おすすめ本紹介『1945,鉄原』
山内図書館「スタッフおすすめの本」です。
ティーンズのみなさんにおすすめの一冊を紹介しています。
今回はこちら!
『1945,鉄原』
イ ヒョン/著
海島千本/イラスト
影書房
ある国のある時代のことを知るには、そこで生きていた人たちの想いを知ることが大切だと考えます。本をそれを助けてくれます。この本もそうでした。
1945年8月15日から話は始まります。日本では「終戦の日」ですが、この日は朝鮮半島の人々にとっては「開放の日」でした。朝鮮半島で育った若者が、この日をどんな想いで迎え、この日からどのように生活していったのか、正直想像したことがありませんでした。
中心となる登場人物は4人、小間使いとして屋敷に仕えてきた少女、大地主の末っ子でありながら平等な社会を夢見る少年、身分を失うのが耐え難い両班家(貴族階級)の少女、奴婢(奴隷階級)出身の少年。
それぞれ育ってきた環境や考えに違いがありますが、時代の波にもまれながら懸命に生きていく姿には心を打たれます。