交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、得意先や仕入れ先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であるとされています。
 この度の改正で飲食接待費に係る損金算入の特例と中小企業に係る損金算入の特例の適用期限が3年延長されるとともに、損金算入が可能な飲食費上限の引上げが行われました。


①交際費等の範囲から除外される飲食費の金額基準が1人当たり1万円以下に引き上げ
②下記特例適用の措置が3年間延長
 ・飲食接待費の50%損金算入の特例
  (期末資本金100億円以下の法人が支出する交際費等のうち、飲食接待費の50%相当額以下の金額を損金算入できる特例) 
 ・中小企業の定額控除限度額の特例(年800万円まで全額損金算入可)


 期末資本金の額が1億円以下の法人は年間800万円を超えない限りは交際費として会計処理をしていても損金不算入になることはありませんので、今回の改正は定額控除を適用できない期末資本金の額が1億円を超える法人のメリットが大きくなると考えられます。

 ①について基準額が1人当たり1万円以下に引き上げられたこと以外に見直しは行われていません。また、①の対象となるには次の事項を記載した書類の保存が適用要件となります。
・飲食等のあった年月日
・飲食等に参加した得意先名
・飲食等に参加した人数
・飲食等の店名や所在地

 改正の適用時期は令和6年4月1日以後の飲食費としての支出とされています。同日前に支出した飲食費については、1人当たり5,000円以下の飲食費であるか否かで損金算入の可否を判断します。
 クレジットカードで支払った場合は「飲食の行為があったとき」に飲食の事実があったものと取り扱われます。令和6年3月の接待時に飲食代をクレジットカードで支払い、引落しが同年4月のケースでは改正前の5,000円基準での判断となりますのでご注意ください。


 交際費については経費計上の際に迷うことも多く、本来は交際費として処理する必要のない費用が間違って処理されてしまっていることもあります。福利厚生費(社員旅行等の社内行事や従業員への慶弔費)、会議費(会議の会場使用料や弁当等の飲食費)、広告宣伝費(不特定多数の者へのカレンダー、手ぬぐい等)、これらの支出については認識の違いや間違いも多く見受けられるように思います。今一度確認し交際費等正しく経費計上、損金計上ができるように注意が必要です。

(篠崎)

 

 

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