【マドモアゼル・愛 】
トヨタ・スズキ・ダイハツが手を組んだ
自動車メーカーの大手、トヨタ、スズキ、ダイハツが手を組んで、自動車の未来化に沿った戦略に着手し出しました。トヨタ主導の再編成はこのところ他社とも進んでいて、危機感や展望を見ることができます。
今回の提携は自動車のEV化を睨んでのもののようです。EV自動車になると車は小型化に向かう読みがあってのことだと思います。
スズキやダイハツにしてもトヨタの先端技術や販売網などがあると有利でしょうし、開発費や開発時間の限界をクリアすることができます。生き残りをかけた提携が相次いでいるわけです。
この流れ自体はさすがと思われますが、今の時代の変化は、目先とさらに先を読む必要があります。EV化が小型車に有利である点は確かですが、技術的な難易度はかなり自由になります。そうなれば、町の工場レベルで魅力的なEV小型車ができるとも読めると思うのです。
その時、競争力が問題となりますので、圧倒的にトヨタ連合が勝つかというと、それはまだ不明だと思います。というのは、現在、トヨタのYouTubeの顧客登録人数はわずかに47000人ほどでした。
これはトヨタがYouTubeに力を入れていないことを意味します。もっと言えば、力は入れているとは思うのです。というのも、豊田社長自らご登場する動画がけっこうあるからです。また、一本の動画づくりにそれなりのお金をかけていることもわかります。しかし、チャンネル登録者は大した数ではありません。
本気になれば、全国のディーラーや家族、関係者、そして何より自動車購入者が登録すれば、あっという間に日本一の顧客数を獲得してもおかしくないでしょう。
しかし、そうしたことに力を入れていない。ネット上で毎日動画を更新し、車を購入した人への何等かのアプローチが常にあるとなれば、生きた情報媒体となって、直に購入者と本社がつながります。今のディーラーは、ディーラーと購入者のつながりはけっこう深いのが日本ですが、それは若者には、以外とうざっとい面があるかもしれません。
もっとあっさりと、知りたい情報だけでいいので、信頼している自動車会社とつながりたい、、、そんな層があるはず。ディーラー通しで車を売るより、高い広告料を払って車を売るより、ネット情報の信頼によって車を買う層がこれからの姿でしょう。
そこへの本気度を感じることができません。モノづくりは世界一で間違いないトヨタ。モノづくりのノウハウも世界一でしょう。しかし、ここにきて、新しい現実世界がネット上にできてきているわけです。
仮想のネット世界が新しい現実となって購買力も情報力も左右していることの重大性をまだ大手は本当には理解していないのかもしれません。
未来とは何か、、、今、ここにある現実とは、トヨタが認識している現実と本当に一体なのか、、、もっと違った現実が芽生えていて、そちらの方が、本当は大きな力を持ち出しているのではないのか、、、
かつて豊田社長は、「トヨタの車は若者の心をつかんでいない。これではトヨタには未来がない」というようなことをおっしゃるのを聞いて、私はこの人は偉い人だと思ったことがあります。
会社ではお殿様ですので、誰も耳に痛い進言などするものはいない中で、自ら、これではトヨタは危ない、、、と言われる。凄いことだと思いました。創業家には見えるものがあると思います。
今回の連携が生み出す方向は、日本にとっても非常に大きなものです。その際に、意識が単に自社の生き残りだけではない、新たな未来への提言があるかどうか。EV化、すなわち小型車、、だけでは早晩行き詰る流れでしょう。その先があるのか、、、がどの企業にも今、問われているように思います。