1826年、フランスのニエプス兄弟がカメラ・オブスキュラを改良し、道路ほ装の材料として使われるアスファルトを感光材料にして、およそ8時間もかけて1枚の写真を撮影しました。
その後の1839年には、フランスのルイ・ダゲールが、銀メッキした銅板を感光材料として使う「ダゲレオタイプ」という技術を発表しました。
これにより、露出時間は30分程度に短縮されました。
ダゲレオタイプは現在の写真とちがい、フィルムに相当する銀板そのものが写真になります。つまり、焼き増しができません。
この点を改良し、撮影でネガを作って後でポジを作る「ネガポジ法」が、1841年、イギリスのウイリアム・タルボットによって開発されました。
この技術は現在の銀塩写真にも用いられているものです。
写真技術は日本にも伝わりました。
1857年(安政4年)に写された島津斉彬(しまづなりあきら)の肖像写真は、現存する最古の、日本人が撮影した写真と言われています。
19世紀後半、感光材料の改良があいつぎます。
この時代の感光材料は光を感じる物質をガラス板にぬったもので、サイズも大きく、取りあつかいや持ち歩きがたいへん不便だったためです。
そして1888年、現在の写真フィルムにつながる「柔らかいために巻き取ってあつかえる」フィルムが、アメリカのイーストマン・コダック社から発売されます。
その後の1935年にはカラーフィルムが、さらに20世紀の半ばには、撮影した直後にプリントが見られるインスタント・フィルムも登場して、写真技術の発達はさらに加速していきました。