研いでは塗り重ねる。 | ヤマト会三重(合氣)ブログ

ヤマト会三重(合氣)ブログ

日時 毎週木曜日 18時00分より21時まで。
場所 三重県津市香良洲町 香良洲公民館1F大会議室
参加費 ¥1,500/回
年会費 ¥12,000
見学/体験ご希望の方は、メールなどで 必ず 事前にご連絡ください。
yamatotakedasunzo@gmail.com

『忘れてないもの』が『覚えたこと』


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各支部の昇級審査が終わった。

皆さん、私の予想を上回る成果を出してくれた。この成長速度なら……、と期待されたことだろう。しかし、あえてここから型をやらずに、肉体鍛錬の期間に入る事とした。以前から決めた事だった。


約二ヶ月は、昇級審査のために集中して使い切ってもらった。それだけ長い期間だと、集中力が途切れたり、飽きが来たりもしながら、学びと成長をして行く。『審査』という目標に向かって。


そして、一旦その結果を得ると、覚えた技が荒れていく。これは、何度となく見てきた、自分でも体験した光景だ。いわば、自分流になってしまう。


ここで、根本的な肉体鍛錬を挟みつつ、三ヶ月という長い期間をほぼほぼ、覚えた型から離れてもらう。


すると、型に対する飢餓感や、新たな気づきや興味が湧いてきたりする。頭が勝手に深掘りを始めるのだ。


しかも、三ヶ月という期間に練られ、鍛えられた肉体で行う型は、三ヶ月前のそれとは違うレベルでかかる。さらに、型への興味が深まる。


私は、このサイクルを見つけてから、技の上達が飛躍した。


そして、よく受ける質問、


「せっかく覚えた型なのに、勿体無い気がする」


ヤマト会の稽古は、脳神経回路を作るように設計してきている。もし忘れてしまう型や手順、コツなどがあれば、それはいざという時には使えないものだ。無いものと同じなのだ。


忘れられないもの


それが、


身についたもの


忘れたら、また身につければいい。そうやって、薄ーい紙を一枚一枚、丁寧に重ねていく作業が、武術の習得ではなかろうか。