こんにちは。株式会社DARIANの田中早苗です。
今回は日本料理の基本のお話です割り箸


日本料理の種類

「日本料理(日本食・和食)」とひと口にいっても、かなり幅が広く、実にいろいろな種類があります。基本的には、日本の食材を使い、日本の国土で独自に発達した料理のことで、代表的なものには本膳料理を祖とする「会席料理」禅宗の修行僧が食べた軽い食事がルーツの「懐石料理」があり、「袱紗料理」「精進料理」「普茶料理」も有名です。
「袱紗料理」は本膳料理を簡素化したもので、「精進料理」は僧侶が仏前に供えた供物を下げて、食材にしていたのが始まりといわれ、肉・魚は一切使いません。「普茶料理」は中国の影響を受けた精進料理で、隠元禅師によって広められたといいます。
これらのほか、寿司、蕎麦、天麩羅などが、代表的な日本料理としてよく知られています。

会席料理とは

会席料理とは、宴席で出される日本の代表的な饗宴料理です。その元祖といわれているのが日本料理の基本である「本膳料理」。これは宮中の料理を武家が採り入れ、室町時代に形が整えられたもので、供応や冠婚葬祭などの儀式的な意味合いも強い料理でした。そのため、礼式を重んじた非常に厳しい料理作法が定められています。基本は本膳、二の膳、三の膳に、7種(5種、3種の場合もある)の料理が配膳されます。さらに脚つきの膳で、与の膳(四は死につながるので、こう呼びます)と五の膳が加わったものは、最高級とされています。
会席料理は、この本膳料理と後で説明する懐石料理を元に、江戸時代、酒宴向けの料理として普及していきました。本膳や懐石のように作法にあまりとらわれることなく、一品ずつ、できたての料理を配膳する形式となっているのが特徴です。


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会席料理のメニュー

結婚式や旅館の料理に多く使われます。一度に料理が供され、天麩羅、ご飯、汁物はあとから出るのが「本膳風」、これに対して、一品ずつ順番に出すのは「懐石風」。後者はちょっと改まった席や料亭などに多いです。会席料理の献立は、一汁三菜(吸い物、刺身、焼き物、煮物)が基本で、これにお通し(先付け)、揚げ物(天麩羅)、蒸し物(茶碗蒸しなど)、和え物、酢の物などの酒肴が加えられ、最後に飯と味噌汁、香の物が出ます。料理人は「客に料理を待たせてはいけない」ということを最優先しているので、料理は他の人を待つことなく、出てくる順にいただいてかまいません。もちろん、お酒を楽しみながらの食事となります。

懐石料理とは

「懐石料理」とは、茶事や茶会の席で出される料理(茶懐石)のこと。濃茶の前に、軽くおなかに入れておく食事で、旬のものを使う洗練された料理が供されます。かつて禅宗の修行僧が、空腹と寒さをしのぐために、温石を懐に入れていたことに因んでおり、茶道とともに発達しました。本式では、箸の割り方から、ご飯の食べ方、椀の持ち方、客同士の食べる順番、客と主人とのやりとりまで、食事作法にいろいろな決まりがあります。カジュアルな日本料理店などでは、それほど作法を遵守しなくても大丈夫です。


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懐石料理のメニュー

懐石料理の献立も一汁三菜が原則で、季節感を大事にした素材を、簡素な調理法で仕上げた料理が基本になっています。