ヒトとコラーゲンの歴史は古く、5000年以上前にエジプトで獣類の皮や骨等から水で煮だしたゼラチンを主成分とする天然の接着剤であるニカワ(膠)が、使用されていたことが報告されています。
コラーゲンの「コル」が「ニカワ」、「ゲン」が「もとになるもの」を意味することからも、人間がコラーゲンを意識し始めた始まりがニカワの利用であったことが窺えます。
その後、1700年頃よりヨーロッパでゼラチンの工業的な生産が開始され、1800年代には精製度の高い食用ゼラチンが製造されるようになりました。
その後、食用以外にも、写真のフィルムに使用されるゼラチン乳剤、菓子箱等の接着剤、建築・楽器等の接着や修理用等、コラーゲンは私たちの身近なものとして古くから使われてきました。
1930年代頃からコラーゲンの構造解析に関する研究が進み、コラーゲンが約1000個のアミノ酸が結合したポリペプチドから成っており3本のポリペプチドが三重らせん構造をとった細長い分子であることが分かってきました。
しかし、体内に存在するコラーゲンは「水に溶けないタンパク質」であり、三重らせん構造を維持した非変性の状態で抽出する方法の確立が課題となっていました。