先日のワックスポッティング是非論
に続いて PU のカバード vs アンカバードについて考察してみます。
そもそも PU にはなんでカバーがついてんの?って話なんだけど、まあ、歴史的経緯は知らなくとも大体想像通りと思います。
コイルを保護するためとハムバッカーの金属のは電磁波のノイズを抑えるため。とのことです。付随した都市伝説みたいなのは色々あるんだけど、まあ基本的にはこの2つなんだろうと思います。
で、その副作用が問題。
こちらのとある PU 工房のブログにカバーにより音質が「少し暖かくなる」とあります。
早い話、ハイ落ち。まあ、これは必ずしも悪いこととは限らないです。ズージャーとかやるならその方がいいですし。
おそらく銅箔やアルミ箔をザグリやピックガードに貼りすぎてハイ落ちするのと同じ原理なんじゃないかな。なんて思ったりする↓
そしてポッティングしてない場合は大音量時カバーが振動を拾ってハウリングしやすくなります。
その辺は「ワックスポッティング是非論」に書いたのでご参照いただければと思います。
よく YouTube とかに「Covered vs Uncovered」みたいな比較動画あるんですけど、これら厳密な比較じゃないんでいまいちわからないんです。
なぜかと言うと、カバードの状態には3つあるからです。すなわち↓
1.ワックスポッティングされてないコイルとそれにカバーをつけただけもの
2.ワックスポッティングされたコイルとそれにカバーをつけただけのもの
3.コイルにカバーをつけた状態で全体的にワックスポッティングされたもの
ちゃんとABテストするなら、#1と#2ではカバーの有無での比較、#3なら#1で比較しなければ正確な実験とは言えないと思います。
ちなみに作りとしてはビンテージの PAF や Seth Lover は#1です。
一般的にカバーがついて売ってる PU は#3になります。
で、#3の状態ってカバーの中はワックスで満たされ固められてます。ダンカンのサイトにポッティング時の注意点が書いてありますが、ハムバッカーのポッティング時はポットから取り出したら逆さまのままにしとけと書いてあります↓
ダンカンファクトリーでのワックスポッティング工程動画
それだけワックスで満たされてガチガチに固められてたら、そりゃトーンに影響出ると思います。「ワックスポッティング是非論」で紹介した動画がそれです。注意して聞かないとそんなに違いはないかもしれないですけど、明らかに詰まったような感じはしますよね。少なくとも僕には。
僕はこの抜けのないハムバッカーの音が嫌いで、昔色々エフェクターとか試したんだけど解決できず諦めました。当時はこんな知識もなかったですからね。
あと実は4つめがあって
4.ワックスポッティングされてないコイルとそれにカバーをつけてコイルとカバーの間だけワックスポッティングされたもの
があります。これに気づいた人はスルドイ。
しかしこれはワックスポッティングされてないコイル自体が少ない(市販ではSeth Loverくらいしか知らない)ので、あんまり現実味がないため今回は対象外ですが効果はあるようです↓
ワックスポッティングされたコイル使ってこれやったら#3とほぼ同じ結果になるのは明らかと思うので実験的には無意味でしょう。
で、#2です。基本的に#2の既製品は存在しないです。そして僕がやろうとしてるのがこれ。
トーンの犠牲は最小限で見た目改善&PU 保護を目指したいです。隙間からホコリ入るのも嫌だしね。
ハンダ多めに盛って振動を抑えてみます。
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