昨日の午後、
いつもと違うルートのお習字のお稽古の帰り道。
Guy Concordia駅でメトロを降り、出口へ向かう階段を上っていると、なんだか懐かしい弦楽器の音が耳に入ってきました。
ベンベケベン
まさかね。
テンテケテレレレ♪
いや、まさか。きっと中国かどこかの似た楽器よね。
そう思いながら近づいていくと、どんどんそれっぽくなってきて、階段を上がりきると、10mほど先に
本当に三味線を弾いている着物の女性が!
!!!
日本人のストリートアーティスト、しかも日本の楽器のストリートパフォーマンスをモントリオールで見るのは初めてだったので、本当に嬉しくなって、「かっこいいですね!」と傍に寄って行ってしまいました。
張りのある三味線の音といい、真っ赤なお着物といい、薄汚れたモントリオールの駅にぱっと咲く椿のようでした。
”Tips please"の帽子代わりの巾着袋にTooney(2$コイン)を入れて、一度は通り過ぎたのですが、三味線の音が遠くなるにつれてやっぱりもうちょっと聴きたくなり、la chamisséniste(三味線奏者?私の造語)の舞台へとUターンしました。
お話を聞くと、お名前は僚子さん、モントリオールの和太鼓グループの「嵐太鼓」のメンバーで、太鼓の練習の後にいつも三味線を弾いていらっしゃるとのこと。
でもモントリオールから何時間かかる町に引越したから、太鼓の練習に通うための交通費を三味線で稼いでいるんですって!かっこいい!
今まで特に興味を持ったことのなかった三味線などの和楽器ですが、今回の出会いのおかげで、家に帰ってきてからも、いろいろ調べてみるきっかけになりました。
Youtubeのビデオを何本か再生してみたら、つくづく男性が弾いても女性が弾いても味、色っぽさのある楽器だな、と思いました。
楽器の見た目も、3本のチューナーペグは羽を一枚無くしたとんぼみたいでちょいとアンニュイ。ながーい棹を演奏中にも布で拭いたりして。ボディーも猫か犬の皮とかいってちょっとダークな一面も持ってるし。弾く時は、例えばバイオリンみたいに耳の下に挟んだりしなくていいし、体の重心をねじらない、ゆったりした姿勢で演奏するから、速いテンポの曲を弾いてもあんなに優雅に見えるのかもしれないですね。
というわけで、朝は筆で日本の文字を書き、
午後は三味線で、「聴く」和の美に触れることができて大満足。
モントリオールにいながらにして、
日本に住んでいた頃より日本文化を堪能した一日でした。
僚子さん、これからも素敵な演奏続けてください!
今度またどこかの駅でお見かけしたら、もっと三味線のことを教えて下さい。