえなく彼の命は奪われてしまいます。
そして、現在。
惨殺された黒人画家は「キャンディマン」と呼ばれ都市伝説化、人々の間で語り継がれておりました。
「鏡に向かって『Candyman』と5回唱えれば、ハチの羽音と共にキャンディマンが現れる。切り落とされた手にはフック船長のようなカギ爪が。そして彼の姿を見たものはそのカギ爪で切り裂かれ必ず殺される」
しかし、いかに恐ろしい存在と言えども、所詮は実体の不明瞭な都市伝説。
人々が語り継ぎ恐怖に慄かない限り、全く価値のない脆弱な存在です。
そこで彼は、たまに罪もない人々を惨殺しては自分の存在をアピールしておりました。
そんなキャンディマンの細々とした地道な活動をいともあっさり否定したのは、大学院生のヘレン。
事実に基づいて都市伝説を解明しようと、研究テーマとして取り上げ、調査を始めました。
このヘレンさん、院生なんですがダンナもおります。
女子大生で人妻、ひとつぶで二度おいしい存在です。
彼女はまずとっかかりに、キャンディマンの仕業だと噂される猟奇殺人事件の調査に乗り出します。
親友の女性と2人で事件現場の低所得者公団へ。
たむろしている黒人の少年たちに「アンタらサツだろ」などと軽くちょっかいをかけられながらも、事件のあった公団の一室へ立ち入ります。
まがまがしい雰囲気を感じつつも、それを否定しながら調査を進めるヘレン。
そんな彼女に次から次へと想像を絶するショッキングな出来事が起こり始めます・・・

クライヴ・バーカーの短編小説「禁じられた場所」の映画化作品。

<レビュー>
キャンディマンが黒人画家という設定が関係するのか、ちょっとアートな雰囲気漂う作品だと思いました。
公団の壁の落書きもそんじょそこらの
「夜露死苦」レベルじゃないです。
そのまんま新鋭画家のアート展になりそう。
また、キャンディマンがシビレル。衣装もステキ。

 

このキャンディマン、「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド 死霊創世記」でおなじみのトニー・トッドが扮してるんですが、私、個人的にファンなのでかっちょ良過ぎで全く怖くありませんでした。
トニー、
「案山子男2」なんかに出てる場合じゃないよ。

 
チェックのネルシャツ、イヤッ!!!(案山子男2)

キャンディマン、ヘレンさんが都市伝説の研究に乗り出した途端「おれのコトを勝手に解釈すんなよな」と言わんばかりの文句タレタレで頻繁に出没、しかもなにやら彼女に色仕掛けまがいのセリフをささやきます。
「おれのモノになれよ」
思わず「うんわかった!」と即答しそうになるほど魅力的です。
でも、登場する時に
ロングコートの前はだけるのやめてくれ。
身体中にハチがたかっているちょっと変わった様子をアピールしたいのはわかるんですが、その姿どう見ても「ほーら見てごらん」なんですもの。

 
「ほーら見てごらん☆」

都市伝説調査に乗り出して以来、いいコトなしのヘレンさん。
ニセキャンディマン(普通の黒人兄ちゃん)が出てきて、バッチイ便所で殴られて失神したり、ダンナにラマン(愛人)の影がチラついたり・・・天冲殺級です。
とりあえず
あんな汚い便所で倒れて失神したくありません。
それに追い討ちをかけるかのようなキャンディマンの脅し。
以前、公団へ調査に乗り出した時に協力してくれた黒人女性の飼い犬が惨殺され、彼女の1人息子(赤子)が誘拐されてしまいます。
キャンディマンに図られてその場に居合わせたヘレンさんが重要参考人に。
証拠も動機も不十分なので一旦自宅に返されるヘレンさんなんですが、その後はもう散々。
親友の女性までキャンディマンに殺されてしまい、またもやヘレンさんに殺人容疑が。
それもその筈、キャンディマンはヘレンさんの目の前で親友を惨殺、スマートに去って行き、残されたヘレンさんの手には、なんともまたご丁寧に凶器が握らされている。
キャンディマンの姿はヘレンさんにしか見えない。
ダメ押しに、ダンナのラマン(愛人)疑惑もついに確信に。
ヘレンさんはとうとうブチ切れてしまい、精神鑑定へ回されてしまいます。
精神鑑定の担当ドクターにキャンディマンの存在を信じてもらうため「キャンディメェン(発音良し)」と、5回唱えるヘレンさん。
呆れ顔のドクター。
明らかに「この人ちょっとアレだよね」って顔に出まくりです。
精神科のドクターがそんなことでいいんでしょうか。
そんなドクターも、「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」とばかりに現れたキャンディマンがあっさり殺してしまいます。
車椅子に縛り付けられていたヘレンさんは拘束を解かれ、窓から外へ逃げ出します。
かくして自由の身となったヘレンさんは、例の公団へ走ります。
最初に調査に乗り出した部屋で「待ってたぜ」とばかりに現れるキャンディマン。
ヘレンさんは、誘拐された赤ん坊を返して欲しいと懇願します。
ここで驚愕の新事実が明かされます。
キャンディマンは只単に、都市伝説を調査していたヘレンさんが邪魔でしつこくストーキングしていたわけではなかったのです・・・
ヒントは「キャンディマンの伝説の由来」。
途中まで観て、ピンと来る人にはピンとくる。
しかし、全部観終わった私の感想は一言
「ヘレンの旦那ムカつく」

ラスト、そのアホ旦那が受ける仕打ちに注目です。

<超主観的評価>
ストーリー★★★ スリル★★★ テンポ★★★ バカ★ グロ★
総合★★★


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