半年前にオープンした日本最初の動物園、その一角に「観魚室(うをのぞき)」としてスタートしました。欧米より30年遅れていました。
その建物は、内側の一方が壁で、もう一方がガラスをはめ込んだ壁水槽の観覧窓になり、水槽内には外からの自然光が差し込んで明るく、室内は無照明で、観客は暗い室内から、明るい水槽の魚をのぞきながら一方向に通っていくようになっていたらしい。
水槽の数は15くらいで、ひんやりと涼しい風の通り過ぎる薄暗いホールの一方の壁に、ほの明るい水槽が浮かぶように並んだ、素朴な昔の水族館の情景が想像されます。
この水族館では、キンギョ、フナ、コイなどのほか、イモリやテナガエビなどの淡水生物が中心で、その後は海水生物の飼育も試みていたようです。
明治18年の飼育動物一覧表には、アカガエル、オイカワ、モロコバエ、イモリ、イシガメ、クサガメ、スッポンなどのほかに、ボラやヤドカリなどもリストに載っていた模様です。
明治32年10月には、日本で最初の営利目的の企業水族館ができました。