前回
の続きです。
ボディがAshなので当然ナチュラルが欲しかったのですが、出物もNTだったのでラッキーでした。
木目はこんな感じです。
でですね、これ見る人が見ればすぐわかりますがAshじゃないです。
僕も買う前からAshじゃないのわかってました。
当時カタログでAshと書いてある国産のオリジナル系機種はほぼ全て「セン」です。
GrecoのGOシリーズ、AriaのTSシリーズとか。
このギターの場合、重量が3.6Kgということ、そして木目の感じからして「糠セン」と思いますね。
メープルトップ・バックのPE-1500、PE-1000とかは4Kg超えですから。
チェストナットのPE-600が3.9Kgということを考えると、ずいぶん軽いです。
多分それもあってあまり売れなかったんじゃないですかね。
なので個体も少ないと。まあ、勝手な想像ですけど。
ちなみにモノホンのAshの木目はこうです(Fujigen NTL-10)
さてセンですけど、GO2を使ってた僕には良い印象しかないんですよね。
むしろAshよりいいと思ってますが、なにしろ不人気です。
まあ有名どころが使ってないからだと思いますが、トーンウッドとしては最高に使い勝手いいんじゃないですかね。
ちょうどAshとアルダーの中間というか、良いとこ取りの木材と思うんですよ。
Ashの木目にアルダーの軽さを足したみたいな?
まあ、そもそも音色に関してはボディ材は微々たる影響しか及ぼさないですけどね。
ギターのボディは見た目が重要です。
あ、その見た目ですが、ジャパビンで僕がダイナ製を避ける理由があります。
音の問題ではなく、クラフトマンシップの問題です。
それはまた後日書きたいと思います。
さて、一番の興味どころであるピックアップ。
ネック、ブリッジともオリジナルのEXTRA-7でした。
AL-VIIってあるけどアルニコ7てことですかね?
これ重要です。
当時のAriaつかマツモクの開発陣が目指した、モノマネではない音はどんなんだったのか知りたい。
軽く音出ししてみましたが、ネック側が非常にいい感じでした。
ブリッジ側は結構シャリシャリしてるので、若干トーンを絞るアンプ設定になる感じ。
とにかくこもる感じが一切ないのが良いです。
サウンドに関しては別稿にて詳しく書きたいと思います。
あと、セットネックにダメ押しのネジ止めはPEの証。
全体的なコンディションは悪くはないのですが、ブリッジ側のエスカッションが割れてて(それは修理できるのでいいのですが)、問題はその割れた原因。
よく見るとネジの開け位置がエスカッションサイズと合ってなくて、その負荷がかかってたみたい。
そして木ネジ側の堀が欠けてました。
つまり若干しくじってる。おそらく製造時に。
シリアルが8始まりの5桁なので78年製ですから、まだ作り初めの頃で失敗もあったでしょう。
まあ、ここは木工パテで埋めて位置直しする予定。
※木ネジが浮いてるのでマスキングテープしてます
ブリッジのサビとかメッキ剥げとか気にする人いるけど、ギターって弾かれないと良くないよ。
というか、弾かれてないギターは逆にコンディション悪いと思う。
なぜかというと、弾いてればどこかおかしいと直したりケアしたりするでしょ?
例えば指板が乾燥して弦や指が引っかかったりしたら、オイル塗ったりするじゃないですか。
弾いてなきゃそのまんまなんで、いざ売る時にオイル塗って表面の見た目は良くしても、内部で劣化してる可能性もあり得るんだよね。
なので古いものほど綺麗すぎるのは僕は避けます。
あと、音というか振動に晒されてるのが大事と思う。
なんつの、篩(ふるい)にかける感じ?
ビンテージが良い音するのってそこも関係してる気がしてるのよね。
Fenderがカナダだかの老舗のクラブの木材でテレキャスだか作ったって動画見たけど、そこで同じようなこと言ってた。
あと想定外にフレットとネックのコンディションが良かったのは幸い。
かなり弾きやすいですね。
さて気になる買値でけど、送料入れて6万でした。
おそらくフェアバリューと思います。お買い得ではないです。
市場価格は需要次第なので、欲しい人がいなければ3万とか4万とかでしか売れないでしょう。
ただ、僕のように欲しい人が居れば、もう少し出して5、6万で買うでしょうけど。
なにしろ知名度が低すぎて値段の付けようがない。
なので当時の定価が目安になりますが、相当のデマンドがないと定価超えは難しいと思います。
あと、やはりLes Paul系のギターではメープルトップが人気あるわけで、Ashとか言ってもセンではなかなか買い手は出ないでしょうね。
素晴らしいギターではあるのだけれど。
さて、ギターのご紹介はこの辺にして、次回はメンテナンスについて書いてみます。