一般的にはマコモで編んだゴザを敷いた壇を用意し、四隅に葉のついた青竹を立て、竹の上部にしめ縄を張って結界をつくり、位牌(いはい)やお盆の供え物、故人の好物などを飾ります。
ただし住宅事情などで大きな祭壇を作ることが難しい場合は、小さなテーブルの上に和紙を敷いて、お花や水、精霊馬などを並べるだけでも良いでしょう。
精霊棚に飾るもの
位牌‥仏壇にある位牌を精霊棚の中央正面に置き、いくつかある場合は並べます。位牌の前には、先祖の「足」となる精霊馬を置きます。
ろうそく‥台に立てたろうそくの明かりをともします。位置に決まりはありません。
笹竹‥神事に用いられる笹竹を立てて、空間を清めます。
お供え物と花‥そうめん、餅、おだんごなどのほかに、夏の果物やお菓子、故人の好きだった食べ物などを供えます。花は縄にほおずき・アワ・キキョウ・山ユリ・みそはぎなどをつるす地域もありますが、季節の花でもOKです。
水の子‥ハスの葉を敷いた器に賽(さい)の目に刻んだナス、キュウリ、洗い米などを盛った水の子に、器にきれいな水を入れ、その上にミソハギの花を5・6本束ねた束を置いた閼伽水(あかみず)を添えます。 精霊棚をお参りする時には、ミゾハギの束に閼伽水を含ませて、水の子に注ぎます。
14日は「お盆中日」と呼ばれ、朝夕、精霊棚をお参りし、水の子やお供え物などを取り換えます。
15、16日の送り盆では、午前中まで家に先祖の霊がとどまっているので、お供え物やお参りを続けましょう。最後に送り火をたいて霊を見送ります。17日になったら精霊棚などを片づけます。
覚えておきたいお墓参りのマナーは
きゅうりやなすを使って、割り箸や、つまようじで足をつけて作る、馬や牛の飾りです。
きゅうりの馬は迎え盆に「足の速い馬に乗って、早くあの世から帰って来られるように」、なすの牛は送り盆に「足の遅い牛に乗って、ゆっくりあの世に戻って行けるように、この世からたくさんの供物を積んで楽に帰れるように」という願いがこめられています。
蓮やほおずきなどのお供え花
お墓参りに持って行きたいのは、お供えの花、お線香とろうそく、手おけとひしゃく、お供え物、掃除道具など。不要物を持ち帰るためのゴミ袋もあると便利です。
霊園によってはお線香を禁止しているところや、お菓子などのお供え物は持って帰ることを勧めているところもあるので、決まりに従いましょう。
お墓に着いたらまず本堂にお参りしてから手を洗い、手おけに水をくんでお墓へ。一礼してから手を合わせたら、雑草を抜いて墓石をきれいに掃除し、水をかけて清めます。
お線香をあげてお供えをしたら、あらためてお墓に手を合わせます。終わったら不要なものを持ち帰りましょう。