1893年にはアルヴァ・ローバックが事業に加わりイリノイ州シカゴに「シアーズ・ローバック」を設立します。
そして1896年には広大なアメリカ中に住んでいる農家をターゲットに「ビッグブック」というカタログを郵送し、一括仕入れで安く品物を提供するというカタログ通販を始めたのです。
これが通販の始まりとされています。
当時のアメリカ人の多くは農業に従事しており、広い大地における彼らの交通手段は主に鉄道や馬・馬車でしたので、時間をかけて都市部まで行くか、個人商店や行商人から高い値段で商品を買うしか選択肢がありませんでした。
そのような背景の中で始まったシアーズのカタログ通販は大成功を収め、1908年からは組み立て式住宅、操縦が簡単な自動車、そのメンテナンス・サービスなども提供し、アメリカ庶民の生活向上に貢献しました。
日本における通販の歴史を見てみましょう。
日本における最初の通販は明治9年に津田梅子の父である津田仙が「農学雑誌」においてアメリカ産トウモロコシの種を販売したのが始まりと言われています。
明治9年というと1876年ですから、日本の通販の歴史はアメリカのシアーズより早く開化したということになります。
その後大正時代には講談社が発刊雑誌広告を通じて生活用品、家具、食品、化粧品や薬品など多岐に渡る商品を販売しました。
その中でも有名な商品は今では幻や伝説と言われる滋養強壮を謳った清涼飲料水「どりこの」で、講談社が通販により独占販売したのです。
そして戦後になってようやく日本の通販は産業として確立され、1960年代にはカタログ販売の主要業者が現れ、1970年代頃からはテレビショッピング、ラジオショッピングの形でも行われるようになりました。
更に1990年代以降はインターネット通販が主流となり国外からも商品を取り寄せることが日常的になっています。