雪だるまが初めて誕生した起源は明らかとなっていませんが、江戸時代の後期にはすでに雪だるまは存在したとされています。
江戸時代に活躍した浮世絵師・歌川広景の作品『江戸名所道戯尽 廿二御蔵前の雪』には、雪だるまが描かれています。今のように2段重ねではなく、まさに「だるま」のカタチをしているものでした。
この絵には、その雪だるまの近くにお供え物があったことから、縁起物として作られていたと推測されています。
現代の雪だるまがだるまのカタチをしていないのに「雪だるま」と呼ばれるのには、江戸時代からの流れがあったからでしょう。
だるまのカタチから2段重ねに変化した過程は不明ですが、コロコロと雪を転がす作業は、雪国の子どもたちにとって楽しい遊びだったに違いありません。
2段重ねの雪だるまが主流になってからは、木の枝を腕がわりにしたり、炭を目や鼻に見立てたりと少しずつ擬人化されるようになっていきました。