派閥解体で「無敵の首相」になった岸田政権が「自民党補選3連敗」に沈んだ「本当の理由」 | へっぴりごし

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高橋洋一:

 

派閥解体で「無敵の首相」になった岸田政権が「自民党補選3連敗」に沈んだ「本当の理由」(髙橋 洋一) | 現代ビジネス | 講談社(2/4) (gendai.media)

 

【略】

 

震災復興はなぜ遅れたか

元日に発生した能登半島地震では、ボランティアとして被災地入りを重ねているアルピニストの野口健氏は「復興の遅れ」や「東京と現地の温度差」を指摘する。

 

筆者は、復興の遅れについて、昨年度に復興補正予算を出さなかったからと見ている

 

気象庁の震度データベースで1919年以降、震度7を記録したものを調べると、1923年9月1日関東大震災、1995年1月17日阪神淡路大震災、2004年10月23日新潟県中越地震、2011年3月11日東日本大震災、2016年4月14、16日熊本地震、2018年9月6日北海道胆振東部地震が起こっている。

 

その後の財政対応を見ると、1995年阪神淡路大震災のとき1兆223億円の補正予算が2月24日閣議決定、28日国会で成立。2004年新潟県中越地震では、1兆3618億円の災害対策費などの補正予算が12月20日閣議決定、2005年2月1日に国会成立となっている

 

また、2011年の東日本大震災では、4兆153億円の補正予算が4月22日閣議決定、5月2日国会成立した2016年熊本地震では、7780億円の補正予算が5月13日閣議決定、17日国会成立。2018年北海道胆振東部地震では、他の豪雨災害などとともに9356億円(地震への対応は1188億円)の補正予算が10月15日閣議決定、11月7日国会成立という前例がある

 

こうした過去の前例をみると、例外なく震災発生後1ヵ月少しで災害対策費などの名目で補正予算が作られた

 

しかし、今回は予備費対応だった。予備費対応は、各省で詳細な帳簿管理が必要になるなど手続きが煩瑣でまとまった政府支出に不向きだ

 

財務省はどうみているのか。4月9日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、能登半島地震の被災地の復旧・復興について、将来の需要減少や維持管理コストも念頭に置き、住民の意向を踏まえ、十分な検討が必要だとしている。

 

震災復興について、よりによってコスト論を持ち出したのかと、元財務官僚の筆者は呆れてしまった

 

被災地の多くが人口減少局面にあることも議論されたらしい。あえて極論を言えば、能登半島のような過疎地では、復興のための財政支出を無駄と財政当局は認識しているのではないかと邪推してしまいそうだ

 

さすがに、財務省のこの意見は酷い。石川県の馳浩知事は、11日の記者会見で「最初から『上から目線』でものを言われているようで、大変気分が悪い」などと述べ、不快感を示した。ちなみに、馳知事は、1月10日の年頭記者会見で、能登半島地震からの復興のため政府に「数兆円規模の補正予算の編成を1カ月以内にお願いしたい」と述べていた

 

【略】

 

冒頭に述べた通り、岸田政権は補選3連敗だ。なおも有力派閥解散した自民党内で「岸田降ろし」の兆候はまだない。それどころか、6月解散のために、自民党で夏の活動費の支給を前倒しするという観測も出ている。

 

そうなった場合、島根1区の再来が起きるかもしれない。保守王国で、財務省候補で島根1区が負けたのは、政策論的には、震災対策と経済が無関係ではないだろう。