やっと自分の中で
それが日常となり始めたから、
書こうと思う。

8月10日
29歳にして人生で初めての
一人暮らしが始まった。

東京に上京してきてからも
ずっと姉と住んでいたから、
一人きりになるのは初めてだった。

姉との同居を卒業し、
一人暮らしをすると決まった最初は、
ワクワクしていた。
全てのチョイスが自分次第で、
自分だけの場所とかどんな街に住もうとか、
夢は膨らむばかりだった。

でも、いざ家を探す動きを始めたら
目の前に見えてくるのは、
楽しみな未来より、"現実"
膨らむのは、ワクワクじゃなくて不安。

一人暮らしをシミュレーションしては、
夜が来るのが怖くなって、29歳にして
恥ずかしいけれど、
とにかく不安で落ち込んだりもした。

それでも、今が私が本当の意味で
私として生きていくチャンスだと
思っていたし、乗り越えたいと思っていたから
なんとか引っ越しに至るまでの
あらゆることを乗り越え、

不安で落ち込んでる割には

めちゃくちゃ効率よく
ミッションリストをどんどんクリア
して行って、無事に引っ越し当日を迎えた。
(今、姉も引っ越しのことをやっていて
比較して気づく、自分の性格。引っ越しって
めっちゃ性格でそう。)

そのあらゆることの中には、
人生で初めて経験することが山ほどあって、
引っ越すまでにやらなきゃいけないことも
山ほどあって、

不安だったからこそ、
それらが一個一個達成されていく過程を
ちゃんと踏みしめて、
これできたね、あれできたね、って
言い聞かせながら、進んでいった。

そして、引っ越し当日。
母が東京に来てくれていたので、
手伝ってくれて、引越しはなんとか
無事にできた。母がいなかったら
もっと心細かっただろう。

でも、引っ越したばかりの私の家では
母は寝られないから、
元のお家で母も姉も夜を過ごす。

私は新居で一人、初めての夜。

私自身が、この家を出なければ、
誰にも会うことはできないんだ。
そんな気持ちになった。
もちろん家を出たり、連絡したり、
呼べば人には会えるのだけれど、
なぜかすごく 一人 だということが
フォーカスされて、初日の夜から
数日間は、とにかく寂しかった。

寂しい夜には沢山思考は巡り、
一人暮らしを初めて、一人になって
改めて、
私はこれまでの暮らしの中で
沢山の安心をもらっていたんだということに
気付かされた。

帰ってくるのが遅かろうが
朝になろうが
姉はこの家に帰ってくる。
それが私の心をどれだけ安心させて
くれていたか。

嫌なことがあった時、泣きたい夜に
泣かない強さを持つ理由が
姉との暮らしにはあった。
そして、
思わず泣いたとしても、
それを時には何も言わずに
時には大丈夫?と言ってくれる存在が
無条件にいることが何度私を救ったか。
ある日、私が寝る間際、
耐えきれずひっそりと泣いていた時、
姉が帰ってきてバレるのが嫌だったから
がちゃっと鍵の音が聞こえた瞬間に
涙を拭って、いつも通りにおかえりって
迎えたら、姉が「泣いてた?」と
聞いた日があった。

その時私は、すごくありきたりな理由で
泣いてなかったことにして、
姉もそれを受け入れてくれたけれど、
そうやって、姉にバレたくなくて
涙を我慢できる環境にも、
実は救われていたし、
泣きそうな夜に姉の存在があること自体に
本当に助けられていた。

誰に話す必要もないような些細な
出来事も、一日中、思いつくたび
連絡を取り合って、
家に帰ったらその日のことを
ダラダラ話す。
時には真剣な話や、
私の話に対して姉が厳しい意見を言う事も
あったけれど、そんな時間も
私にとっては前に進むのにすごく
大切な時間で、
迷いやすい私にとって重要な話し合いだった。

姉の分の洗濯をするのも
嫌いじゃなかったし、
食べっぱなしの食器を仕方ないなぁって
洗うのも、やりがいがあった。

収入が不安定な生活の中で、
姉はいつでも、どしんと私を養う
覚悟を持っているようだったし、笑
二人でご飯に行くと奢ってくれる事も
多かった。

書き出したらキリがないくらい
その全てのことがあって
私は日々安心できる生活を送ることが
できていたのだなと感じた。

これからは、
自分を安心させられるのは自分。

大人になれば、当たり前のことなのだろう。
でも私にとっては初めての経験。
だから、私はそれを今までも
すでに当たり前としてやってきた人の
ことを心底尊敬している。

一人暮らしの生活も2週間が過ぎた。
慣れてしまう事も寂しくて、
それにも抗っていたけど、
いい加減慣れてきている。

引っ越してから私って本来
こういう生活がしたかったんだなぁ、
が沢山見えてきて、
平気で昼まで寝る事もあったけれど、
一人暮らしになってからは、
アラームより前に目が覚めて、
朝ごはんを食べて、掃除、洗濯。
2週間毎日やっている。
寝る前にはストレッチして、マッサージして
いい匂いを枕元に振り撒いて寝る。
別に今までもできた事なのだけれど、
私のリズムで全てが回るこの家は
なんて居心地がいいのだ、
と思っていて、笑える。


諸々の請求がくる日が怖過ぎて
今はめちゃくちゃ節約しながら、
様子を見て生活している。
そして、その面でも、変化があって、
私の責任は私が取らなければいけないから、
めちゃくちゃ必死に働いてる。
大人としての当たり前を当たり前に
思っていなかったことにも
沢山気付かされて、意識改革がすごい。

私ってどういう人間なのか
よく分からないなと思う事も
今まではあったけれど

この一人暮らしによって
私がどういう人間なのか、
一つ一つ選んで生きていく事で
よく分かるようになってきた。

まだまだ完成してないお部屋だけれど
そこは私の場所で、
私を守ってくれる安心できる場所にも
なりつつある。

最初の数日間は、寂し過ぎて、
人生で初めてKPOPのBGMを
結構な音量で流して気を紛らわせたり
一人で机もないお部屋で
お酒を買って飲んで
さっさと寝てしまおうって思ったりも
したのだけれど、

今は、規則正しい生活の積み重ねと、
やることを終えて迎え入れてくれる
私のお家の温かさに感動しつつ、
穏やかな気持ちで眠りについて
やるぞって気持ちで朝目覚める、
健やかな生活を送っている。

これからも一人暮らしの中で、
沢山の初めてに出会うだろう。

一つ一つ、ちゃんと経験して
もっと私を確立していきたい。
安心を作り出していきたいと思う。

これまでの沢山の安心に感謝して。
姉との安心できる時間は、これからは
自分で作りに行こうと思う。

思い切るが吉!