先日 Tokai の LS を買ってしまったわけですが

 

 

Tokai の LS は1年半ほど前から気になっていて、自分なりに色々調べたナレッジをシェアいたします。

ネットの出物の評価の際に参考にしていただければと思います。

 

気になる出物があったら、まずはシリアルで確認です。

Tokai の採番はこんな感じです↓

 

TokaiRegistry.com より

 

みてわかる通り 1980 と 2000 で同じ年号になってます。

なので最初の2桁だけでは判別できないです。

細かいパーツや見た目のから判断するしかないんですが、基本 1980 年代のいわゆるジャパビンはシリアルが記載された保証書付きとか、よっぽど素性がわかってる個体以外は手を出さない方が無難と思います。

グレードの判別が難しいですし、なにしろ高くなりすぎです。少しでも疑わしい場合はパスしましょう。

 

アルファベットで始まるシリアルは Made In Japan(以下MIJ)ではないです。数字のみシリアルでも1990年代の韓国製のものがありますが、それらはヘッドの形状で判別できます。

 

1995 あたりからエントリーモデルの ALS シリーズがありますが、それらは Maide In Korea(以下MIK)です。

ものによってはシリアルの記載がないようです。

この MIK の ALS はヘッドで簡単に見分けがつきます↓

 

MIK

 

MIJ

 

すぐわかりますよね。いわゆる Gibson 風オープンブックではなく、真ん中に盛り上がりがあります。

「ディンプル」と呼ばれてるらしいです。

また Tokai の文字もはっきり違いますよね。kの左下が尖ってたり、iの払いが全然違います。

 

電装系もかなりチープです↓

 

MIK

 

MIJ

 

掘りも違いますね。

 

これら MIK は定価4〜6万の廉価版ということで材料も良くないですし、なにより作りが荒いです。なのでおそらく今後ほとんど値上がりはしないと思います。

 

MIJ にしてもぱっと見ではグレードがわかりづらいですが、2000年代のモデルでトラ杢やキルト杢がバリバリの派手なものは Vintage Series で間違いないと思います。

これらは 2P メイプルトップにトラ杢やキルト杢の材を薄くスライスしたのをラミネートしてる、いわゆる「貼りトラ」でバックが 2P のマホガニーです。

名称からもわかります。LS136F とかの F が Flame Maple、LS196QZ の Q が Quilt の略でしょう。

Premium Series の LS160 とかは控えめな 2P ハードメイプルトップでバックが 1P のマホガニーでマテリアル的にはコストがかかってます。

フレイムメイプルをそのままトップに使った LS の最高峰 LS360 とかもありますが、杢はそこまでギラギラしてないです。こちらはバックが 2P ホンジュラス・マホガニー、指板がマダガスカル・ローズウッドとかなり高級です。

2014年くらいまであった LS420、LS540 はバックが 1P ホンジュラス・マホガニー、指板にハカランダ使っていました。これらは相当希少と思います。

 

写真で判別が難しいのは LS140 とかのラミネートじゃない機種とゴールドトップの機種です。ぱっと見では Premium Series との区別がつきません。

ただ、細かいところをよくみると判別できます。
まず塗装が違います。Premium Series は薄いポリ塗装の上にラッカー吹き付けてあって、マホガニーとかの木目の凹凸が塗装面にも出てます。

そしてバック。Premium Series は 1P なので繋ぎ目がないです。マホガニーは繋ぎ目わかりづらいですが、よくみるとわかります。特に横から。

次にインレイ。Premium Series のインレイは黄色っぽいビンテージライクな色合いになってますが、Vintage Series はかなり白っぽい新品感がある色味になってます。

あと Premium Series はブリッジのコマがブラスです。色ですぐわかります。

電装系も違ってて Premium Series は CTS に Orange Drop のコンデンサーがついてます。

さらにネックジョイントが決定的に違うんですが、ネック PU 外してもらわないとわからないんで難しいです。

Premium Series はディープ・ジョイント、Vintage Series は普通のジョイントです。どちらも接着にニカワ使ってます。

 

通常のセットネック(ショートテノン)

 

ディープ・ジョイント(ロングテノン)

 

音に違いはないと思いますが強度に違いはあるかもですね。

まあそんなにありがたがるほどのことではないけど、手間暇と材料費はかかってますのでそれなりの付加価値にはなるでしょう。

なので将来評価が上がることはあっても下がることはないと思います。

 

ゴールドトップに関してはバックが何Pかで判断するしかないです。

1990年代の LS50 とかは 2P、LS70、75は 1P です。MIJ でも謎の 3P バックの個体もあります。

1980年代初期は LS50 でも 1P バックだったようです。

 

この辺を押さえておけば、高い買い物をしてしまうリスクは避けられると思います。

 

以上、参考になれば幸いです。

もし間違い等ございましたら、ご指摘ください。