また、平安時代に編纂された「延喜式」には、干したカキを交易品として取り扱った記録が残っています。
身を食べるだけでなく、殻をすり潰して「胡粉(白色の絵の具)にしたり、肥料としても使われてきました。
日本でカキの養殖がはじまったのは16世紀ごろ、広島が発祥の地といわれます。
「賀喜」「嘉喜」などと表記されることもあるカキ。「福を『かき』込む」おめでたい食べ物として、お正月料理に取り入れる地方も多い食材です。
ちなみに、一般的に食用とされるカキは「マガキ」という種類。病害に強く、かつてヨーロッパのカキが病気で壊滅状態になった時、日本から種カキを移植したことでも有名ですね。
「Rがつかない月にはカキを食べるな」ということわざがありますが、これはマガキが産卵期を迎える夏には身がやせるためとも、生殖巣が発達して中毒を起こしやすくなるからとも言われます。
よく似たことわざとして、日本では「花見を過ぎたらカキ食うな」などと言うようですよ。
このマガキと入れ替わるように、旬を迎えるのが「イワガキ」。
別名「夏ガキ」ともいわれ、春から秋口にかけて出荷されます。